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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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ピコピコハンマーのお松

最近の堤防建設技術の向上は、防風林の存在意義を低下させたのかもしれない。
かつて、一面の松林であった地域に、気がつけば巨大なマンション群が建設されていた。
海沿いの美しい景色の商品価値は高い。
しかし、昔ながらの松林の風景を奪われた昔からの住民の悲しみは深く、
地域住民の要望によって今度は砂浜が埋め立てられ、その上に松林の人工林が
建設された。
昔から魚の産卵場所であった遠浅の海はコンクリートで固められ、その上に埋設された
土の上にか細い松が植林された。
池内慶によると、ここに松の精霊が住み着いているらしい。
新しく作られた人工林なのに珍しいことだ。
元々この精霊は戦国時代以前は地元の神社の敷地にあった松の巨木であったらしいが、
高山右近の神社焼き討ちによって神社もろとも灰になったという。その後しばらく
地をさまよっていたところ、徳川幕府が巨大な防風林の盛土を作りそこに大量の松を
植えたのでそこの主になった。
しかし、再度の松の伐採と新しい木の植林である。
かなり性格がすれてしまったらしい。
特に、地元の氏神様は戦国時代しごく荒廃したのち、徳川幕府によって再建され、
紆余曲折を経て、現在は楠の巨木が植わっている。
そのことが不満なのか、そこの神社ゆかりの方を見つけると、ピコピコハンマーで叩きにくる。
叩かれても、実際は少し顔などを松の小枝にひっかけてかすり傷を負う程度だが、
神社を守るお使いたちにとっては、神社に奉職する神官を傷つけられては、
面目が立たない。
必死に守ってはいるが、これまでのところ、10勝、2敗で2回叩かれている。
松の精霊は自分のことを松高子(まつたかこ)と自称しているが、だれもその名前では
呼んでいない。
通称、ピコピコハンマーのお松。
池内系たちは「たちが悪いから近づくな」と言っている。
私も、そっちの方向に行く用事はなかったのだが、
どうしても朝早く出かけなくてはいけなくなり、ちょっとした食糧を買やビニール袋などを調達
しなければならない用事ができた。その埋立地の松林の向こうには24時間スーパーがある。
やむおえず、そこに行くことにした。
朝もやの中にけむる松林。
海の潮風が香る、すがすがしい感じがする。べつに邪気は感じない。
なんだ、たいしたことないじゃないか。と、気がゆるんだ。
そのとき、松林の向こうに人影が。
茶髪にセミロングのカールのパーマをかけた髪、爪には真赤なマニキュア。
瞬きすると風が起こりそうなつけまつげ、高級ブランドのバック。
ヒョウ柄のドレス。なんで、こんな時間にこんなケバい人がいるんだ。
近づいてみると、そのドレスはヒョウ柄ではなく、松の皮柄のドレスだった。
しかも耳には魚の骨でできたイヤリングをしている。
悪い予感しかしない。
そのケバい女は私を見つけると風にのって音もなく猛スピードで迫ってきた。
歩いてない。飛んでる。
右手を拳にして振り上げると、そこに緑色のピコピコハンマーが現れる。
それで、私の頭を殴ろうとした。そこに池内慶が現れ、剣を引き抜いてハンマーを受け止める。
その後ろから池内剣が現れ、火を吐こうとした。と、その瞬間、
そのケバい女は池内剣に向かって左手を広げた。「ちょっと待って!ここは花火禁止なんですけど!」
そう言ってケバい女が指をさす。その向こうには「この公園では花火禁止です。」という看板があった。
「そんなもん、関係あるか!」と池内剣は怒鳴るが、そのケバい女は「あら!」と言って目を見張った。
「あーら、言っちゃったわね、私、ここの霊界町内会の理事をさせていただいております、
松高子と申します。あなた、花藤子さんところの娘ねえ。こないだの連合霊界町内会でも
この問題は議題にあがったのに、どういう教育してりゃっしゃるのかしら。」
池内剣は「花藤子」という言葉を聞いて動きが止まった。
戦闘力以上の戦闘力を持つという魔界の精霊、ピコピコハンマーのお松は、
霊界町内会のお偉いさんだったのだ!
お松は高級ブランドバックから霊界携帯電話をとりだし、やにわに電話をかける。
しばらくして相手が出る。「あーら、花藤子さん、お久しぶり、ちょっとー、あなたんとこの
池内なんとかって娘がさあ、こんな朝っぱらから公園で火遊びしてさあ、火事になったら
どう責任を取られるおつもりかしら。この前の霊界総会のときにあなたんとこも、同意の
上で押捺しましたよね。」
池内剣は冷や汗を流して直立不動になる。
「ちょっと、しっかりしてよ!」池内慶が池内剣に駆け寄って、池内剣をゆすった。
そのスキをお松は見逃さなかった。
「チャンス!」そう言って私に向かって、ピコピコハンマーを振り上げる。
「あ!」池内慶が叫び声をあげる。
お松と私の目があった。
その瞬間、お松の動きが止まった。
お松の目からは涙が流れ、付けまつげがボロッと落ちた。
お松の後ろに濛々とイリュージョンがうかぶ。
そこには、私がまだ5歳くらいだった頃の風景が映し出された。
親戚のおばさんに連れられて、近所の水族館に遊びに行った帰り、私は松の暴風林を指さした。
「ねえ、松ぼっくり拾いに行こう!」私がそう言うと叔母は苦笑した。
「あんた、松ぼっくりが本当に好きねえ。水族館と松ぼっくりとどっちが好き?」
私は迷わず答えた。「松ぼっくり!」そしてたくさん拾って、家にもって帰って、
自分の宝物箱に入れて時々眺めた。
あのころの、防風林の風景。
お松の目からとめどもなく涙が流れた。
お松のパーマのかかった髪がバサッと音をたてて垂れ下がり、ロングのストレートになった。
髪の毛の色は鮮やかな緑色に、目の色も透きとおるグリーンになった。
お松は「・・・・・・あの頃の風景を・・・・返せ。」と小さくつぶやいた。
いつのまにか、その服は濃い緑と淡い緑、そして白で彩られた巫女の服になっていた。
お松、、いや高子は私に向かって微小を浮かべた。
とても清楚で美しい笑顔だった。
その途端、高子は数本の縦の光の束となってそこから四散して消え去った。





























