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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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ゲイラカイト

「とべー!とべー!天までとべー!」
と池内慶が歌いながら手にゲイラカイトを持ちながら走りまわっている。
私と目があうと、「ゲイラカイト飛ばしに行こうよ!」という。
ゲイラカイトという三角形のタコがある。
アメリカ製で普通の凧よりも安易に上昇するのが特徴だ。
本当に昔発売されていたもので、現在でも残っているのかさだかではない。
当然私は持っていないが、私の心の中の思い出を池内慶がほじくりかえして、
ゲイラカイトを発見して、あそびたくってウズウズしているのだ。
でもなあ、「無理だよ、たぶんこの時期は親子連れが公園に行って沢山凧揚げしているから、
子どもたちの黄色い元気な思念にかき消されて、お前らの持っている凧の思念なんて、
一瞬でかき消されてしまうから。」
私がそう言うと池内慶は「それでもいいもん!みんなが揚げてる凧を見るもん!」
と言ってきかない。
しかたがないので、近所の広い公園に行ってみる。自転車に乗って、広場のある方向に向かう。
誰にも人に会わない。
おあしい。
大きな池のほとりを通りかかると、一人、おじいさんがポップコーンを一粒ずつ池のアヒルにあげていた。
きっと子供たちとお父さんは凧揚げのできる広場に密集して行ってしまっているから、
この池の周囲はご老人しかいないんだろうな。
そう思いながら池のほとりを通り過ぎた。
そして、凧揚げのできる広場に到着。
「あ」
私は、その場にしばらくたたづんでいた。
池内慶がうれしそうに私をゆすった「やっほーっ!誰もいない!凧揚げできるよう!」
そう、誰もいない。
「・・・・・・あ、そうか、少子化なんだ、それに今の子供は凧揚げやベイゴマやメンコなんて
やらないんだった。家に籠ってゲームするんだった。」
私が子供の頃はこの広場は凧揚げする親子連れで埋め尽くされていたのに。
私のお父さんに聞いても、お父さんもこの広場で凧揚げしたという。
蝉取りもしたという。
何代も何代も繰り返されてきた風景、何代も何代も遊び続けられてきたオモチャ。
でも、ここにはもう誰もいない。
「凧揚げやるろうよう!」池内慶が嬉しそうに言った。
その後ろに池内忍と池内剣がゲイラカイトを持って待っていた。
池内慶のゲイラカイトは白で巨大な目玉がついているやつ。
池内忍がもっているのは黒で小さな目玉がついているやつ。
池内剣が持っているのは、白と赤のツートンカラーで少し高級なやつ。
「・・・・・やろうか。」そう言うと、
池内慶は「やっほーい!」と言って、私の思い出の中の幻のゲイラカイトをあげはじめた。
池内忍も池内剣もあげはじめた。
順調に凧は揚がっていく。
はた目からみたら、シバフの上でぼけーっと突っ立ってる男が一人。
人がみたらきっと不気味なことだろう。だけど、だれもいないからいいや。
池内系たちもよろこんでいることだし。
ちょっと胸がキュンと縮んだ感じがした。
「オラオラ!覚悟しなさい!」そう言いながら池内忍は、勢いよくゲイラカイトを急上昇させて、
池内慶のタコ糸をプチッと切った、池内慶のゲイラカイトは糸が切れて遠くどこかに飛んで行く。
「なにすんのよ!」怒って忍を突き飛ばす。
ああ、調子にのってやったことある。私も馬鹿な子供だった。父にこっぴどく叱られた。
池内慶と池内忍が掴み合いしているあいだに池内忍のゲイラカイトもどこか遠くに
飛ばされていった。
池内忍「ああ・・・・私のゲイラカイトが」
お前のじゃないけどね。
ゲイラカイトが無くなってしまって池内慶と池内忍はシラケてしまった。
池内剣だけは調子に乗って「やっほい!」と言いながら、激しくゲイラカイトを急上昇と急降下を
繰り返しながらアクロバット飛行させている。
「ねえねえ、剣ちゃん、もう帰ろうよ、つまんないよ。」池内慶がそう言うと剣は
「やだね、俺ものすごく楽しいもん。お前だけ帰れよ。」と言った。
池内慶はプーッと頬を膨らませた。
池内忍は完全にやる気をなくしてシバフにねっころがって、揚がっているゲイラカイトに背を向け、
大あくびをしている。
