「なんか最近、あんまり大げさなギャグとかしないよね~」
私がなにげなく言うと、慶ちゃんが頬をふくらませて「ぷんぷん!」と言った。
「だって、面白いギャグを言っても、面倒だって言って、あんまりブログに書いてもらえないんだもん!」
かえって説教されてしまった。
ごめんね~。
日曜日、父と一緒に買い物に行った。
「桃買おうか」父が言う。
「あ、まだ家にあるよ」
私が言う。
「あそう、じゃ、やめとこう」
父がいう。
「余計なことを~!」
慶ちゃんたちが怒っている。
そのあと、アイス売り場に行って、父はヨーロピアンアイスと北海道アイスを買った。
ヨーロピアンは忍ちゃんがもらって北海道は慶ちゃんがもらった。
「慶タンも~!慶たんも~!」
父の足のずぼんにすがって慶ちゃんが叫んでるが父には見えない。
「しかたないな、慶ちゃんの好きなぼーのチーズを買ってあげるよ。」
私はチーズ売り場に行ってぼーのチーズをとってきて買い物かごに入れた。
「ぶ~」慶ちゃんはふくれている。
「どうしたの、ぼーのチーズスキでしょ。それに値段的にもあんまりかわらないよ」
「でも、今は雰囲気的にアイスがよかったの!」
そう言って慶ちゃんはむくれてしまった;
「慶ちゃ~ん」
おだてようと思って声をかけてみるがふくれてそっぽを向いてしまう。
その時である。
「ゆうやけ~」
何の意味もなくベビーカーに乗った小さい子が叫んだ。
それを聞いた慶ちゃんたちは目を丸くして「ゆうやけ~」
と復唱した。
慶ちゃんも剣ちゃんも忍ちゃんまでも楽しそうに繰り返し繰り返し復唱した。
この子たちは小さい子供が意味もなく言った言葉を復唱するのがスキだ。
よくわからん。
このアクシデントのおかげで、慶ちゃんはすっかり機嫌がなおった。
そのあと、板チョコレートを3枚も買った。
割引で69円だったのだ。
「みんなおそろい~」
みんな1枚ずつもらって慶ちゃんはごきげんだった。
帰り道、慶ちゃんが私のズボンの裾をひっぱってきた。
「ねえねえ、慶タンのこと嫌いになった?」
「何が?」
「さっき、そっぽむいちゃったでしょ?傷ついた?」
「ははは、なんだそんなことか。」
私は笑いながら慶ちゃんのあたまをなでた。
「だいすきだよ」
「よかった」
慶ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
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