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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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人間関係なんて大嫌いだ!

仕事がひと段落ついたので、スーパーに買い物に行ってみる。
しかし、あいにく今日はスーパーが休みだ。
あちこちさがしたが、今日は休みの店が多い。
しかたがないので駅前の高級食材販売店に行ってみる。
さすがに品質のよいものを多数そろえているが、いかんせん高い。
プチトマトを買おうとしたら一番安いので250円くらいだ。
背中から池内忍が出てくる。
「これを買いなさい。」池内忍が指をさす方向をみると、小指の第一関節の先くらいの大きさの
トマトが小さな容器に数個入ったトマトが390円で売っていた。
「高っか!」と思わず思った。
「何言ってんのよ、糖度12度以上保障よ!トマトは普通いくら甘くても糖度88が限界なの、
12度って最高級スイカとタメはってるくらいの甘さなのよ?その価値がわからないの!?」
私がひるんでいると池内忍が声をあらげた。
そのトマトの名前をアメーラルビンズという。まさしく豆くらいの大きさのトマトだ。
うーん、糖度12度のトマト、食べてみたい。
私はアメーラルビンズに手を伸ばしかけた。しかし、手が震えてうまくつかめない。
私の目の前に幻影の巨大要塞が出現した。
普通のプチトマトの値段が250円、それに比べてアメーラルビンズの値段は390円
高い!この140円の差がまるで難攻不落の要塞のように私の前に立ちはだかった。
だめだ、こんな高級食材を買うなんて、恐れ多い!
こんなものを買ったら夜な夜なモッタイナイお化けが私の夢枕に立って毎晩花笠音頭を踊るに違いない!
「普通のプチトマトでいいや。」私はそう呟いて普通のプチトマトを買って帰った。
「敵前逃亡よ!背信行為よ!憲兵隊、この逃亡兵を逮捕しなさい!」池内忍はヒステリックに叫んだ。
池内忍があまりさわぐので疲れたのと、ちょと小腹が空いたので、駅前の立ち食いそば屋で
ぼっかけそばを注文する。
「はい、おまち!」お店の人がおそばを出した。
背中から池内慶が出てきて私の服の袖を二回軽く引っ張った。
「なんだよ」私は池内慶を見た。
「このぼっかけそば、390円だよ、アメーラルビンズが買える値段だよ。」
私は愕然とした。
高級食材を買おうとしたときは、そのあまりの気高さに後光がさして眩しくて直視できないくらいだった。
買おうと思っても手が震えて商品を手に持つことさえできなかった。
しかし、いつもよく通っている駅前の立ち食いそば屋さんだと無意識に390円支払ってる。
なんてこった!
私の心の中には貧乏人根性が染みついた、高級食材を買うことへのためらい、
貧乏性の壁が高々とそびえ立っているのだ。
池内忍が背中から出てきてきて右の眉をピクリとうごかした。
「これは事件ね。」
池内慶と池内忍が騒いでいるので、池内剣もねぼけ眼で私の背中から出てきた。
「なんだよ、うるさいなあ、眠れやしない。」
私は池内剣に向かって言った。
「プチトマトを買ってあげなかったあら、池内忍が怒ってるんだよ。」
すると、池内剣はフッと小さくため息をついて「トマトなんてどうでもいいじゃん。」と言って、
私の背中の中に戻っていった。
それを聞いて、池内忍はキッとまなじりをあげて池内剣が消えていった方向をにらんだ。
立ち食いそばを食べたあと、散歩がてら駅前の商店街を歩いた。
割と女性向けファッション小物の店が多くて、私が見るようなものはあまりない。
まあ、ただのはらごなしだ。
そんなとき、背中にグイッと圧力を感じた。見ると、池内剣が私の背中から半身を乗り出して、
何か女性向け小物の店の商品に見入っている。
そっちをみると商品の陳列棚にウサギの顔のポシェットが飾ってあった。
いや、そんなもん、私は買わないから、絶対に買わないから。
それを池内剣はポーッと少しだけ顔を蒸気させ、頬をあからめながら夢中で見ていた。
そこに池内忍が顔を出す。
「あら、あんな幼稚な小物がほしいのかしら、オコチャマねえ。」
嫌みたっぷりに呟く池内忍。
池内剣はふいにワレに帰り、驚いて池内忍を見た。
池内忍はニンマリと勝ち誇ったように笑った。
「ち、ちがうわい!オレはあんあもん欲しくないわい!」
動揺して赤面しながら池内剣は叫んだ。
「あ~ら、無理しなくてもいいわよ、買ってもらいなさい、ウサチャンのポシェット、首からかけて
