空想ファンタジーブログです。
私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。
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最近忙しくて3日ほど神社に行っていませんでした。
晩御飯がなかったので、しかたなく夜なのに、近くの夜遅くまでやっているスーパーまで
行きました。
慶ちゃんたちはスーパーが大好きなので、スーパーに行くと出てきます。
みんな遊んでいるんですが、こころなしか剣ちゃんと忍ちゃんの影が薄いように見えました。
それを見た慶ちゃんが私のところにとんできました。
「大変だよ!剣ちゃんと忍ちゃんが消えちゃうよ!最近神社に行ってないから霊力がよわまってるんだよ!
お別れしたくないよ!神社に行ってよ!」そう言いながら泣きそうな顔をしています。
「でも、一生懸命働かないとお金がたまらないし、イチゴも買ってあげられないよ。」と
私が言うと、「イチゴなんかいらないから、みんなと一緒に居たいよ!」と慶ちゃんが
泣きそうになりながら言いました。
「いいんだよ、私たちはいつかは消える運命なんだから。」剣ちゃんが笑いながら言いました。
「ばかね、この男が私たちなしに生きられるわけないじゃない。すぐに神社に行くわよ」
忍ちゃんがいいました。
慶ちゃんは心配そうに私の顔覗き込みました。
ちょっとうるっときた。
あんなにイチゴが好きなのに。
明日は必ず神社に行こうと思いました。
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真夜中に事務処理作業をしていると、ドンドンと壁をたたくおとがします。
「どん!」となってからしばらくして、また「どん!」いったい何だろうか、
もしかしてポルターガイストだろうかと不審に思っていました。
すると慶ちゃんたちが出てきて言いました。
「今日は大雪だから屋根から雪が落ちる音だよ!幽霊じゃないよ!怖くないよ!」
といいました。
私の住む地方は気候温暖でめったに雪は降りません。しかし、この日にかぎって、
年に一度あるかないかの大寒波が到来したのです。
窓の外を見てみると薄暗い外の風景に部屋の明かりが照り返し、一面の雪景色でした。
「こわくないよ!」こわくないよ!」と慶ちゃんは私を励まそうとしますが、いつもはすでに
慶ちゃんたちは寝ている時間です。
うつらうつらしながら必死に起きています。
私をはげまそうとしたのでしょう。
「歌を歌って眠気をさまそうよ!」剣ちゃんが言いました。
「まったく、めんどうね」忍ちゃんが言いました。
「お化けなんて居ないさ!お化けなんて嘘さ!寝ぼけた人が見間違えただけさっ!」
慶ちゃんが大声で歌いだすと、剣ちゃんと忍ちゃんも一緒に歌いだしました。
忍ちゃんはちょっと嫌々な感じです。
なんか、いとおしいような感じがしたので、私は冷蔵庫まで行ってイチゴを三個もってきました。
「きょーっ!」とイチゴをみるなり慶ちゃんは喜びの声をあげました。
慶ちゃんから順番に私の体に憑依させ、一人ぶんずつイチゴを食べさせました。
慶ちゃん、忍ちゃん、剣ちゃん。そして剣ちゃんが出て行ったあと、また慶ちゃんが体に入ってきました。
「もう寝なきゃだめだよ。」私が言うと、慶ちゃんは「すぱげっち!すぱげっち!」と叫びはじめました。
そういえば、今日、スーパーでお惣菜の198円のナポリタンスパゲティーを買ってきたのでした。
慶ちゃんはこれが大好きです。
今日だけは特別です。
慶ちゃんを憑依させたまま、お惣菜のナポリタンスパゲティーをレンジでチンして食べました。
スパゲティーを食べているうちに、服にスパゲティーソースがついてしまいました。
「チッ」私が舌打ちをすると慶ちゃんが「服にスパゲティーソースが付くのとケンカは江戸の華だよっ!」
と言いました。
ちょっと違うような気がします。
「はははっ」と剣ちゃんが笑います。
「くっだらな~いい。」と忍ちゃんがうすら笑いを浮かべていました。
「さあ、もう寝ようね」私が言うと、慶ちゃんはニコニコ笑いながら消えていきました。
剣ちゃんはお辞儀をして、忍ちゃんは「ふん」と言ってそっぽを向きながら消えていきました。

慶ちゃんたちはイチゴが大好きです。
最近は私があまり相手にしないので、ふてくされて家には出てこなくなりましたが、
スーパーに行くと、我慢できずに出てきます。
とくにイチゴが大好きです。
慶ちゃんはさちのかやさがほのかが好きです。
九州のイチゴが大好きですね。
忍ちゃんは奈良県のあきひめが大好きです。
