電車にから降りて明石駅から家に帰るとき、ちょうど駅前の時計台の時報から
鐘で演奏されるイエスタデイが流れてきた。
慶ちゃんがそれにあわせて鼻歌を歌っていた。駅の横を通り
山陽電車の階段の所までくると、そこにある花屋さんがかるに紅白の花をさかせた
アザレアの鉢植えがあった。
慶ちゃんがそれを見つけると、走っていって、手を前に突き出し、上下に振りながら
「しゃ!しゃ!しゃ!しゃ!」って叫んでいた。
「何してんの」って聞くと「話してんの」って言ってた。
なんか、よく風の日に森に行くと枝が揺れで音がなっているみたいな、
ちょっと血管に血液が流れるときの鼓動のような特殊な音だった。
「慶ちゃん以外の木もそんなしゃべり方するの?」
「霊感のある人だったら、一人で森に行って、大きな木の幹に耳を当てたら、お話の声が聞こえるよ!
白樺の木とかがいいよ!」
とか言ってた。
本当かなあ。ちょっと怖いので試す気はないけど。
一人で森の中に入っていったら、なんか引っ張られそうで怖いから行かない。
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