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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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冥府からの来訪者

今年もおしせまったこの時期、
私は今日もコツコツと仕事の合間をぬって小説を書いている。
ああ、小説一本で食っていけたらなあ、空想の世界をつづって、
それで生活していけたらどんなに楽しいだろう。
私の夢だ。
しかし、そんなときにかぎって、お呼びがかかる。
「至急、生き霊となってこの地に赴くべし!」
頭の中で智伯の声がした。
いいかげんにしろよ、小説を書くのがかなりのってきているのに。
かと思う間に私の意識は薄れ、パソコンの前で眠ってしまった。
夜中の冷えた街並み。
電柱の青白い電灯がアスファルトを照らしている。
そこをゆっくりと黒い西洋の喪服を着た少女が歩いてゆく。
その時、天から白い衣を着て頭の上に光の輪をつけ白い大きな翼をもった天使たちが
何人も舞い降りてきた。そして少女の前方を塞ぐ。
私とともに呼び寄せられた池内慶、池内剣、池内忍もその場に降り立った。
みんな、一体何が起こったのか理解できずその場に呆然と立ち尽くしていた。
「止まりなさい、池下滅!これ以上前に進むことを禁じます。」
天使の一人が叫ぶ。
少女はそれを無視してそのまま前に進む。
そして、天使たちの前までくるとサッと右手で払うようなしぐさをした。
すると、たちまち竜巻が起きて天使たちを吹き飛ばしていった。
天使たちは自分たちの素性を名乗らなかった。何か交換条件も出さなかった。
こいつ、本物の天使を吹き飛ばしやがった。
しかし、待てよ、池下滅とかって名前で呼ばれてたなこいつ、もしかして私の潜在意識の
根底か、こいつ。おい、神様の眷属相手になにやってんだこいつ、カンベンしてくれ。
吹き飛ばされた天使たちの向こうには智伯と花藤子が立っていた。
「させるかー!」その少女の後ろから松岡覇が大ハンマーを振り下ろす。
池下滅は前を向いたままそのハンマーをピンと指ではじくと、松岡覇はそのまま
猛スピードで吹き飛ばされた。それを松岡良はが空中にジャンプして受け止める。
そして着地して松岡覇を見た。松岡覇は体に直接打撃をうけたわけではなく、
ハンマーを指ではじかれたのだが、そのときに起きた風圧で気絶していた。
「よくも!」あとから到着した松岡炎が叫び、松岡狼とともに戦闘態勢をとるが、それを松岡良が止める。
「まて!あなたたちが勝てる相手ではないわ、帰りましょう。」
松岡良はそう言うが松岡炎は気持ちが収まらないようで
「松岡覇をこんなにされて引き下がれないわよ!」と反論した。
すると松岡良は無表情に抑揚のない声で言った。
「松岡覇だから気絶ですんだ。あなたが行けば必ず殺される。」
「どうしても行くと言うなら、かわいそうだから私がここで殺してあげる。」
その言葉を聞いて松岡炎はしゅんとうなだれた。
「さあ、帰りましょう」そう言って松岡良は松岡系の仲間を引き連れて帰っていった。
池下滅はまっすぐ歩いてゆく。
「止まりなさい!止まらなければあなたを撃つ!」手に弓と矢をもった花藤子が厳しく言い放った。
池下滅は視線を下におとしたまま、つぶやくように何か話し始めた。
「なぜそいつをかばう、連続殺人犯の弁護士を。」
すると智伯が答えた。
「殺人は悪!なれど罪深き人を諭し、善の道に戻そうとしたる弁護士は善!その弁護士を
祟り呪い殺そうとするそなたは、すなあち悪じゃ!」
その言葉を聞いて池下滅の口元に薄ら笑いが浮かんだ。
「善とな?自分は殺されてもいいから子供だけは殺さないでと懇願した母親の