「あ・・・・・あの性悪のお松が浄化しやがった。」池内剣が唖然としながらつぶやいた。
「す・・・・すごいもの見ちゃったね。」池内慶も呆然としている。



みんな、その場で一瞬、時がとまった。




ただ、あとからやってきた池内忍は冷静に落ちていた。
霊界携帯電話を拾い上げて話をする。
「あ、もしもそ、花藤子様でございますが、だだいまわたくし、精霊を一人浄化しました。
つきましては、善徳控除申請いたしますので、今からそちらの書類をいただきにまいりますわ。
あ、いえいえ、藤子様に来ていただかなくても、今から私が参ります。」
そして、私と池内慶、池内剣が感動で立ち尽くしている横を
「あー忙しい、お仕事、お仕事」と言いながらすりぬけていった。


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サンテレビの歌

大阪の古書店に依頼して探してもらっていた吉川弘文館の本が手に入ったとの
連絡が入ったので大阪まで取りに行く。
歴史の本は値段が高いので古本でまとめ買いするとずいぶんと経費が安くつく。
また高くても、絶版になっていることがあるので、高いお金を支払っても
古本を購入しなければならないこともある。
本をお譲りいただいた帰りに大阪道頓堀の神座でラーメンを食べた。
道頓堀のかに道楽の動く巨大蟹の看板を見て、
派手なものが大好きな池内系たちが私の背中から出てきてテンションあがりまくる。
勢いづいた池内慶が手を上げる
「1番!せっかく大阪に来たのでサンテレビの歌を歌います!
京橋は!」と声を張り上げる。
すると池内忍と池内剣が「ええとこだっせ!」と掛け声をかける。
「グランシャトーが!」
そう言って池内慶が手の平を耳に当てて聞くポーズをとる。
「おまっせ!」
と池内忍と池内剣が叫ぶ。
当然私にしか聞こえていないが、とても気まずい感情がこみあげてくる。
「2番!ロンドン!ロンドン!ロンドン!愉快なロンドン!楽しいロンドン!ロンドン!ロンドン!」
と池内忍がわけのわからない歌を歌う。
引き続い、池内剣が歌う。
「ぐっとかみしめてごらん、マーマの暖かい心が、お口の中にしみとーるよー!」
すると池内忍がヤジを飛ばす「それはサンテレビじゃねーぞ!」
池内慶もヤジを飛ばす「テンション下がりまくりんぐ!イカリング!」
池内剣は少し鼻のあまたを赤くして、泣きそうな顔をしていた。
私だけ一人カヤの外である。