姫という名前が特に好きみたいですね。
剣ちゃんは栃木県の紅ほっぺなど関東のイチゴが好きです。
でも、最近は奈良県のあきひめが慶ちゃんたちの間でも大流行しています。
この季節、イチゴの値段も安くなってワンパック300円前後で買えます。
3パック買って帰ると大喜びしてました。
「こんなに買って帰ったら、おなかが張り切れるまで食べられるわね!と忍ちゃんが言います。
「むひょー!もう我慢できないよー!」と言って慶ちゃんが買い物籠の中のイチゴをたべたふりをします。
彼女たちは精霊なので直接イチゴを食べるわけではありません。
イチゴ気を吸い取るのです。これは神社の眷属のお使いがお供え物の気を吸収して、
気を吸収された食べ物は風味が落ちて、お供え物のお下がりを食べたときに
風味がよくない、味けない感じがするのはこのためです。
神だなにお供えした洗い米などもご飯にまぜて炊いてたべたとき、風味が抜けた感じの味になります。
本来は、人間に憑依して、その味を味わうのですが(うちでは私に憑依する)今回は
我慢できずに買い物籠に入っている段階で慶ちゃんがイチゴの気を吸収しはじめました。
「ずるいわよ!」といいながら忍ちゃんもイチゴの気を吸収しはじめます。
「私も!」と言って剣ちゃんも吸収しはじめます。
いつもは、私が食べるぶん、1回にワンパック分くらいしか食べないし、ワンパックも家族で
食べるので、実質ワンパックの3分の一くらいしか食べないのに、
一人でワンパックぐらいのイチゴの気を吸収してしまったので、慶ちゃんたちは気分が悪くなってしまったようです。
「うげー!」と言って、慶ちゃんがその場でイチゴの気を吐き出してしまいました。
「もったいないわね!」と忍ちゃんが怒りますが、ゲロの匂いにあてられて、
自分もゲロゲローとゲロをはいてしまいました。
剣ちゃんも「しかたないなあ」と言いながらあとかたずけをしようとしましたが、
匂いにやられてその場にゲローと吐いてしまいました。
もちろん、慶ちゃんたちは私にしか見えていないし、私にしか匂いは感じません。
でも、私自身は周囲に、よくゲロを吐く赤ちゃんのおいでになる家のような
酸っぱい匂いが充満していました。
久しぶりに出てきたと思ったらこれかよ。

慶ちゃんの最近のお気に入りはブリキ製のバスのおもちゃです。
どこから持ってきたかわかりませんが、バスのブリキのおもちゃをもって
「ぶっぶー。はい、到着です。」とか言いながら、ひがな一日遊んでいます。
忍ちゃんは放置されてさびしいのか、ふてくされて寝ています。
剣ちゃんはキノコの絵本を読んでいます。
男の子がクマのぬいぐるみと一緒にキノコの国に旅に出て、悪者キノコと戦う話です。
ヒマワリの花のついたロープを円にして電車にみたてて夢の国に子供たちが冒険に行くお話です。
最近までは、「いないいないばー」の絵本がお気に入りだったのですが、ちょっと大きい子向けの
子供の本も読むようになったようです。
「いないいないばーの本」とは、くまさんやきつねさんやねずみさんが、ひたすら、
「いないいないばー」をする絵本です。
剣ちゃんはそれが大好きなのですが、みんなと一緒にいるときは恥ずかしいのでそれを隠しています。
最近、慶ちゃんがバスのおもちゃに夢中で、忍ちゃんはふてくされて寝ているので、
剣ちゃんは一人で絵本を読んでいます。

久しぶりに近所のスーパーにお買いものに行きました。
人間というものは、同じ行動ばかり繰り返していると飽きてくるものですが、
霊は同じことを繰り返すのが大好きで、人間が刺激を与えてあげないと、
ずっと同じことをしています。
一時期、池内系たちをほっておいて、かなり怒りを買ったらしく、
しばらく私の前に姿を現さなかったんですが、
電撃小説大賞に応募した小説の中に、脇役として出してあげたら、
喜んで、小説の中に出てくる地獄の亡者どもを殺しまくっていました。
それでだいぶん溜飲を下したようで、池内系の連中も、それ以後、
ちょくちょく私の前に姿を現すようになりました。
とはいえ、精霊とは楽しいことが好きで、温厚な性格の存在なので、
本当に誰か殺すわけではありません。
小説という空想の中で戦いごっこをするのが好きなのです。
それで、私の手助けもできるということで、とても喜んでやっていました。
小説とか、空想の世界にはいりこんで暴れたり、遊んだりするのは
大好きみたいですね。
実際の現世の人間の関係の中に入り込んでいったりするのは、
嫌いみたいです。
自分が人を束縛するのも嫌いだし、自分も束縛されるのが嫌いのようです。
自由に遊んでいることが一番好きだと言っていました。