子供を笑いながら母親の目の前で殺した殺人犯に、あの弁護士は、
「子供がかわいいから子供の首にリボンを結んだら死んじゃった。」
と言えと入れ知恵したんだぞ。それと殺した子供を押入れに入れたら
魔法の国の妖精がやってきて子供を生き返らせてくれる」と言えとも入れ知恵した、
明らかに精神障害による無罪を狙った法廷戦術じゃないか。それが善?」
池下滅はゆっくりと顔をあげて智伯を見た。その目には嘲笑と侮蔑の色がにじんでいた。
「されど、その罪は罪人が償うべきもの!弁護士には罪はない!それ以上前に進むな!
進めば撃つ!」そう言って智伯は両手を開いた。
その両手の指の間から黄色の札に赤い字が書いた霊札が現れる。
「この札はそなたの心の中にある私利私欲、欺瞞を打ち砕く聖なる札ぞ。」
智伯はそう言ったが池下滅は薄ら笑を浮かべながら無視して前に進んだ。
智伯は霊札を放った。
それと同時に花藤子も弓に破魔矢をつがえた。
「そなたの中の私利私欲の心を砕いて浄化させる!うけてみよ!!!」
そう言いながら花藤子は破魔矢を放った。
霊札と破魔矢は同時に池下滅に当たったが、霊札はパサッと音をたててそのまま
地面に落ちた。破魔矢も池下滅の体にポンと当たって、カランと音を立てながら地面に落ちた。
こいつの心の中には私欲も虚飾も虚栄心も偽善もない。だから破壊することはできなのだ。
智伯も花藤子も唖然とした。
池下滅が目指す方向、そこには煌びやかな人権弁護士の豪邸があった。
その門の前に先に現れた天使たちより一層体の大きな天使たちが何人も舞い降りて
立ちはだかった。
その姿は透けていて私にはよく見えない。
大天使だ・・・・・・私が見ることのできる霊域は貴人の霊から神の眷属霊辺りまで。
うっすらとその姿が見えるということは、その霊域のクラスでは最高レベル。
池下滅は人権弁護士の豪邸を見上げた。
「豪勢だねえ、さすが、非道な弁護で民衆を怒らせ、怒った一般市民たちが弁護士懲戒請求を行った
ところで反対に営業妨害と人権侵害で弁護士懲戒請求を呼び掛けた人たちを、
片っ端から訴えて、たんまり賠償金をまきあげた金持ちだけのことはある。最初から
この金が目当てでわざと非道な弁護をしたんだろ、あたまがいいねえ。」
そうつぶやきながら、池下滅はまっすぐに弁護士の家に向かって歩いて行く。
ちょっと待て、こいつは、私の潜在意識じゃないのか?
池下滅がどんなに激しい義憤をもっていようと、しょせん大天使に勝てるわけがない。
ってことは、私はこいつの巻き添えで、ここで灰になって死ぬのか?
もし、死なないにしても、大天使の手までわずらわせることになったら、私自身も
どんな責任追及されるか分かったもんじゃない。
冗談じゃない!私は、今やっと小説家になれるかもしれない夢をかなえようとしているんだ。
無残に殺された罪のない親子?!そんなの、他人ごとじゃないか。
この世界で、どれだけの人たちが無意味に、何の罪もなく殺されてるんだ?
巻き添えなんてまっぴらなんだよ!
「いいがげんにしろ!人の事なんて知ったことか!俺は、自分が幸せになりたいんだ!
そのためなら、他人だって見殺しにする、悪い連中だって見て見ぬふりをする!
俺は自分が一番かわいいんだよ!」
私は、本能的に叫んでしまった。
霊の世界は感情がストレートに出る。思ったことがすぐに口に出る。
内面をさらけだしてしまう。
心にもない建前で美辞麗句を言ってその場を取り繕ういとまなどないのだ。
私がそうさけぶと、池下滅の体に地中から真っ黒な人型が何人も湧き出してきて
しがみついてきた。
「やめろお、俺は成功したんだー、そのためには黙っていろー」
「何もいうなー見て見ぬふりをしろー。」
そのスキを見て池内慶がブブブッ!と植物の種を吐きだした。
