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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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紅ほっぺX-挑戦者たち-


スーパーにお買いものに行きました。
予算は3000円。
まず、甘栗の大型パックを買って、そのあと野菜サラダと香味野菜を買いました。
枝付プチトマトを買って、そのあと、照り焼きチキンの切り落としを買いました。
切り落としは照り焼きチキンを加工したときにでる切れ端で、
お値段がお安くなっているのですね。
そして、香川県産の小魚の新子が198円で出ていたのでこれを2個。
大塚食品のカレーと卵丼のレトルトパックが78円であったのでこれも買いました。
あと、乳製品売り場にフランス産のブルーチーズカマンベールが売っていました。
忍ちゃんがすごくほしがったので、まだ
少しお金に余裕があるので、560円とわりと高額でしたが、これも買いました。
あと、お惣菜で慶ちゃんがほしがっていたミートスパゲティーを買いました。
あと、お惣菜でヒレカツとおからなどを買って、だいたい3千円くらいの予算の買い物を終えました。
全部買ってレジに並ぼうとしたとき、剣ちゃんが叫びました。
「イチゴ売り場に紅ほっぺがあるよ!」
剣ちゃんの声につられてイチゴ売り場に行くと、粒のちいさな紅ほっぺと大きな甘王、そして、
非常に巨大で光沢のいい高級紅ほっぺが売っていました。
小粒の紅ほっぺは398円。甘王は498円。そして、巨大高級紅ほっぺは598円でした。
一番高いのは、粒が大きいので個数も少なく、すぐに食べてしまうだろうから、除外して、
最初、安い紅ほっぺを買おうとしました。
しかしそれを剣ちゃんが留めました。
「まって!やっぱりイチゴは大きいのを食べないと食べごたえがないよ!ちょっと無理しても
大きいのを買うべきだよ!そうだよね!」
いつもはおとなしい剣ちゃんが今日はやけに積極的です。
剣ちゃんは、実は紅ほっぺが大好きなのですが、いつも、イチゴ売り場には甘王やさちのか、
とよのか、あきひめ、などが並ぶことが多く、紅ほっぺにはあまりお目にかかれないのです。
ましてや、高級大粒紅ほっぺなど、なかなか見たことがありません。
剣ちゃんの熱意に反して、慶ちゃんたちのテンションはあまり高くありませんでした。
「慶ちゃんの好きなのはさちのか、とよのか、さがほのか、とかだからべつにいいや。」
「私はセレブだからあきひめにしか興味はないの、ましてや、今日はおフランス産のカマンベールチーズも
あることだし、イチゴなんて買う予算はないわ。」
冷淡な二人の態度に剣ちゃんの怒りが爆発します。
「なに言ってんだよ!紅ほっぺはね、さちのかとあきひめの交配種なんだよ!さちのかもあきひめも、紅ほっぺなんだよっ!」
慶ちゃん&忍ちゃん「なんだってーっ!」
それを聞いて慶ちゃんが私にすがってきた。
「ねえねえ、紅ほっぺ買って!買ってよっ!」
「えー、でももうお金がないよ。」
私がそう言うと、慶ちゃんは急に深刻な顔になり両手を天高くかかげました。
すると、スーパーの風景とオーバーラップして、幻影の世界が浮かび上がってきました。
幻影の中で、慶ちゃんたちは日頃の中華服や鎧、天女服から、黒ずくめの背広姿に姿を
変えていきます。
そして、高級木材でできた高級円卓の前に三人が顔を突き合わせて座っている。
慶ちゃんの前には画用紙を三角形に折ってセロパンテープで止めて作ったものに
「しゃちょうサン役」と汚い字で書いたものが置いてある。
慶ちゃんが机の前で手の平を組み合わせ、深刻な顔でつぶやく。
「今回の紅ほっぺ購入計画だが、このままでは予算が足りない。どうしても購入予算を
はじき出すためには、今までに買った栗さんとかサラダさんを買わないことにしなければならないのだ。」
「そんな!甘栗さんはとてもおいしいのですよ!どうにかして他を切り捨てることなく、紅ほっぺを
