「俺、結婚したんだ。」突如として池内剣が言った。
「なんだってー!」池内慶&池内忍&私。
キスもまだしてないって言ってたのに結婚とか。
「どうしよう!美人で人気者の剣ちゃんが結婚したことがわかったら、
怒ったファンがこのブログを印刷して切り刻んで宅急便の着払いで送ってきたらどうしよう!」
池内慶がオロオロしながら言った。
「いや、それはないて」池内忍がすかさず突っ込む。
でも、冷静に考えたらこいつらの姿は私にしか見えないはずだ。
しかし・・・・・・・、悪い予感がする。
こいつらが外部と接触することのできる唯一のツールは私に憑依して、
インターネットをいじることだけだ。
私がネカマになって男を誘ったってことじゃねえか、勘弁してくれ。
色々な過去ログをチェックしてみる。そして、とあるオンラインゲームについて思い出した。
この前無料オンラインゲームの広告をインターネットで発見したので加入しておいたのだ。
キャラは男性で、属性は僧侶。
チェックする。
キャラが女性になっている。属性は戦士。マリッドは既婚。
やっぱりだ。ネットゲームで勝手に私に憑依して男をそそのかして結婚してやがる。
「これから毎日、ご主人さまのためにモンスターを倒して、ご主人さまのために
ヒットポイントを稼ぐんだ!さあ、はやくモンスター狩りに取り掛かるんだ!」
池内剣は命令する。
「ん?」私は少し首をひねった。
「お前、その結婚相手との愛の語らいとか、心の交流とかは無いの?」
聞いてみると池内剣は「戦士に休息などないのだ!戦いこそ、夫との心のつながりなのだ!」
と言った。
私はもういちど冷静に池内剣が登録したプロフィールを確認してみる。
登録名が「ボットちゃん」となっていた。
「ボットちゃん・・・・・・・・。」
私はそれを復唱した。
「この名前、自分で考えたの?」と池内剣に聞くと「もちろん夫が考えてくれた名前だ!」と
言ってきた。
私は池内忍を見る。池内忍がこっちによってきて耳打ちする。
「ボットって・・・・・ひょっとしてアレよね。」
私は答える。「うん、たぶんアレ。」
私はインターネット検索で「ボット」を捜す。
ボット (ゲーム)
提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クライアントBOT
クライアント側のボットとは、主にオンラインゲームのマルチプレイヤーゲームにおいて、本来プレイヤーが行う操作(射撃・攻撃・回復など)をプレイヤーに代わって行うものである。大抵の場合において、経験値を溜める為の狩りなどといった単純作業や繰り返し作業など、地道かつ時間を要し、あまりプレーヤーがやりたいと思わない作業・行為を代行させるため、その楽をして得をとろうとする姿勢から、規約違反に該当しない場合でも非難されることが多い。
私が検索して出てきた画面を池内剣も後ろで見ていた。
池内剣はおもむろに部屋の隅っこまで行くと体育座りをしてしばらく口を聞いてくれなかった。
オンラインゲームの登録は解約した。
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ボットちゃんかwwww
じゃおとさんは
チートちゃんにしようかしらwwwww
この意味が分って大笑いしている自分が怖い