それは池下滅の体に刺さって芽を出した。
芽をだした植物は育ち花をさかせた。
菊の花だった。
菊の花と線香のにおいが周囲に立ちこめる。
人々のすすり泣く声が聞こえる。
「うわああっつ」その波動をうけた池内慶は目からボロボロと涙を
流して両手で顔を覆い、その場に座り込んでしまった。
「精神攻撃だ!気をつけろ!」叫びながら池内剣が火を吹いて、
菊の花を燃やしつくした。
すると池内剣の頭の中に葬儀の火葬場の風景が浮かんできた。
「うわあっつ」叫んで池内剣はその場にひざをついた。
「おい!池内忍!おまえも戦えよ!」
私は怒鳴ったが池内忍は「何で私が人のために戦わなきゃいけないのよ、ふざけないでよ!」
と怒鳴り返した。
池下滅が自分の体にまとわりついた黒い影に手を振り下ろすと、それは霧のように消えた。
しかし、それは次から次へと湧き出してくる。
「有名になりたい」「ちやほやされたい」「裕福になりたい」を呻きながら黒い影がいくつも
わいてきて池下滅にしがみつく。
「チイッ!」池下滅は舌打ちをする。
「智伯、今よ!あの邪悪な私欲とともに池下滅を破壊しなさい!」
花藤子が叫ぶ。
しかし、智伯は顔面を蒼白にして手が震えていた。
やっと右手から3枚ほど霊札を出したがそれを投げることができない。
「あやつの心には私心がない、私欲がない、その者を破壊しようとする我はいったい何なのだ。
滅ぶべきは我ではないのか・・・・・」
そういいながら智伯は霊札を自分頭に打ち込もうとした。
「やめろ!」私はとっさに智伯に走りよって突き飛ばした。
はずみで霊札の一番が私の右手をかすった。
ジュッ!と音がして肉の焦げる匂いがした。
私だって聖人君主じゃない。邪悪な心ももっているんだということを再認識した。
私の腕が少しだけヤケドしたのをみて智伯は我にかえり、少し涙目になった。
「もうしわけない、我がふがいなきばかりに。」
私は少し苦笑いをした「いや、俺の心に私利私欲があるから焦げたんですよ。」
池下滅は私のほうに手のひらを向けた。
「この私利私欲はお前の心。お前を殺せば、私をさまたげるものもなくなる!」
私を殺す気だ。
「止めろ!おまえは俺の純粋な心の部分なんだぞ!俺を殺せばお前も死ぬ!」
しかし池下滅は手をとめない「かまわない、悪を滅ぼすためなら、私は死んでもかまわない。」
そのとき、とっさに池内忍が走りだした。そして池下滅の横にころがっていた破魔矢をつかんで
花藤子に投げた。
「小癪な!」私に向けようとした手を池下滅は池内忍に向けた。
池内忍はすんでのところでそれを避けて水札を両手の指の間から大量に出して
盾を作って身をまもった。しかし、それでも池下滅の竜巻の風にとばされて
遠くまで飛んでいってしまた。
「魔導退散!」叫びながら花藤子は素早く弓に矢をつがえ、池下滅に破魔矢を放った。
その矢は私の邪悪な私利私欲の黒い影を貫き、同時に池下滅の体を貫いた。
「ゲホッツ」池下滅は真っ黒な血を吐いた。
それでも、池下滅は歩みを止めなかった。
「なぜだ・・・・・・なぜ弱き庶民を踏みにじる者が栄えるのだ。」
「正しき事を言う者は権力の鉄槌によって踏みつぶされ、
凶者を擁護するものは、益々豊かになる。」
よろめく足取りで自分の目の前に立ちふさがる大天使をにらみつける池下滅。
大天使たちはみんな泣いていた。
「何・・・・・泣いてんだよ・・・・笑え、お前たちが守るものがますます巨大となり、
民衆をあざけり、金をばらまいて豪遊する姿を見て笑え・・・・
そして、それに抵抗するものが血反吐を吐いて死んでゆく姿を見て笑え・・・・・。」
池下滅は大天使のところまで行くと真っ黒な血のついた手で大天使の服をつかんだ。
「笑え・・・・・。」
そう言って、池下滅はニンマリと笑い、倒れた。
そして、2度と起き上がることはなかった。

