父親と一緒にスーパーに買い物に行きました。
「むきょー!」
いきなり慶ちゃんが叫びます
「見て!見て!あまおうが298円だよーっ!」
先頃までおよそ400円くらいしてたものが100円も値下がりしている。
ついにイチゴの季節本格化か!
私はそのまま父に伝える。
「イチゴ298円だよ」
「買えばいいじゃん」
私はそれをカゴに入れる。
「慶タンたっち!」
慶ちゃんがイチゴにタッチした。
「慶ちゃんずるいわよ、私達だってイチゴほしかったのに」
「そうだよー慶ちゃんずるいよー」
不満げに忍ちゃんと剣ちゃんが言います。
それは、この前、慶ちゃんが八百屋さんでミカンを2カゴ分ひとまとめにしてもらったからだと思います。
でも、前も慶ちゃんイチゴはもらえなかったんだよね。
だから、私はいいと思うけど。
「いいよ、わかったよ!じゃあ、次にイチゴをもらったときは忍ちゃん、剣ちゃんにゆずるね」
慶ちゃんが言いました。
その時、父が立ち止まります。
「こ、これはっ!」
父の目の前には古くなった処分品のイチゴが200円で売っていたのです。
「うわっ、やすいねー」私も驚きました。
「これだったら二つ買えるじゃん」
そう言って父は200円の処分品のイチゴ2パックを買い物かごに入れました。
その後言いました。
「高い方のイチゴ、返してきなさい」
「ぎゃー!」
慶ちゃんが悲鳴をあげる。
安いイチゴは忍ちゃんと剣ちゃんのものになりました。
「いいもん!慶タンはみんなに喜んでもらったらうれしいもん!」
そう言って慶ちゃんは腕を組みました。
その後、チーズ売り場に行って、慶ちゃんに好きなチーズを選ばせました。
「慶タンはね、裂けるチーズがいいの」
そういって慶ちゃんは裂けるチーズを指さします。
「裂けるチーズね」そう言って私がチーズに手を伸ばす。
「あっ!」慶ちゃんが叫びました。
「どうしたの」
「チーズ、178円だったのに208円に値上がりしてるよっ!」
慶ちゃんがショックを受けているようでした。
「でも買ってあげるよ。」そう言って私は避けるチーズをカゴに入れました。
そのあと、パン売り場に行くと、高級イチゴジャムパンが78円で売っていました。
いつもは100円のパンで、安い時でも2割引セールで80円までしか値下げしない高級ジャムパンです。
父は安いのでそれを3つ買いました。
慶ちゃんたちは喜んでいました。
そのあとは、お菓子をましゅまろと八つ橋とぼんちあげを買って、
マシュマロを忍ちゃん、八つ橋を剣ちゃん、ぼんちあげを慶ちゃんがもらいました。
「見て!見て!今日のぼんちあげはヒガシマル醤油を使ってるんだよ!」
そう言って慶ちゃんが興奮していた。たしかにヒガシマル醤油使用って書いてます。
まあ、私にとってはどうでもいい情報なんだけど、慶ちゃんは興奮して喜んでました。
そのあと、甘栗と抹茶わらび餅と三色団子を買いましたあ。
甘栗は慶ちゃん抹茶わらび餅は剣ちゃん忍ちゃんは三色団子をもらいました。
抹茶わらび餅は半額シールが張ってあったので、
鶏ちゃんは黄色いヘルメットをかぶり、腕にハンガーを通して、「ハンガークー!ハンガークー!」と
叫びながらハンガーをくるくる回しました。
そのあと、キングドーナッツ売り場の横を通ったので、慶ちゃんは棚の上によじのぼり、
「キングドーナッツ!」と叫びました。
そのあと、家に持って帰るおかずを買ったのですが、ほうれん草の白和えとアスパラガスのおしたし、
千切り大根を買いました。そこで私は何を勘違いしたのか、
計算を間違えて、卯の花を一つ買ってしまいました。
精霊たちに与えるお供物が一つ足りないと計算間違いしていたのです。
それを見て慶ちゃんが怒りました。
「ちゃんとみんなに配るお供物、数がそろってたのに、なんで追加したの?」
「ごめんねー」
私は謝ります。
「あら、そんなこと言ったら、この人かわいそうじゃない、物をもらって文句言うのは
道理に反するわよ」
忍ちゃんが言います。
「あ、そうだね、ごめんねー」
慶ちゃんが謝ってきました」
「いえいえ」
なんか最近忍ちゃんの物わかりがよすぎて怖い。
「誰が物分かりがよすぎですって!」
やばい心を読まれた。
「ごめんね~」私は謝りました。
「あなたの謝罪には心がないわ」
胸を張って偉そうに忍ちゃんが言いました。
それでこそ、いつもの忍ちゃん。
「エンプティーデンプティー」
剣ちゃんが叫びます。
たぶん、全然意味分からず言ってるんだろうな。
「ハンプティ・ダンプティの事がいいたいんでしょうから相手にしなくていいわよ」
忍ちゃんが言った。
忍ちゃんは物知りだなあ。
そのあとレジに向かうと、裂けるチーズの値段が178円だった。
「やったー!」得したー!」
慶ちゃんが喜んでいました。
そのあと、地上の薬局に父が行って、ボンタンアメを二つ買ってきました。
「このおアメを忍ちゃんと剣ちゃんがもらって。慶タンは卯の花もらうから」
慶ちゃんが笑顔で言った。
「あら、悪いわね、でも、あまり気をつかいすぎないでね、慶ちゃんばっかり損してもなんだから。」
「損じゃ無いよ、慶タン卯の花も好きだから!」
笑顔で慶ちゃんが言った。
「ありがとー!」
剣ちゃんが笑顔でお礼を言った。
このボンタンアメ、慶ちゃんは陰で密かに「鹿児島名物慶タンアメ」と呼んでいる。
まあ、ただそれだけの事だけど。
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