綺麗な藤子さん


「こんにちわ、池内系一門が居座っているのは、こちらでよろしかったでしょうか。」
清楚な格好の人が来た。
髪の毛は黒髪で乙姫様みたいな結い方をしていて腰まで延びている。
肌の色は雪のように白く、

目の色は綺麗な濃い紫色。
淡い紫と白のツートンカラーの服を着ていて、胸の少し上のとこで、
白い紐を左右2ヵ所飾り結びしている。
明らかに和風の巫女様のような服装だが色は淡い紫と白、あとインナーに薄い
水色の中着をつけているのかな。
手には緑色の回覧板をもっていて、そこに数枚の紙がはさまっている。
回覧板の上には金具がついていて、そこにボールペンを挟んでいる。
清楚で美しくてし、ばらく呆然としてしまった。
「申し訳ありませんが、こちらでよろしかったでしょうか?」
もう一度聞くのでハッと我に帰り、「はい!」と答えた。
「お答ありがとうございます。」そういうとその美しい清楚な女性は回覧板の
紙をめくった。
すると、そこに池内系の三人の姿が現れた。
池内剣はこちらに背中を向けて肘をついて漫画のトイレット博士を読みながら、
ボリボリ背中をかいていた。
池内忍は胡坐をかいて小悪魔agehaを読んでいた。
池内慶はよだれをたらして寝ている。
「起きなさい、花藤子(はなふじこ)よ」とその綺麗な人は行った。
「ん?」と言って池内慶は目をさます。
池内剣と池内忍はびくっ体をゆすってお互い顔を見合わせた。
「はな・・・って言ったよな。」と池内剣
「訓読みってことは、神社の眷属・・・・」と池内忍
二人はあわてて本を投げ出し、その場に「ははーっ!」と言って土下座した。
池内慶は目をこすりながら起き上った。
「あ、藤子ちゃんお久しぶり、「ねえ、るぱ~ん♪」って言ってみて」
そう言う池内慶に藤子さんは「あ、そういうんじゃないから」と冷静に返す。
「あなた、この前、堕天した土系の悪霊退治したわよね、あれ、ちゃんと善徳控除申告
しときなさい、あと悪徳を積んだ悪徳申告もちゃんとしとくのよ。」
藤子さんがそう言うと、池内慶は「え~、そんな難しいのわかんな~い」と答える。
藤子さんは土下座している池内忍に目を向ける。
「いつもうちの神社にタダで水吸いに来るこの子にやらせればいいじゃない。」
そう言うと池内忍は平伏したまま「ははーっつ」と声をあげた。
「あと、ここの人間は神社に参拝に来る善徳を積みながら、まだネガティブなことを
考えすぎるから、ちゃんと天道についてあなたが教育しないとだめでしょ、慶」
と藤子さんは池内慶に言った。「うん、ちゃんと教育しとく。」と池内慶は答える。
いや、教育とかされたことないし、いつもゲームして漫画読んでるだけだし。
私がそう思うと藤子さんは素早く私の思考を手でつかんだ。すると思考は文字の塊になって
具現化した。
「これ本当?」藤子さんが問うと池内慶は首を激しく横に振った。
「ぶるん!ぶるん!ちゃんと教育しているよ!」そういってチラシの裏にボールペンで
落書きしたものを藤子さんに見せた。
「まあいいわ」そう言って藤子さんは私を見た。
「人間よ、死後のことは神のお使いや仏法の眷属がちゃんとしますから、
心配いりません。普通に生きていれば大丈夫です。
そのような事を心配するより、せっかくある命を大切にして、
今を精いっぱい生きなさい。それがあなた方人間に課せられた使命です。」
藤子さんがそう言うので私は「ハイ」と答えた。
なんか、この方がいるだけで、空気がすがすがしくなる。
「この部屋にはセキュリティーホールがあるわね、ちゃんと修理してふさいでおきなさい。」
そういって藤子さんは部屋の南西の方向に手をかざした。
「裏鬼門だ」池内忍が小声でつぶやいた。
南西の方向の空間に縦に割れ目ができる。
するとそこが、から真赤な空間が垣間見え、ドロドロに溶けた半分骸骨になった
亡者がはい出してきた。
藤子さんが静かにその亡者に目をやると、亡者は一瞬にして灰になった。
藤子さんはその空間に指をさして下から上にあげると、その隙間はスッとしまって無くなった。
「あとの管理はちゃんとしておくように。」
藤子さんがそう言うと池内慶は「はーい!」と答えた。