まったく・・・・・とんだ年末だ。






追伸

テレビでは発言できなかったウイグル暴動の真実(青山繁晴)

という動画を見て、気分的に落ち込んでいるときに書いたエントリーです。
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古代文明の痕跡

「もうすぐ年末だから聖地巡礼に行こう!」
池内慶が言いだした。
「いやだよ、金もないし、時間もないし、行けるわけないだろ!」
私がそういうと、池内慶は部屋の床に転がって「だや!やだ!やだ!聖地巡礼行きたい!」と
だだをこねた。
なんでこいつ、こんなに必死なんだ・・・・ひょっとして、聖地でエネルギー補給しないとこいつら
消えちゃうとか!?
もしそうだったらやばいので、池内慶に聞いてみた。
「ところで聖地ってどこだよ。」と私が聞くと池内慶は「喜春城公園の裏山だよ。」と言った。
はあ?!
そんなとこが何で聖地なんだ。
また、わけのわからない事を言っていると思いつつも、
もしかして何かあるかもしれないと思って、インターネットで調べてみる。
そうしたら、公園の中にあった!
夕霧寮古墳という古代の遺跡が!
すでに朽ち果てて、その存在はわからないものの、公園の裏山に古墳があったなんて
知らなかった。
そこに行ったら、もしかして池内系たちと関係ある古代のメッセージがわかるかもしれない。
私は軽い興奮を覚えた。
場所も近いことだし、図書館に古文書を調べに行くついてに行ける場所だ。
私は、広い公園を抜けて、森の中をかきわけ、高なる鼓動を抑えつつ、一生懸命地図を
見ながら古墳をさがした。そして、見つけた!!!
「やった!古墳がみつかったぞ!
それは小高い盛り土のようで上に何本も細い木が生えている。
これでは、普通に見ただけでは古墳かどうかなんて判別できない。
しかし、池内慶がこの場所にあんなに来たがるということは、必ずここに
古代の謎をひもとく、何らかのヒントがあるに違いない。
「おい、池内慶!古墳に到着したぞ!」私が少し興奮ぎみに池内慶によびかけたが、
池内慶は私よりもっと先に進んでいた。
「こっち!こっち!」と手招きする。
池内忍、池内剣もでてきて、先に進もうとする。
なるほど!この古墳は実はダミーで、もっと先に実は隠れた古代遺跡があるんだな!
私は池内系たちに導かれるまま、そのあとについて行った。
古墳を西側にくだってずっと坂を降りていく。
その向こうはすでにアスファルトで塗り固められた道路だ。
その横にはコンクリートの建物がたっている。
「おい!そっちには何もないぞ!」
私が声をかけると、池内系たちは「聖地だー!」
と言ってそのコンクリートの建物に走り寄った。
は?
池内慶が興奮気味にその建物に指をさす。
「聖地!聖地!」
意味が分からない。
私がポカーンとしていると池内忍が顔をしかめて言った。
「馬鹿じゃない、聖地と言ったら弓道場にきまってるでしょ!」
まあ・・・・・・・こいつらを管理している藤子さんの氏神様は鋼鉄でできた鬼を串刺しにできる
神の矢が収められた弓矢の神様でもあるんだけど。
こいつら・・・・・・・ただ弓道の練習がみたかっただけか・・・・。
こいつら、古代の古墳とかは全然興味がなかったようだ。
 

