「こんにちわ、池内系一門が居座っているのは、こちらでよろしかったでしょうか。」
清楚な格好の人が来た。
髪の毛は黒髪で乙姫様みたいな結い方をしていて腰まで延びている。
肌の色は雪のように白く、
目の色は綺麗な濃い紫色。
淡い紫と白のツートンカラーの服を着ていて、胸の少し上のとこで、
白い紐を左右2ヵ所飾り結びしている。
明らかに和風の巫女様のような服装だが色は淡い紫と白、あとインナーに薄い
水色の中着をつけているのかな。
手には緑色の回覧板をもっていて、そこに数枚の紙がはさまっている。
回覧板の上には金具がついていて、そこにボールペンを挟んでいる。
清楚で美しくてし、ばらく呆然としてしまった。
「申し訳ありませんが、こちらでよろしかったでしょうか?」
もう一度聞くのでハッと我に帰り、「はい!」と答えた。
「お答ありがとうございます。」そういうとその美しい清楚な女性は回覧板の
紙をめくった。
すると、そこに池内系の三人の姿が現れた。
池内剣はこちらに背中を向けて肘をついて漫画のトイレット博士を読みながら、
ボリボリ背中をかいていた。
池内忍は胡坐をかいて小悪魔agehaを読んでいた。
池内慶はよだれをたらして寝ている。
「起きなさい、花藤子(はなふじこ)よ」とその綺麗な人は行った。
「ん?」と言って池内慶は目をさます。
池内剣と池内忍はびくっ体をゆすってお互い顔を見合わせた。
「はな・・・って言ったよな。」と池内剣
「訓読みってことは、神社の眷属・・・・」と池内忍
二人はあわてて本を投げ出し、その場に「ははーっ!」と言って土下座した。
池内慶は目をこすりながら起き上った。
「あ、藤子ちゃんお久しぶり、「ねえ、るぱ~ん♪」って言ってみて」
そう言う池内慶に藤子さんは「あ、そういうんじゃないから」と冷静に返す。
「あなた、この前、堕天した土系の悪霊退治したわよね、あれ、ちゃんと善徳控除申告
しときなさい、あと悪徳を積んだ悪徳申告もちゃんとしとくのよ。」
藤子さんがそう言うと、池内慶は「え~、そんな難しいのわかんな~い」と答える。
藤子さんは土下座している池内忍に目を向ける。
「いつもうちの神社にタダで水吸いに来るこの子にやらせればいいじゃない。」
そう言うと池内忍は平伏したまま「ははーっつ」と声をあげた。
「あと、ここの人間は神社に参拝に来る善徳を積みながら、まだネガティブなことを
考えすぎるから、ちゃんと天道についてあなたが教育しないとだめでしょ、慶」
と藤子さんは池内慶に言った。「うん、ちゃんと教育しとく。」と池内慶は答える。
いや、教育とかされたことないし、いつもゲームして漫画読んでるだけだし。
私がそう思うと藤子さんは素早く私の思考を手でつかんだ。すると思考は文字の塊になって
具現化した。
「これ本当?」藤子さんが問うと池内慶は首を激しく横に振った。
「ぶるん!ぶるん!ちゃんと教育しているよ!」そういってチラシの裏にボールペンで
落書きしたものを藤子さんに見せた。
「まあいいわ」そう言って藤子さんは私を見た。
「人間よ、死後のことは神のお使いや仏法の眷属がちゃんとしますから、
心配いりません。普通に生きていれば大丈夫です。
そのような事を心配するより、せっかくある命を大切にして、
今を精いっぱい生きなさい。それがあなた方人間に課せられた使命です。」
藤子さんがそう言うので私は「ハイ」と答えた。
なんか、この方がいるだけで、空気がすがすがしくなる。
「この部屋にはセキュリティーホールがあるわね、ちゃんと修理してふさいでおきなさい。」
そういって藤子さんは部屋の南西の方向に手をかざした。
「裏鬼門だ」池内忍が小声でつぶやいた。
南西の方向の空間に縦に割れ目ができる。
するとそこが、から真赤な空間が垣間見え、ドロドロに溶けた半分骸骨になった
亡者がはい出してきた。
藤子さんが静かにその亡者に目をやると、亡者は一瞬にして灰になった。
藤子さんはその空間に指をさして下から上にあげると、その隙間はスッとしまって無くなった。
「あとの管理はちゃんとしておくように。」
藤子さんがそう言うと池内慶は「はーい!」と答えた。
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面白いですね。
音読みは神様関係ではない、ただの霊ということになるのでしょうか?