悪魔の森からの刺客


私がパソコンの前で仕事してると、池内慶がその横で寝ている。
池内剣は私が夜中まで仕事してるとその横に布団敷いて
大いびきかいて寝るのでムカつくが、
池内慶はお昼寝の時しかこない。
いびきもかかないし。
そして冬で私がドテラを着ていると、その垂れ下った袖の端をつかんで寝る。
なんか、そのほうが安心するらしい。
こいつは、邪魔にはならない。
池内慶が寝ているとその周囲には幻影の芝生が生える。
ふさふさとして風になびき、ちょっと青い草のにおいがする。
これは、ただ単なる幻想ではなさそうだ。
そこに踏み入ってくる者がある。
その者が踏んだ所の草はたちまちに枯れた。
草が枯れると池内慶はカッと目を見開いた。
筋肉隆々の上半身裸の棍棒を持った男性。
頭の毛が緑色で棘が生えている。髪の毛が杉の葉だ。
「天下に名高い戦上手、池内慶殿とお見受けいたす。腕試しにお手合せいただきたい。」
池内慶は真顔で体を起こした。
「最近の人工植林で出来た君は知らないかもしれないけど、現世で戦って死んだら
生きて帰れないんだよ。戦争ゴッコなら修羅界の仮想空間でやりな。」
それを聞いて巨体の男はニタリと笑った。
「戦いの中で死ぬは本望!」
池内慶は嫌悪に眉をひそめた。
「死んじゃえ、悪魔っ子」
そいうが早いかその巨体の男の背中から腹に巨大な矛が突き抜ける。
「もらったあ!」池内剣が矛を突き刺したのだ。
「ぐふっ、後ろからとは卑怯な!しかもこれは一対一の勝負のはず!!」
叫ぶ大男に池内剣は声を吐きかけた。「自分で人んところの平安をかき乱しといて卑怯もクソもあるかあ!」
「忍ちゃん!」池内慶が叫ぶと池内忍が「はいよっ!」と言って水色の札を二つ投げた。
それは池内慶の胸に当たって、池内慶の胸は大きく膨らむ。そしてそこから大量の稲穂が実り、
巨体の男の前にバラバラと稲モミが落ちた。
落ちた稲モミのところに池内忍が「ばーっ」と言って水を吐き出すと、巨体男の周囲は一瞬にして
水田となり男の足の自由をうばった。
「くそっ!うごけん!」うめきながら男は足を動かすが足はずぶずぶと水田にのめりこんでいく。
腹にささった矛も抜けない。
そこに猛スピードで稲が育ち、稲穂が実る。
そして、大量の雀がやってきて、その実を食べつくす。
そうすると、最後に大量のうっそうと生えた藁だけが残った。
「農家の雑用!焼畑農業!!!」池内剣が大声で叫びながら口から火を吐く。
いや、もうちょっとかっこいい名前にしろよ、ファイヤーブラスターとかさ・・・・・。
火は稲藁に引火し、その巨大な男は炎に包まれる。
「熱い!熱い!熱い!助けてくれ!死にたくない!!!」
叫ぶ男。
「備長炭になっちまえ。」冷笑する池内忍。
「ふざけんなよ、裁断して割りばしにすんぞ、コラ」煽る池内剣。
怒ってるわりには楽しそうな二人。
「なんでも言うこと聞くなら助けてやるよ。」池内慶が言った。
「言うこと聞きます!聞きますから助けて!」大男は泣きながら叫んだ。
「まったく、この頃の人工植林は。」「忍ちゃん、おねがい!」
池内慶が短く溜息をつき、池内忍に合図すると池内忍は「ばーっ」と言いながら口から水を吐いて、
火を鎮火させた。
水田の泥沼から引きずりだされた大男は池内慶の前にひざまずいた。
「いかに卑怯なやり方をされたとはいえ、負けは負け、これから永遠にあなたのシモベとして隷属しましょう。」
大男の、「卑怯な」という言葉に池内慶はカチンときた。
「別にそんなことしてほしくないよ。」池内慶は冷静な顔で言った。
「はい立って!立って!」
大男を立たせた池内慶は大男の頭に金髪のカツラをかぶせ、口紅を塗って、ピンクのネグリジェを着せた。
そして、池内忍にソニーの8ミリビデオHI8ハイファイ仕様で撮影させた。
池内慶「はい、いいよーいいよ、キャサリンちゃん、もっと色っぽいポーズとってー!」
大男「きゃ、きゃさりん?」
池内慶「そうよ、今日からあなたはキャサリンちゃんよ、さあ、「私、キャサリンちゃん、
みんな私のプロモーションDVD買ってね、今なら私のサインとキスマーク付きポスターカードの
おまけつきよ!」って言うのよ!」
大男「・・・・・・」
池内慶「さあ、早く!なんでも言うこと聞くんでしょ!」
大男「きゃ・・・きゃ・・・・・・・・・」
「うわああああ!!!!!お前ら全員ウンコだあああああ!!!!!」
大男は金髪のカツラをその場に叩きつけ、泣きながら逃げていった。
「これで、あいつも二度とここには近づかないわね。」
池内忍は冷静に言った。