スーパーに行くと、なすの煮つけが置いてあって、それを見つけた
池内慶は「あ!てんとう虫さんだよ!買って!買って!」と言いました。
そのあと、自分がおねだりしたことに気づいて、ちょっと顔をあからめ、
「あ、いや、てんとう虫さん奇麗だね、かわなくてもいいよ。」
と言い直しました。そのしぐさがかわいかったのでなすの煮つけを買ってやりました。
すると、それを横で見ていた池内忍が「あら、池内慶だけに買ってあげるの、ひいきするの、
あっそう、そうなのね、あんたはそういう性格なのね。あっそー。」
とブチブチ不満を言ってきます。面倒なので「じゃあ、何か買ってやるよ。」
というと「半額シールが貼ってある商品を買いなさーい!」と言ってきた。
それで、店の中を見渡して、半額シールの貼ってある商品を見つけたらしく、
私を誘導していった。
そこには、生こんにゃくがあり、半額シールが貼ってある。
「おでん作るわけでもないのに、これ、どうやって食えって言うんだよ。」
と言うと池内忍は「食べなくても他にも使い道あるでしょー、とっとと買いなさーい。」
とか言ってくる。
いや、ないない。
その近くにふじっ子のお豆さんが20円引きの安売りをしていたので、それを買い物かごに入れて、
「これで我慢しろ。」と言ってやった。
「まったく、役立たずの人間ね!」
そう言って池内忍は眉をひそめた。
その冷蔵食品の棚の向こうのほうに蒲鉾を売っているコーナーがある。
それを、池内剣が茫然と少し顔を上気させながらながめている。
池内剣の視線の先には「りらっクマ」の蒲鉾が置いてあった。
蒲鉾を薄く切ると、その断面がりらっクマの顔になってるやつだ。
「買ってやろうか?」と言うと、池内剣ははっと我に返り「いらんわい!」と叫んだ。
「あ、そう」私がそう言いながらその場を離れると、池内剣は少し残念そうに視線をしたに向けた。
青果売り場の横を抜けてレジに進むと、池内忍が声をあげた。
「あきひめよ!奈良のあきひめが売っているわ!これは事件よ!」
そう言いながら私の後頭部の毛を思いっきり引っ張った。
「いてて」ちょっと口から言葉がついて出た。
周囲の人たちが私に視線を向ける。
当然、池内系の姿は私にしか見えていない。
「あー、足がちょっと吊っちゃったなあ。」とわざとらしく説明口調で言いながら、
私は少し肩をすくめてイチゴ売り場に移動した。
奈良産のあきひめが売っていた。
池内忍の大好物である。
イチゴの棚はもうほとんどカラだった。
よく売れている。値段も298円と手ごろだったので、3パック買って帰ることにした。
「やったわ!最後に正義は勝つのよ!これこそセレブの勝利にふさわしいわ。」
そう言いながら池内忍は勝ち誇ったかのように胸を張った。
暇をもてあましたのと、久しぶりのスーパーなので、池内慶は私から離れ、
両手をいっぱい左右に伸ばし「キーン!」と叫びながらスーパーを走り回っていた。
タダ一人、剣だけはすこしうつむき加減で元気がなかった。
自分だけ何も買ってもらえなかったことがさびしかったんだろう。
私は蒲鉾売り場に行って買い物かごにりらっクマの蒲鉾を入れた。
「あっ!」池内剣がみじかく声をあげた。
「明日の朝ご飯で一緒に食べような。」私がそう言うと、
池内剣は「いや、そのオレは別にあの・・・・」と言葉を詰まらせたあと、
少し顔をあからめ、うつむきながら「・・・・ありがとう。」と言った。
「こいつう、かわいいなあ!」そう言って私がおもわず剣の頭をなでる。
それを見ていた池内忍が奇声をあげた。
「あーっ!一人だけ頭をなでられてる!インチキよ!サギよ!これはクマクマサギだわ!」
そう言うと、池内忍はお菓子売り場のキャラメルコーンの処に行くと、
キャラメルコーンの真ん中の丸いところを電話のダイヤルに見立てて、回すしぐさをし始めた。
最近の電話は全部プッシュフォンだからダイアル式の電話なんてないだろ。
本当にこいつらは昭和をひきずってるなと思った。
「あ、もしもし、警察ですか!今、クマクマサギを発見してました!すぐに逮捕してください!」
池内忍はキャラメルコーンの袋に向かってそういうと、「ガチャ!」と口で言いながら、
電話を切るしぐさをした。
まあ、それでお前が気がすむならそれでいいけどな。
私はと言うと、自分用にまるちゃんのインスタントカレーうどん、甘辛味と
いかなごを乾燥して作ってある「かなぎちりめん」を買っていった。
レジで会計を済ませていると、
店中、飛行機のマネをして走りまわていた池内慶が帰ってきた。
今日は、めずらしく三人とも笑ってご機嫌で店を出た。
久しぶりのスーパーでの買い物だった。