「おもしれー!」と高揚しながらゲイラカイトのアクロバット飛行を繰り返していた池内剣だが、
急降下から急上昇に転じたとたん、ボキッ!という音がして、ゲイラカイトの中芯が折れて、
カイトはみじめに地面にベチャッと落ちた。
「ああー・・・・・・、俺のカイトが・・・・・。」池内剣は半泣きになりながら折れたゲーラカイトに
近づいてそれを拾い上げた。折れたカイトはしだいに薄くなって消えてしまった。
小学生の時、父親にゲイラカイトを買ってもらった。
地下のダイエーの食料品売り場にパチモンのゲーラカイトが300円で売っていたのに、
父がそれを買ってやると言ったのに、私は納得せずにおもちゃ屋さんで正規品の千円のゲイラカイトを
買ってもらうことにした。
「大事にするんだぞ。」と父は言った。そして私は「うん!絶対に大事にする!」と言って
大切にあそんでいたが、そのうち、他人のタコ糸を切ってしまい、親に大変怒られるは、手を
離してしまい、遠くまで飛ばされてしまい、たまたま他の人の凧にひっかかったので、その人に
私の父がお願いして、凧をおろしてもらって、ゲイラカイトを取りも出したり。
色々なトラブルがあったが、トラブルがあるたびに、私はゲイラカイトが好きになっていった。
しかし、結末はあっけなかった。
私は自分のゲーラカイトを過信するあまり、アクロバット飛行をくりかえし、あげくのはては、
中芯が折れて地面に落ちた。
あとでガムテープで補修したりしたが、二度とゲイラカイトは飛ぶことはなかった。
大事にすると親に誓って、機能的にはたいして変わらないのに、高級品を買ってもらった手前、
親には非常に悪いことをしたなという罪悪感が心に残った。
私は、涙目になった池内剣の所に行き、肩をポンと叩いて言った。
「気にするな、形あるものはいつかは壊れるんだよ。」
池内剣はふりむいて、かなしそうな、すまなさそうな顔をしながら「・・・・・うん」とつぶやいた。
私がかけた言葉、それは、私の父が私に言ってくれた言葉だった。
だれもいない帰り道、池内系たちはしょぼんとしてトボトボ帰った。
「しょぼくれるなよ、十分楽しかったよ、すごくいい思い出になったよ。」私はそう言った。
それで池内系たちもいくぶん元気になった。
帰り道、一人でベンチに座って、誰とも話さずじっと池を見つめている老人が何人もいた。
老人しかいない。
子どもたちはどこに行ってしまったのだろう。
そうか、家でゲームしてるんだな。
「また凧揚げにこようね。」私がほほ笑みながら池内慶に言うと、
池内慶は「うー・・・・」といいながらぐずって、私の服で涙をぬぐった。
池内慶がすこし可愛く思えた。
それを見ていた池内忍が涙目で私の側によってきて、私の服の袖を手にとって、
チーン!と鼻水をかんだ。
おっと、そこまでだボケナスども。これ以上調子に乗るな。
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コメント

今日明石市に行く用事があって

明石市のある住宅地の中の公園の脇を通ったんですけど、公園に遊びにくる子供があちこちから自転車で飛び出してきて、びっくりしました。

場所によるのかもしれないですね。
【2009/12/19 00:34】 NAME[ひぃ] WEBLINK[] EDIT[〼]

無題

うちの近所の公園も子供遊んでますよ~
時々インド人が占領してますがw
【2009/12/19 10:44】 NAME[南の木] WEBLINK[] EDIT[〼]

ひぃさんへ

おー!明石に行ったんですね。
明石の城の前の芝生の所は人も多いですからね。
昔よく子供たちが凧揚げしていたのは、
ごうの池の奥にあるちょっと奥まった
広場なんですが、そこはすこし奥の方に
あるので、最近はあまり人が来ないのかも
しれませんね。
【2009/12/19 12:51】 NAME[楠乃小玉] WEBLINK[] EDIT[〼]

南の木さんへ

兵庫県では加古川がインド人が多いですよ。
インド人は数学的才能がある人が
多くて、TI関係の事業がある企業では、
よくインド人が集団で就職してたりしますよ。
【2009/12/19 12:53】 NAME[楠乃小玉] WEBLINK[] EDIT[〼]

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