地霊系の連中はたいがい女に見える。それは私が男だからのようだ。
しかし、ちょっと風変わりなのがいて、それは男だ。
泰氏である。
同居している母親が茶道をやっているので、時々釜の湯を沸かすために、
炭をたく。
独特のあたたかい匂いが部屋に漂う。
良い感じだ。
この匂いがすると泰氏系の連中がやってくる。
髪の毛や目の色は黒。肌色は灰色をしている。
草色の粗末な着物、江戸時代の百姓服のようなものを着ている。
帯は白だかセピア色だか、かなり古びている。
火を起こした炭をみるとそれを手でつかんでかじって食べる。
あくまでも幻想の世界でだ。
かじられた炭はたちまち白くなって崩れてしまう。
腰に飴色に磨き上げられた瓢箪をぶら下げていて、
池内系などの地霊が通りかかるとその瓢箪の口をあけて、
「池内慶!」「池内忍!」「池内剣!」などと叫ぶ。
アー西遊記で見たことあるぞ。
地霊たちは無視している。
ちょと嫌われてるのかもしれない。
こいつがくると、地霊系はさささーといなくなる。
もしかして、わざとおっぱらうためにやっているのか。
お茶席がはじまると床の間の柱によっかかって、それをじーっとみている。
私に対しては話しかけることはない。
時々、瓢箪の口をあけて、中のものを飲んでいる。
ちょっとツンと鼻をつく酸の匂いがする。
木酢系かな?
お茶が終わるとかえっていく。
ただ、それだけのことである。
この人は、修羅たちのゴッコ遊びには混ぜてもらえないようだ。
ちょっとかわいそう。
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まだまだいろんなキャラが出てくるのでしょうか?
個人的には智伯さんにもっといろいろ教えてほしですね^^
泰膳さんはわびさびわかる大人チックなかたなので浮いてしまうんでしょうか?