怠惰な日常

「ああ・・・ヒマだなあ、いつまで続くんだこんな怠惰な日常。」
パソコンの前で必死に作業している私の横で池内剣がねっころがりながら言った。
一度は言ってみたいわそんな言葉。
「おい、お前、ヒマだから牛乳大王でマンゴー牛乳買ってこいや。」
ねっころがりながら池内剣が私に向かって言った。
当然ながら私は無視した。
ああ、こいつの顔、一度でいいから思いっきりふんずけたい。
色々毎日不安な日々だ。
出版した本は順長に売れ取るんだろうかとかいろいろ。
でも、気にしない気にしない・・・・・・。
と心の中で念じていると、背後で呟き声がした。「とんちんかんちん一休さん」
「うわっ!」と声を出して振り向くと、そこに智伯が居た。
「何言ってんだよ、お前!」私が言うと智伯は「いや、そちが心の中で「気にしない、気にしないっ」
などと念仏の如く唱えていた故、一休禅師が頭に浮かんだのだ。」智伯はそう言い、言葉をつづけた。
「なんなら、その前に考えてたことも言ってやろうか。」
「わあああああ!!!言うなあああ!!!」そう言って私はあわてて智伯の口を手でふさいだ。
池内剣が不審そうに私をにらむ。
「汚い手をはなせ」そう言いながら私の手の甲をつねった。
「いててっ!」私は智伯から手を離した。
「久しぶりに不動産情報を見に来た。見せよ。」智伯がそう言うので、私は
インターネットのサイトを不動さん情報を智伯に見せた。
「ああ、ここのマンションで中古の売り部屋ができたのか、ここの海辺のマンションはな、
昔マリンセンターと言って、市民プールがあって、巨大タコのオブジェがあったのじゃ。そして
その横の小学校がある場所は大きな海水プールがあって、そこでイルカを飼っていたのじゃ。
その昔、喜春城公園には猿がおっての、鹿も飼っておったかの、大観橋をわたった
西の場所に芝居小屋があっての、昔はよく人々の笑い声が聞こえていたものじゃ。」
などと嘘か本当か分からないことをぶつぶつ言っていた。
智伯は、ひとしきり不動産情報を見ると飽きたのか南の方へノコノコ歩いて行った。
すると、そこに松岡狼と松岡炎が現れて智伯に丁重に頭を下げていた。
智伯が手のひらを上にむけると、そこから徳利と杯が出てきた。
智伯はその杯を松岡狼と松岡炎にわたして、とっくりの中の酒らしきものをついでいた。
「またうちの神棚からお供えの酒をちょろまかしやがって。」と思っていると
智伯がキット目をつりあげて私の方を向き直った。
「無礼な!誰が酒を盗んだというか!これはサラダオイルじゃ!」
そういう智伯に私は呆気にとられた。
こいつら、サラダオイルなんか飲むのか。しかし、こいつらは神前か仏前にある食べ物、
もしくは私の思い出の中にある食べ物以外食べられないはずだ。
当然、私はサラダオイルなんて飲んだ記憶はない。
「無礼ものめ!そんな失礼なことを思ってたのか!これは智伯様に信者がお供えしたサラダオイルだぞ!」
松岡炎が怒鳴った。
なんだ、智伯って信仰者がいて、しかもお供え物ってことは祠をもっているのか。
「ねえ、智伯もサラダオイル飲むの?」私がそう問うと智伯は眉をひそめ、少し不快そうな顔をした。
「我は眷属ゆえ供物は食べぬ。よってこの者たちにおすそわけしておるのだ。」
智伯がそう言うの合点がいった。
私は松岡系にはエサを与えてないのに、松岡系がこの辺を徘徊しているのは、
こいつがエサをやってるからだ。
「この辺りを徘徊するノラにエサを与えないでください。」私がそう言うと、松岡系は
「ペットちゃうわ!」と大声で怒鳴った。
私の言葉を聞いた智伯の目がキランと光る。
「かく言うが、そちは近所の地域猫のとらちゃんに内緒でヤマザキナビスコのリッツを1枚たべさせたであろう。」
智伯の言葉を聞いて私は青ざめた。
「わー!ごめんなさい!1回だけです。とらちゃんがあまりにも可愛かったので!もう二度としません!」
私が謝ってしまった。

