近所の川べりに新しい巨大スーパーができた。
川の近隣というのは洪水が起これば浸水するために、土地の値段が安い。
その場所にあった工場跡に巨大スーパーができたのだ。
行ってみると、日頃買い物に行っているスーパーの3倍くらいの広さがあり、
品揃えも豊富だ。
慶ちゃんたちも興奮して走り回っていた。
そのうち、慶ちゃんが手から木の枝をはやして、剣みたいな恰好をつくり、
スターウオーズごっこをはじめた。
忍ちゃんも手から水の剣をだして、慶ちゃんと切りあいをはじめた。
それを見て、剣ちゃんも手から炎の剣をだす。
「トーッ!」と言いながら剣ちゃんが炎の剣で慶ちゃんに切りかかる。
慶ちゃんは木の剣でそれを受け止めるけど「ジュッ!」と音がして
木の剣がこげる。
「熱いよ!熱いよ剣ちゃん!」慶ちゃんが叫ぶ。
「もらったわよ!」忍ちゃんが剣ちゃんの後ろから水の剣で切りかかる。
剣ちゃんはふりかえりざま、炎の剣で水の剣を受け止めるが、チュン!と
音がして火の剣は消火されてしまい、水の剣が剣ちゃんの腕に当たった。
「痛いよー!」剣ちゃんが叫んだ。
「あら、ごめんねー」忍ちゃんが言った。
「ばかだなあ、調子にのってるからだよ。」
そう私がそういうと剣ちゃんは私のところに走ってきた。
「痛いよー、抱っこして!」
「しょうがないなー」
私は久しぶりに剣ちゃんを強く抱っこしてあげた。
すると、剣ちゃんの腕の傷はすぐに癒えた。
それを見て忍ちゃんは腕まくりして、無理やり腕を自分でごしごしこすって赤くした。
「キャー!私もやられたわよ~痛いわよ~!」
そして私に抱き着いてきた。
しかたないので、忍ちゃんも抱っこした。
それを見た慶ちゃんが私に走り寄ってきて、私の頭の中に手をつっこんで、
マジックインキを取り出してきて、マジックで腕に傷をかいた。
「これみてー!痛いよ!慶タンも切られたよ!」
しかたがないので、慶たんも抱きしめてあげた。でも傷は消えない。
「インチキー!」
忍ちゃんが叫んだ。
「あんたたちだってインチキじゃない!」
慶ちゃんが叫んだ。
「インチキじゃないよー、本当だよー」
剣ちゃんが言った。
「あんたなんか、これがお似合いよ!」
そういって忍ちゃんは慶ちゃんの口のまわりにマジックで泥棒のヒゲと頬にヤクザの傷をかいた。
慶ちゃんは手でそれをこすったが、油性なのでとれない。
「わ~ん!とれないよ~!」
慶ちゃんが泣くので、「よしよし、泣いちゃだめだよ」と言って慶ちゃんの頭を
なでてあげた。
すると、マジックの落書きは消えていった。
「私も!私も頭なでて!」忍ちゃんがそういいながら私に駆け寄ってくる。
「ずるいよー!」と言って剣ちゃんも走り寄ってくる。
「はいはい」と言って忍ちゃんと剣ちゃんの頭をなでた。
けっこうめんどくさい。
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