本来、精霊、妖精のたぐいはさほど攻撃的ではなく、凶暴なものに対しても
無力である。
西洋のフェアリーはたった十数匹のバンパイアによって妖精の泉に存在する四万匹の
フェアリーを一日で全滅させてしまうという。
しかし、日本ではバンパイア、吸血鬼の話をついぞ聞かない。
これは、日本の精霊、地霊が吸血鬼を駆るからだそうだ。
その狩り方は独特で、神社などに西洋の吸血鬼などが近づくと、精霊が何万柱も出てきて
使い捨てカイロを持って「シャー!シャー!シャー!」と叫びながら使い捨てカイロを
勢いよく振る。そして、一斉に吸血鬼に群がって体中に携帯カイロを貼り付けていく。
そして大量の精霊がむらがってできた球を霊球と言うらしい。
そのあと、精霊がちが「ふとんがふっとんだー!」と叫びながら吸血鬼を布団でくるみ、
布団蒸しにする。すると音頭が八〇度くらいまで上がるらしい。
こうして吸血鬼を蒸し焼きにするらしい。
吸血鬼は不死身なので高温で焼いて灰にしてしまうとまた復活する。
刃物で切り裂いても復活する。そうなので、高温で蒸し焼きにして体内の血を蒸し焼きにして固形化させ、
うごかないようにする。
吸血鬼がうごかなくなると大量の石や鉄クズなどと一緒にふとんでくるんで川に投げ捨てる。
吸血鬼布団団子はしばらく水に浮いているが、そのうち水を吸収して重くなり、
石や鉄くずの重みで海の底に沈んで仮死状態のまま放置されるらしい。
日本の精霊はこうやって吸血鬼を蒸し殺しにして海に沈めるので、西洋の吸血鬼は
神社には近づかないらしい。
昔は使い捨てカイロがなかったので、てぬぐいを鬼の体に巻き付けて、乾布摩擦して温度をあげて
蒸し殺しにしたらしいが、とても労力がかかるので、大変だったそうだ。
今では、携帯カイロがあるので楽だと言っていた。
そんな話を精霊たちが雑談していた。
PR
使い捨てカイロとか乾布摩擦とか斬新すぎてちょっと笑ってしまいました。