写真とってもらいなさい、さぞ似合うでしょうねえ、かわいいでちゅねー。」
池内忍がからかうように言うと池内剣の目にはみるみる涙が溜まってきた。
「う・・ううう・・・・・・」
歯を食いしばる池内剣
それを見て池内忍は慌てて池内剣をなだめようとする。
「あら、冗談だってば、本気にしないでよ、もう。」
池内剣の目からポロポロと涙がこぼれおちた。
「人間関係なんて大っ嫌いだー!」
そう叫んで池内剣は私の背中に引っ込んでしまった。
池内慶が私の背中から顔を出す。
「あー剣ちゃんを忍ちゃんが泣したー、いけないんだー!」
すると池内忍の顔がみる間に泣き顔になっていく。
「ひどい!私はただの冗談のつもりだったのに!ひどい!ひどいわ!
人間関係なんて大嫌いだー!」
そう言って走り去ろうとする池内忍の首根っこを池内慶がグイッと掴む。
「ウソ泣きはやめなさい、忍ちゃんってばそんなタマじゃないでしょ。」
すると池内忍の動きが止まる。
「・・・・・・」
しばしの沈黙。
ゆっくりと振り返った池内忍の顔はニンマリと笑っていた。
「あら、ばれた?」
池内慶は困ったような表情をした。
「わかるわよ、だって、忍ちゃん涙が出てないもん。」
家に帰ると池内剣はすぐさま私の背中から飛び出してきて、部屋の隅っこに走り去って、
鎧の上から西洋式の等身大の大きな金属製の盾を3枚手の中から出してきて
それをかぶって完全防備で心の殻の中に閉じこもってしまった。
池内忍も私の背中から出てきて池内剣に近寄っていく。
「ごめんなさいね~、シルバニアファミリーあげるから出ていらっしゃ~い。」
猫なで声で池内忍が言うと池内剣は
「うるさい!あっちいけ!人間が嫌いだ!人間関係が大嫌いだ!」と叫んだ。
池内慶も背中から出てくる。
「ちょ、もうからかうのやめなさいよー。」
池内慶は池内忍の首根っこを掴んで池内剣から引き離そうとする。
池内慶は池内剣の方を心配そうに見た。
「剣ちゃんも機嫌直しなよ、一緒にゲームやろう。」
しかし、池内剣は鎧と盾をかぶって石のように身を縮めて出てこない。
「イヤだ!あっちいけ!3次元はめんどくさいから嫌いだ!二次元は裏切らないから好きだ!」
鎧の中から池内剣は叫んだ。
それを聞いて池内忍の顔が素になった。
そして抑揚のない声で語った。「むかし、むかし、あるとことに漫画があったそうなその名をかんな・・・。」
池内忍の口を池内慶がふさぐ。
「ちょ!やめなさいよ!」
すると池内剣は言い返した。
「漫画なんてどうでもいいよ、オレにはゲームがあるんだ!」
池内忍は池内慶の手を振りほどく。
「むかし、むかし、あるところに下級せ・・・」
池内慶は「いいかげんにしなさいよ!」と叫ぶと池内忍から少し距離を話し、そこから
ショートダッシュしながら池内忍のケツに回し蹴りをくらわした。
それは、パコーン!とよい音を立てて、もろに池内忍のケツにヒットした。
「ぎゃあっ!痛い、何すんのよ!」
怒った池内忍は池内慶と掴みあいのケンカを始めた。
ああ・・・・収集がつかなくなってきた。
早く藤子さんが来ますように私は手を合わせておがんだ。
あ、藤子さんは休暇で南の島に旅行してんだ・・・・・。


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コメント

高級食材

あ~、わかります。
野菜に390円って、すごく高い気がしますよね^^;;
剣ちゃんって、意外と可愛いものが好きなんですね。
一番純情な子なのでは?

忍ちゃんが途中でさえぎられる
「昔昔・・」の話はやっぱり
それ系の情報なのでしょうか(笑)
【2010/02/18 15:25】 NAME[とっぽ] WEBLINK[] EDIT[〼]

とっぽさんへ

そうなんです。
食事だったら390円は安い!と思うのに、
野菜だったら高い!と思ってしまうこの不思議。
剣ちゃんは実はかわいいのが好きだけど、
隠しています。
忍ちゃんにからかわれると、泣きそうに
なってしまいます。
でも、いつも強がりを言っています。
傷つきやすいので鎧をかぶって、
いつも自分を防御しています。
むかし、むかし、はオタク系の情報ですね。
忍ちゃんは、ちょっとからかうような
軽い気持ちでやってるんですけどね。
忍ちゃんはとにかく知識だけは広いですからね。色々雑学とかだけど。
【2010/02/18 21:27】 NAME[楠乃小玉] WEBLINK[] EDIT[〼]

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