風邪でダウンしていると母親がイチゴを洗ってもってきてくれた。
風邪がひどくてご飯が食べられないので、ちょっと甘みのあるイチゴとかミカンとかバナナを
食べている。
「イチゴだ!イチゴだ!」
慶ちゃんはイチゴを発見して手を出そうとする。
その手を忍ちゃんがペチリと叩く。
「だめよ!私たちがイチゴの生気を吸うと、この子にイチゴの生気がいかないじゃない。
いまは病気なんだから、イチゴはこの子だけにたべさせるの」
忍ちゃんが慶ちゃんに説教している。
「この子って誰だよ」
「あんたに決まってるじゃない、馬鹿なの?」
忍ちゃんが私をギンギンに睨みながら言ってきた。
「どういう風の吹き回しだ」
「あら、私はいつもの私よ」
忍ちゃんは胸を張っていった。
「無い胸は張れぬ」
慶ちゃんが突っ込みを入れる。
「ぶちかまわよ、あんたー!」
忍ちゃんが怒鳴ると慶ちゃんは「ぴゃー!」と言って
逃げていった。
その横で剣ちゃんがじっと見ている。
「あげようか」
私がそう言うと剣ちゃんは首を横に振った。
「早く元気になってね」
良い子や。
「慶タンだって良い子だよ!はやく元気になってね!」
慶ちゃんがやって来て言った。
みんな良い子だ。
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