常連さんの池内系とちがい、ときどきやってくる奴。
智伯というのがいる。
冷静で罵倒はしない。
体は大人の人間の半分くらいの大きさだが、体系は大人の女性、
というか14歳から15歳くらいの少女くらいの体型かな。
池内系は割と大人体型で松岡系はそれよりすこし体格がいい。
この智伯が今のところ一番体が小さい感じかな。
服装が黒っぽい。黒の下地の着物の上から何か呪文みたいなものが描いた
布を頭からかぶっている。映画、猿の惑星に出てくるチンパンジーが着ていた
服みたいな形の服かな。
猿の惑星の服みたいだと頭でおもったら、智伯にむっとされた。
こいつ、人間の思考を読む。ちょっと気をつけないといけない。
全体的に黒系の服なので、あ、もしかして、こいつ、ダークサイドか?
と思ってたら、「古来、ひのもとの国では黒は神聖なる色じゃ、この西欧かぶれが。」と
言われた。
いちいち思ったことを言われるので、ちょっとうっとうしい。
知的な感じで、私がインターネットをやっていると寄ってくる。
そしておもむろに「不動産売買のサイトを見ろ」という。
忙しい時は相手にしないが、
無視しても智伯は悪態をつかない。ただ去っていくだけです。
ちょっと暇な時は相手になってやる。
私の家から半径3キロ圏内くらいの土地にしか興味を示さない。
そして、そこで売り土地を発見すると、それを丹念に観察して、
「ここを捜しに行こう!」と言いだす。
ちょっとした小さな冒険旅行だ。
更地を見るとそこを手でさわってみる。
ドクダミの葉が生えていると、「よしよし」という。
「どくだみは良いのだ、昔からここにあるものだ。」という。
「最上はフキであるが、ちゃんと世話がされておらぬ土地でフキを見出すを
望むべくもないことだ。」という。
セイタカアワダチソウが大嫌いなようで、放置された工事現場にセイタカアワダチソウが
群生しているのを見ると非常に嫌悪感のある表情をする。
そういう光景を見ると、智伯は手のひらを出してそこに「ふっ」と息を吐きかける。
何をしているんだろうとおもったが、しばらくしてそこを通りかかると、セイタカアワダチソウの
すこし脇からススキの葉が伸びているのが見えた。
智伯がやったからかどうかは分からない。
前に売り出し中の土地を見にいったら、そこはコンクリートで塗り固められ、
アスファルトで整備された駐車場だった事がある。
それを見て智伯はつっぷし、無言で涙を流した。
しばらくの沈黙のあと「ここには昔田圃があった、そして、親子連れが毎年春になると
ツクシを取りに来るのを楽しみにしていた。我はそれをただ、端に佇んでみていた。」
といった。
そして、その背中から親子が楽しそうにツクシを摘んでいる光景のイリュージョンが浮かんだ。
が、それは一瞬にして消え去り、成長して東京に出ていく息子の姿、
そして、残された母。
年老いて、ただ、金を出され、有料老人ホームでたた一人、看取られることもなく死んで、
燃やされる母親の姿が走馬灯のように映し出された。
こっちまで泣きそうになった。
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どくだみやふきはいいのですか!嬉しいです 私の実家は古くからある親戚の家の跡に建てたんで庭にどくだみやふきがあります
あと市史編纂の人が調べに来たことのある古いクスノキの仲間の木があります 南の木という名はそこから付けました(^^)
セイタカアワダチソウは本当に毒性な草で理科で習いましたが 自分たちの仲間を増やすために根元から毒素を出すんですよね で他の植物は枯れてしまうのですよね…
仲間だけで密集してるのをみるたびにくにくしく思いますw
智伯さんに聞いてもらえますか?うちは細い竹が繁殖してるんですがどうしたらいいでしょう?