購入することはできないんですかっ!」
剣ちゃんが叫ぶ。
「最初から言っておきますけど、カマンベールチーズのプロジェクトだけは、絶対に廃止しないのよ。
あのプロジェクトは私と私の部下が10年間アマゾンの奥地で資源開発を続けた結果、やっと
発見した高付加価値資源なの。この10年間の部下たちの苦労を水の泡にはできないわっ!」
毅然とした態度で忍ちゃんが答える。
キリッとした表情で慶ちゃんは私の顔をみた。
「そんな顔したって、3千円以上は買わないよ。」
冷めた表情で私が言うと、慶ちゃんはまた剣ちゃんと忍ちゃんのほうへ向きなおった。
「政府は私たちの企業を見殺しにする算段らしい、ちっ、自国の企業の存亡よりもFTA交渉を
優先しようというのかっ!」
慶ちゃんは詭弁を弄して私からなんとか金をひきだそうとするが、もう慣れっこなので、
私はどうじない。
最近変に知恵がついてきて、妙な小芝居をやったりする。
私がどうしても3000円以上買わないとわかると、慶ちゃんたちは、何を切り捨てるか、
話し合いを始めた。
最初は、サラダである。香味野菜とキャベツの千切りとレタスとパプリカのパックを3つ買っていたのだが、
これが198円、100円、100円だったので、これをまず売り場に戻した。
次は、小魚の釜茹でであるが、これは値段も安いし、おさかなは食べると頭がよくなるので、
除外しないことになった。
チキンの切り落としは、慶ちゃんが好きなのだが、「しゃちょうさん役」としてはまず、自分が犠牲を
払うべきだとして、これを売り場に返した。
つぎに、ヒレカツが非常にコストがかかるので、私にヒレカツを売り場に返すよう、慶ちゃんが
告げた。だが、このヒレカツを買ったのは、名古屋の知り合いのとっぽさんが
味噌タレ調味料「つけてみそかけてみそ」を送ってくれたのを味噌カツにして食べるために
買ったので、絶対にこれだけは返さないと、突っぱねた。
慶ちゃんたちは「政府は我々のプロジェクトの重要性をわかっていないのかーっ!」と
叫びながらその場につっぷした。
「こうなれば、カマンベールチーズを売り場に返すしかない!」
慶ちゃんがそう言うと、忍ちゃんが目をつりあげる。
「何を言っているの!あのカマンベールチーズはおフランス産なのよ!すでにアマゾンでの資源探査調査では、3人の部下が現地のゲリラ襲撃に合い、命を落としているのよ、このプロジェクトだけは絶対に遂行しなければならないのよ。」
忍ちゃんはこぶしで机をたたきながら叫んだ。
「しかし、紅ほっぺちゃんにはあきひめの血が入っているんだよつ!私たちが買ってあげて、
食べてあげて、ウマー!してあげなければ、だれがあの子を救ってあげられるというんだーっ!」
拳を握りしめながら慶ちゃんが叫ぶ。
「だれか別の人が買って帰るんじゃないの。」
私がそういうと、慶ちゃんは私の方を見ないで、手のひらだけを私の顔の前に差し出した。
「国のお役人は黙っていてください、これは私たちの企業の存亡をかけた戦いなのですっ!」
忍ちゃんはハラハラと涙を流しながらその場につっぷした。
「分かったわ、あの子のため、あきひめの血を引いた紅ほっぺちゃんを食べてあげてウマーするため、
私は、私の人生をかけたプロジェクトを放棄します。」
その言葉を聞いて、慶ちゃんは目を見開き、忍ちゃんに駆け寄って手を握った。
「ありがとう!忍ちゃんの決断によって、わが社は救われたのだよっ!」
そのあと、剣ちゃんが甘栗も返していいと言ったので、甘栗も返して、
598円の紅ほっぺ高級パックを2つ買ってレジに向かった。
お会計をすませると、2898円ギリギリの価格だった。
買い物籠からスーパーのビニール袋に買ったものを詰めていると、
慶ちゃんたちが涙を流しながら中島みゆきのヘッドライトテールライトをうたっていた。
帰って高級紅ほっぺを食べたら、とても風味がよく、香がよくておいしかったです。
慶ちゃんたちも大喜びでした。
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