池下斬


ぱらりら!ぱらりら!ういーん!ういん!ういん!ういん!がががが!
家から50メートルほど向こうにある国道を暴走族の集団が爆走している。
うるさいなあ、仕事に集中できない。
と、思っていると、キキキキー!バーン!とけたたましい音がした。
事故りやがったな。
ま、いいか、他人ごとだしどうでもいい。
静かになって仕事に集中できるし。
私はそう思ってパソコンに向かって字を打ち始めた。
その頃、道路では事故った暴走族の兄ちゃんが苦しんでいた。
「うーっ、くそったれがあ。」うめいている兄ちゃんの上に白いフワフワした霧がういている。
それは人間の目には見えない。
その霧は次第に実体化して上半身白ワンピースの女の姿になった、ストレートのロングヘアーで
前髪はきっちりと切りそろえてある。
胸ののところははだけていて、そこから大きな胸と黒いブラジャーが見えている。
上半身の姿は明確化したが、下半身はぼやけていて霧のままだ。
その女は自分の眼下で呻いている兄ちゃんを見てニンマリと笑う。
「あーら、この道路は事故多発地帯なのに危険運転をしてくださるとは、
わたくしをお舐めあそばしてくださいましたわねえ。」
そういいながら女は黒いブラジャーからナイフを取り出して、苦しんでいる兄ちゃんの脚を
ガリガリホークでひっかいた。
「ぐわっつ!」兄ちゃんはうめき声をあげる。
「おい!大丈夫か!」暴走族の仲間が走り寄ってくる。
そして倒れている兄ちゃんの脚を見た。
「ひでえ、足がアスファルトにこすれて血だらけになってるよ、」
女は地面の土に一生懸命手をこすりつけて、それを兄ちゃんの体中の傷に刷り込んだ。
「バイ菌入れ~バイ菌入れ~、感染して腐って死ね~、あら楽しい。」
女はニコニコしながらうれしそうにその作業をつづけた。
すりつけられるたびに兄ちゃんはうめき声を上げる。
しばらくして救急車が到着し、兄ちゃんをタンカに乗せ、傷口を消毒液で洗浄した。
それをみて女は冷めた顔になってふわふわと上空に浮かんでいった。
「あ~ら、もう終わりですの、面白くないですわ、もっと苦しんでのたうちまわって死ねばいいのにい~。」
そういうと、女はしばらく中を漂っていた。
「あ~悪いことする人間を不幸にしたい、不幸にしたい、不幸のどん底に突き落として嘲り笑いたい。」
そう言いながら、女はふっと私の家の方向を見た。
私の背筋がゾクット寒くなった。
「お慶さ~ん!」いきなり、変な霊みたいなのが、私の部屋に飛び込んできた。
その霊は胸の黒いブラジャーから巨大な植木ばさみを取り出してきて、私の首めがけて大きくハサミを
開いて飛びかかってきた。
目が血走っているのが見えた。
首を切り落とされる!っと思ったとき、目の前に池内慶が現れて、細身の剣でその巨大な植木ハサミを
受け止めた。
池内慶の顔は真剣だった。
「池下斬ちゃん、この人はいい人だから殺しちゃだめだよ。」
そう言うと黒い長髪の女はにっこり笑った。
「あら、ごあいさつがわりですわ、お慶さんだったら必ず剣でうけとめるって分かっていたし。」
女のその言葉に池内慶は答える。
「でも、池下斬ちゃん、目が本気だったよ。」
池下斬はニンマリ笑う。
「あら~、本気ぐらいでやらないと面白くないじゃな~い。」
そういってご機嫌だった池下斬の顔が急に真顔になった。
「ん?」そういってあさっての方向を見る池下斬。
頭の上からピコッとキツネの耳のようなものが二つ出た。
「あの兄ちゃんが近くの病院の集中治療室に入ったようね、ちょっくら行って、
