スーパーい行ってきました。
慶ちゃんはまたぞろ龍を出してきてふわふわと乗っていました。
お店の看板にガンと顔があたっていました。
かわいそう。
「イタイけど泣かない!」と言って胸を張っていました。
偉い子。
そのあと、イチゴ売り場の前を通りかかりましたが、スルーしました。
「イチゴかわないのー、いちごー」としつこく慶ちゃんが言ってきます。
私は財布の中からレシートを出して、その裏に犬の絵を描いて
「イチゴはもう秋田犬!」と言いました。
すると慶ちゃんは剣ちゃんと忍ちゃんを見て、レシートの絵に指をさします。
「ねえねえ、あれが秋田犬に見える?」
すると、忍ちゃんも剣ちゃんも首を横に振る。
そして慶ちゃんが「まだまだイチゴは食べたかった土佐犬!」と言いながら「認定」と書いた旗をあげます。
それに引き続き、忍ちゃんと剣ちゃんもおなじように「認定」の旗をあげました。
「1対3で本件は否決されました!」
慶ちゃんが叫ぶ。
なんだそりゃ。
私はちょっと困っていた。お金の手持ちがあんまりないんだよね。
そのとき、売れ残りの廉価セールの台の上にイチゴが置いてあるのが見える。
通常398円のイチゴがなんと298円だ!見ました?奥様?
思わず私はそれをカゴの中に入れてしまった。
「やったー!慶たんがもらったよ!」
そう言って慶ちゃんがイチゴにタッチした。
それはさちのかイチゴだった。慶ちゃんの大好きなやつだね。
「忍ちゃんと慶ちゃんばっかずるい!最近紅ほっぺが全然ないよ!」
剣ちゃんが怒る。
そのあと、UCCの缶コーヒーが57円という破格の安値で売っていたので二本買う。
「こんなんじゃー、全然イチゴと釣り合わないよ、プンスカ!」
そう言いながら剣ちゃんがとびはねて怒る。
その怒り方がちょっとかわいい。
「それじゃあ、次にもらえるものの優先権を忍ちゃんと剣ちゃんにゆずるよ!」
慶ちゃんが言いました。
次に到着したのはチーズ売り場です。
そこで私はカマンベールチーズを買いました。
「これは私のものね、だってカマンベールですもの」
そう言って忍ちゃんがカマンベールをもらった。どういう論理だかは不明。
そのあと、パン売り場に行くと、高級イチゴジャムパンとふわふわジャムパンが
おつとめ品セールの箱の中に入っていて、二割引だった。おもわず、その二つをカゴに入れる。
「わーい」といいながら、慶ちゃんと剣ちゃんがその高級ジャムパンをもらう。
「あら、まちなさい、高級ジャムパンといえば私がもらうべきものじゃないの?」
忍ちゃんが不満げに言う。
「だったら、そのカマンベールと交換してあげてもいいよ」
慶ちゃんが言った。
「だまらっしゃい!このカマンベールは絶対にゆずらないわ!オーストリアの誇りにかけて!」
ばーん!と言い放つ忍ちゃん。ちなみに、忍ちゃんとオーストリアは全然何の関係もありません。
ときどきマリーアントワネットゴッコしてるけど。
「しょうがないなあ、今日はイチゴもらったから、高級ジャムパンとUCCコーヒー缶とかえてあげるよ」
そう言って慶ちゃんはジャムパンと缶コーヒーをかえてあげた。
「ちょっとまってよ!何で忍ちゃんだけ得してんの?剣ちゃんもUCCの缶コーヒーを交換してよ!」
剣ちゃんが怒る。(UCC缶コーヒーおいしいのに)
「しょうがないなあ、はいこれ」
そう言って慶ちゃんはUCC缶コーヒーを剣ちゃんに渡す。
「はいはい、これがほしかったんだよねーUCCの缶コーヒー、かわりにふわふわジャムパンをあげるねって
ちがうだろうがー!」
剣ちゃんはのり突っ込みという高度なお笑い技をくりだしてくる。
「あははは、剣ちゃんおもしろーい」
慶ちゃんはのん気に笑っている。
結局、剣ちゃんのコーヒーは交換しませんでした。
そのあと、お菓子売り場に行って、八つ橋を買いました。
これは178円して、ちょっと高いです。
これを剣ちゃんにあげました。
「わーい!わーい!これで私も京美人だー!」そう言って剣ちゃんが喜んでました。
忍ちゃんにはましゅまろ、慶ちゃんにはぼんちあげを買ってあげました。
すると、慶ちゃんが目を丸くして驚きの声をあげました。
「大変だよ!これ見て!」
慶ちゃんはぼんちあげの袋を指さす。
慶ちゃんが指をさしたところには「ヒガシマル醤油使用!」と自慢げに書いてある。
なんか、どうでもいい情報。
「どうでもよくないよ!ヒガシマルだよ!ヒガシマル!東に丸だよ!」
慶ちゃんだけが一柱で盛り上がっていた。
そのあと、晩飯用にのり弁当を買って明太子のおにぎりとおからを買いました。
のり弁当は慶ちゃんがもらって、明太子のおにぎりが剣ちゃん、おからが忍ちゃんの
ものになりました。
「慶ちゃんだけ高いもの買ってもらってずるいわ!」
忍ちゃんが不満顔で言う。
「ヒイキまーん!ひいきまーん!すきすきー!」と昔の秘密のアッコちゃんのエンディングの節で
剣ちゃんが歌う。
いや、べつにそんなつもりじゃなかったんだけど。
とりあえず、みんなに均等にお買い物を割り振ってレジに向かう。
忍ちゃんと剣ちゃんはちょっとふくれていて、慶ちゃんはすこし気まずそう。
慶ちゃんが悪いんじゃないのにねえ。
私は地下の食料品売り場から上にあがり、近所の薬局に入って、そこでぼんたんアメを二つかって、買い物袋に
入れた。
「忍ちゃんと剣ちゃんにこのボンタンアメをあげるよ!」
慶ちゃんが言った。
「そしたら、慶ちゃんが一つたりなくなるけどいいの?」
聞くと慶ちゃんは満面の笑みで私を見た。
「慶ちゃん、物もらうより、みんなの笑顔を見たいよ!」
「えらいねー慶ちゃん」そう言って私は慶ちゃんの頭をなぜた」
「何よ、私たちががめついみたいじゃない!」
怒って忍ちゃんが私の足に蹴りを入れる。
「ヒイキマーン、ヒイキマーンすきすきー!」といいながら剣ちゃんが怒る。
「じゃあ、これ、慶ちゃんにあげる?」
そう言って渡しは二柱の前にぼんたんアメをちらつかせる。
「しかたないわね、今回は慶ちゃんの顔を立ててもらっといてあげるわ」
そう言って忍ちゃんはアメをもらった。
「わーい!アメもらったー!」
剣ちゃんはアメをもらうと機嫌が直った。
みんな素直でかわいい。
みんな大好きだ。
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