慶ちゃんが白旗を振ってやってきました。
「どうしたの」と聞くと「無条件降伏だよ!」と言いました。
何が無条件降伏かというと、今までチーズを沢山買ってもらってたけど、
あまり買いすぎて私に食べさせると、私の体に悪いから、しばらくチーズを
買わなくてもいいと言うのです。
可愛い事を言ってくれる。
そして、しばらくしてスーパーに買い物に連れていきました。
「慶タンはこれを買ってもらうよ!」
そう言って慶ちゃんが差し出したのは100円のお惣菜の卯の花でした。
なんか、私の健康に本当に心を使ってるんだなと思いました。
忍ちゃはホウレンソウと豆腐の和え物、剣ちゃんは筑前煮をほしがりました。
値段を見てみると忍ちゃんは198円、剣ちゃんも198円でした。
「あー慶タンのだけ値段が安い~」慶ちゃんはちょっと不満そうです。
「何言ってるんだよ、私なんかいつも一番値段が安い60円のリラックマプリッツ買ってもらってたんだぞ!」
剣ちゃんはそう言って少し怒りました。
「そうよ、そうよ、ちょっとは我慢しなさい。」
忍ちゃんがそう言いました。
「う~」慶ちゃんは唸りましたが反論はしません。
しばらくすると、指しゃぶりをしてました。
ああ、この子も人間の子供みたいに不満なことがあって我慢していると
ストレス解消に指しゃぶりとかするんだと思いました。
チーズ売り場の隣を通ります。
「チーズほしくないの?」慶ちゃんは私のほうを向いて言います。
「別に慶タンはチーズ買ってほしくないけど、チーズ食べたかったら買ってもいいんだよ。」
と慶ちゃんは言います。でも、今回は買いません。
黙って素通りすると、慶ちゃんは目を潤ませて口をとがらせ、不満そうに
チーズ売り場の前で立ち止まっています。
忍ちゃんと剣やんはおとなしく後ろをついてくるので、慶ちゃんだけ取り残されています。
ついてきてるかな、と思って、少し気になり、後ろを振り返ると、慶ちゃんが
ものすごいスピードで私のところまで走り寄ってきて、私の足にしがみつきました。
「チーズ買ってくれなくても大好きだよ!」そう言って私の足にしがみつき、ズボンに
顔を押し付けていました。ドサクサにまぎれてズボンで涙を拭いているようでした。
なんか可愛いなあと思いました。私は慶ちゃんの頭を撫でてあげました。
すると「私も!」と剣ちゃんた言ってきました。
「我がまま言った子だけ頭をなでるなんて卑怯よ!不公平だわ!」と忍ちゃんも怒っています。
「ごめん、ごめん」
そう言って私は剣ちゃんの頭をなでました。剣ちゃんは笑っています。忍ちゃんの頭をなでました。
「わーい」思わず忍ちゃんは言ってしまったようです。
剣ちゃんと慶ちゃんが笑いをこらえながら忍ちゃんを見ています。
忍ちゃんの顔が真っ赤になってしまいました。
「べ、別に私は撫でてほしくなんてないから、この人が勝手にやってることなんだからね!」
忍ちゃんは必死に言い訳しました。
「いいから、いいから」慶ちゃんは笑ならが右手で口を押え、左手の掌をひらひら上下に動かしました。
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からだに良さそうなお惣菜を選んでるのがほほえましいです。
でもなんでチーズが好きなんでしょうね。