生死の境をさまよわせて、おちょくってあげようかしら。」
そう独り言を言うと、池下斬は池内慶の方をみてニッコリと笑った。
「また来るわね~、大好きなお慶さ~ん」
そう言って池下斬は霧のように消えていった。
なんかすごいのが来たな。
池下ってことは、ひょっとしてあと2人くらいあんなえでつないのがいるのかな。
そう思っていると、池内慶が怒ったような顔で私の顔を見た。
「だめだよ!なんでも怒りや暴力で解決しようとしちゃ!」
私は面くらった。「何言ってんだよお前。」
池内慶はじっと私の目を見て言った「霊の世界には波長の法則ってものがあるの、
だから、あなたが人に対して、怒りや憎しみ、呪いによって物事を解決しようと
思ってはだめなの!」
そう言われて私にも思い当たることがあった。
たしかに暴走族はうるさかったし、心の中で「くそっ、仕事ができねえよ、死ねよ。」とも
思ったし、「事故にでもあって死にやがれ。」と思ったけど、思っただけだよ。べつに、
自分で手を下して殺したわけじゃないし。
でも、それでも、その波長につられて、変な霊がよってきちゃうのなか。
世のなあむつかしいよな。
心の中で誰に対して「お前なんか死んじまえ!」って思ったことなんて、
誰にでもあるよねえ。それでもだめなのかなあ。
そう思ってると慶が「だめ!」と言った。
こいつ、いつも子供じみているのに、なにか要のときになると、
しっかりしたことを言うよな。
「ごめん」ちょっとはずかしかったが、私は少し赤面しながら、慶に謝った。
慶はにっこり笑って私の頭をなでて「いい子、いい子」と言った。
「でも、俺は絶対許せないと思った奴に対しては、これからも死ね!と思っちゃうかもしれない。
それは、とめられないよ。」私がそう言うと慶は「それはしかたないよ、でも、もしそう思っちゃったら、
必ず私にごめんって謝ってね。」と言った。
その横から池内忍が顔を出す。
「人間は、自分の残虐衝動、暴力衝動を正義だと正当化したとたんに、その残虐衝動が
暴走を始めて、人を踏みにじることが楽しくて楽しくてたまらなくなる。だから、
それは悪いことだって、自覚する歯止めが必要なんだよ、それくらい覚えとけバカ者。」
なんか慶に言われると素直に受け取れるけど、忍に言われるとムカつくなあ。
思わず「死ねよ馬鹿!」とか言いそうになったけど、その言葉を一生懸命飲み込んだ。

勉強になったこと


206 :この名無しがすごい!:2009/11/30(月) 23:53:38 ID:5Vey9KOx
ストーリーの骨格は基本こうすれば賞は取れる

起 ヒロインとの劇的な出会い 究極はラピュタ。あんな素敵な出会い方は他にない

承 話を展開させつつ伏線をばらまく 伏線は多いほうが良い

転 2番目に重要な伏線を回収して話を90度あるいは180度転回させる

結 ばらまいた伏線を怒濤の勢いで回収し、物凄いインパクトと共に物語の幕を引く

あとがき 一人漫才


2ちゃんねるで、小説の書き方のコツが書いてあった。
単純に感動する。

私がメモ用紙にそれを書いていると池内慶が珍しく納得したようにうなづいている。
「なるほどー福扇をたくさんあつめた人が勝ちになるのね。慶たん、あなたのために、
ほかの人から福扇をみんな奪っちゃって、あなたが勝てるようにしてあげるね!」
慶がそういうので、めんどくさいので「そうだね、よろしく頼むよ。」
と言っておいた。

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