池内忍が電子手帳みたいな単行本くらいの大きさのディスプレイの前に
ノートパソコンくらのキーボードを広げて、何かカタカタ打っている。
「何なってんだ?」聞くと「ポメラよ」答えた。
こいつらはイマジネーションの存在である。つまり、私が見たものしか
イメージの世界で具現化できない。
どっかの通信販売かなんかで私自身が見かけたものだろう。
「お前らファミコンとかゲームウオッチしか興味ないんじゃなかったの?」
と聞くと、「何言ってるの、これからの時代はモバイルよ。」とか言ってくる。
あー、こういうことやって、賢くみられたいお年頃なんだと思った。
でも、たぶん私の300倍くらい、こいつら長く生きてるんだろうけど。
そこに池内慶が横から顔を出す。
「へー、この子ポメラニアンなの?どこのペットショップで買ったの?」
池内慶がそう言うと、目の前のモバイルキーボードは真白で毛がフサフサの
ポメラニアンの子犬にボン!と化けた。
所詮、私のイマジネーションの産物である。
「かわいー!」池内慶は子犬を拾い上げて頬ずりした。
「ちょっと!なにやってんのよ!あんたがそんなこと言うから、こいつの
イメージが犬になっちゃったじゃない!」
池内忍はそう言って私に指をさした。そして私の方を向き直ってどなった。
「これはモバイルよ!メモ機能よ!機械なの!」
そう言うと、毛がフサフサの犬はボンとモバイルメモ帳に化けた。
「あー!かわいいワンちゃんのほうがいいのに!」そう言って池内慶は
涙目になる。
「かわいいワンちゃんのほうがいいよね!そのほうがかわいいよね!」
そう言って池内慶が涙目で私にせまってきた。
てか、涙目の池内慶がかわいいから、ボン!
モバイルは毛がフサフサの子犬になって、しかも「キュン、キュン」
鳴き声をあげた。
「きゃー!超かわいー」池内慶は飛び上がって喜ぶ。
池内忍は私の胸倉をつかむ。
「この盗っ人!今すぐ私のポメラを返しなさい!あれは機械なの!犬じゃないの!」
そう言うと池内慶もせまってくる「ワンちゃんだよー、だってこんなにかわいいんだよー。」
むむむむむ・・・・・。
ボン!
熟慮の結果、それは、背中にキーボードがついた子犬になった。
「えー、かわいくないー。」そう言って池内慶が去っていった。
「ディスプレイがないと、打った字をよめないじゃない。」そう言って池内忍は去っていった。
「じゃあ、俺はどうすればよかったんだよ!」私は背中にキーボードがついた犬を
指さして叫んだ。
「俺に言われても困るんだけど。」背中にキーボードがついた犬は真顔で答えた。
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やっぱり忍ちゃん、我が家の次女に性格もそっくりすぎます^^
今日はとってもイメージしやすくキーボード背負った可愛いお顔の犬を想像しました。
いっそのこと、またトッポさんが4コマ漫画みたいなの描かれたら読んでみたいです^^
私は戦い物より、こういったほのぼのしたのが好きですね^^
皆様いろいろでしょうけどね^^