 


追伸
池内慶に聞くと、杉の植林と自然林はとても仲が悪いそうです。
まっすぐに伸びた杉の植林を自然林の精霊は悪魔の森と呼んでいるそうです。
それは、杉の木が殺菌作用のあるヒノキチオールを発散させ、
杉の落ち葉が落ちた場所の草花は枯れ、虫は死に絶え、森を殺してしまうからだそうです。
木が切り倒されたら日光がそそぎ、小さな草花は喜びます。
だから木を切り倒されることは、必ずしも森の小さな草花の妖精たちは怒らないし、嫌いません。
しかし、森との共存を選ばず、草木を枯らし多様性を認めない人工植林の杉林を森の妖精たちは
嫌うそうです。

犬ボード


池内忍が電子手帳みたいな単行本くらいの大きさのディスプレイの前に
ノートパソコンくらのキーボードを広げて、何かカタカタ打っている。
「何なってんだ?」聞くと「ポメラよ」答えた。
こいつらはイマジネーションの存在である。つまり、私が見たものしか
イメージの世界で具現化できない。
どっかの通信販売かなんかで私自身が見かけたものだろう。
「お前らファミコンとかゲームウオッチしか興味ないんじゃなかったの?」
と聞くと、「何言ってるの、これからの時代はモバイルよ。」とか言ってくる。
あー、こういうことやって、賢くみられたいお年頃なんだと思った。
でも、たぶん私の300倍くらい、こいつら長く生きてるんだろうけど。
そこに池内慶が横から顔を出す。
「へー、この子ポメラニアンなの?どこのペットショップで買ったの?」
池内慶がそう言うと、目の前のモバイルキーボードは真白で毛がフサフサの
ポメラニアンの子犬にボン!と化けた。
所詮、私のイマジネーションの産物である。
「かわいー!」池内慶は子犬を拾い上げて頬ずりした。
「ちょっと!なにやってんのよ!あんたがそんなこと言うから、こいつの
イメージが犬になっちゃったじゃない!」
池内忍はそう言って私に指をさした。そして私の方を向き直ってどなった。
「これはモバイルよ!メモ機能よ!機械なの!」
そう言うと、毛がフサフサの犬はボンとモバイルメモ帳に化けた。
「あー!かわいいワンちゃんのほうがいいのに!」そう言って池内慶は
涙目になる。
「かわいいワンちゃんのほうがいいよね!そのほうがかわいいよね!」
そう言って池内慶が涙目で私にせまってきた。
てか、涙目の池内慶がかわいいから、ボン!
モバイルは毛がフサフサの子犬になって、しかも「キュン、キュン」
鳴き声をあげた。
「きゃー!超かわいー」池内慶は飛び上がって喜ぶ。
池内忍は私の胸倉をつかむ。
「この盗っ人!今すぐ私のポメラを返しなさい!あれは機械なの!犬じゃないの!」
そう言うと池内慶もせまってくる「ワンちゃんだよー、だってこんなにかわいいんだよー。」
むむむむむ・・・・・。
ボン!
熟慮の結果、それは、背中にキーボードがついた子犬になった。
「えー、かわいくないー。」そう言って池内慶が去っていった。
「ディスプレイがないと、打った字をよめないじゃない。」そう言って池内忍は去っていった。
「じゃあ、俺はどうすればよかったんだよ!」私は背中にキーボードがついた犬を
指さして叫んだ。
「俺に言われても困るんだけど。」背中にキーボードがついた犬は真顔で答えた。

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