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頭の中の池内慶

空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。

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パンチラ

池内系たちがなにやら朝から猿団子のように密集して何か話し合っている。
「何してんの?」私が尋ねると池内慶が振り返った。
「一大事だよ!池内忍ちゃんが入手した極秘情報によると、これからのナウなヤングにウケル
作品にはパンチラが必要なんだって!」
あ、それ私が昨日インターネットで見てた作家さんのブログに載ってたエントリーです。
しかも、20年前に漫画誌の編集者さんが言ってたこと。
私が来た事に気づくと、池内忍が怒気を含んだ表情で私を指さした。
「あなた最低ね!そんなに私たちのパンツが見たいの!?」
いや、別にやれとは言ってないし。
そして、また3人あつまって猿団子のようになって何か話し合っている。
「それで、誰がやるのよ、パンチラ」「俺はイヤだぜ」「キャサリンちゃんにやらせようか。」
まあ、そんなことどうでもいいし。
無視してパソコンをやってると池内忍が奇声をあげた「あんた馬鹿じゃないの!」
続いて池内剣も声をあげる「馬鹿!やめろ!ぶち殺されても知らんぞ!」
池内慶が拳を握り締めて何やら決意表明をしている。
「ここは麗希ちゃんにやってもらうしかないと思うの!」
なんでその結論になった。
そうしてるうちに池内慶はどこかに行ってしまった。
しばらくすると、右手にくま公のぬいぐるみを抱いて左手に大矛をもった麗希を連れた
池内慶が帰ってきた。
「うっわーっ!!!」叫びながら池内忍と池内剣が逃げだした。
私も微妙に苦手かもしれない。
「麗希ちゃんがやってくれるよ!しかもセーラー服のサービスショット付きだよ!」
池内慶が大声でそう言った。
しかし、麗希はいつもどおり黒い鎧を着ている。
麗希はゆっくりと、のっそり私の近くまで来た。
でかい。
麗希は左手にもった大矛を地面に突き立てた。
一瞬背中がゾクッと氷りついた。
麗希は無表情に両手でくま公のぬいぐるみをもった。
くま公・・・・・・・・。
ちょっと懐かしい、胸が少しだけ苦しくなった。
しかし、何かが違う。
くま公がセーラー服着せられてる!!!!!!!!

麗希はゆっくりとクマ公のセーラー服のスカートをめくりあげる。
「よっ!サービスカット!」池内慶が掛け声をかける。
麗希はそれにとどまらず、クマ公のスカートを脱がせ、服を脱がせ、
その場に投げ捨てた。
「くま公はこんな服いらないと言ってる。」
そう言って、ノソノソと歩いて帰っていった。
ちょっと怒ってたかもしれない。
麗希が帰ると池内忍と池内剣が帰ってくる。
「あんた、何やらせてんのよ!あいつは怒って暴れだしたら誰も止められないのよ!」
池内忍がそう言うとそれに池内剣も言葉をつづけた。
「何ゆえ、お前がクマのぬいぐるみのセーラー服姿に命までかけられるのか問いたい!
小一時間問い詰めたい!」
それでも池内慶は上機嫌だった。
池内慶は私のほうに向き直って屈託のない笑顔を見せた。
「よかったね!」
うーん・・・・・・・・・・微妙。

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朝まで討論会


「ねえ、ちょっと、ちょと聞いて、ニュースよ!」
最近カモにする憑依対象の人間がみつからず、景明が時々遊びに来る。
しかも、いつもくだらないネタを持ってきては池内系の連中と何時間も話していく。
よくもまあ、そんなくだらないネタで何時間も話せるもんだ。
ほんとうに、こいつらはお話が好きだ。
「それでね、インターネットで見たんだけど、三ツ星レストランで食事おごった帰りに
喫茶店に寄った男がさあ、女がここはどうしても自分が払いますって言うから2000円
払ってもらったんだって。そしたらまー、金払わせたあとから女の不機嫌な事、不機嫌なこと。
それで、男は釈然としないで、2000円くらい払ってもいいじゃないかって
喪女板にスレッド立てたわけよ、そしたらまー、セコイだの、お前なんか二度と
デートしてもらえないだの、叩かれまくってるわけ、もう、それ見てて、私ったら
可哀想で、可哀想で、涙がちょちょぎれたわ。」
そう言って、景明は拳を握り締めて力説していた。
「そだね、かわいそうだよね、慶たんだったら、またデートしてあげるよ。」池内慶がそういうと
景明は真顔になって「あら、そんなセコイ男と二度とデートするわけないじゃない、
可哀想とデートは別腹よ!」と言った。
池内忍と池内剣が深くうなづいている。
それを見て池内慶は少し不機嫌になった。
「じゃあ、自分でお金払うって言っといて、本当に払わされたら不機嫌になった女が正しいの?!」
池内慶がそう言うと、景明は軽い溜息をついた。
「正しいわけないじゃなーい、女はね、男の写し鏡なの、殿方が笑っているときは、
女は笑っていなければならないのよ!たとえどんなケチな糞男でも、その場では笑ってやり過ごし、
今後は二度と会わないのが気高いセレブの嗜みというものだわ。」
それを聞いて池内慶は顔をしかめた。
「えー慶たんわかんなーい。」その言葉をついで景明は「そうよねー、だからこんなケチくさい男ん家に
憑依してるんだもんねー、慶たんは。」と言った。
「そうだ!そうだー!」忍と剣が手を叩いて喜ぶ。それに対して景明は「ねー」と言って二人に愛想をふりまいた。
居候しているのは、忍も剣も一緒じゃねーか、この鏡の妖精、それがわかっていて、空気読んで二人に迎合しやがった。
池内慶はプーと頬をふくらませ、一人でパソコンのPC-9801にゼビウスの5インチフロッピーディスクを
差し込んでインストールしはじめた。
ガコーン、ガコーン、ガコーンと音を響かせながらパソコンがデーターを読み込んでいく。
そして、「バンバン!バンバン!バババエンバンババンバン!」(by円盤戦争バンキッドOP)
と鼻歌を歌いながら一人でゼビウスをはじめた。
「なんだよ、ふてくされて。」池内忍が言うと、景明は「かわいそうだから、そっとしておいてあげましょー。」と
フォローを入れた。何なんだこいつの気遣いは。
「だいたい誘われた時に、男が女に一円も払わせない器量の持ち主か、見極められなかった時点で
女の負けよー、2000円くらい軽い勉強料だと思って払っときゃいいのよねー。」
景明は話を続けた。
「でもなあ、何十人もの男にたかってタダ食いだけをしてると、女に因縁食いがたまって、嫁に行き遅れるからなー。」
池内剣がほおづえをつきながらつぶやいた。
「そうは言っても、飯食わせてもらうたびに自分の肉体をあげてたら、残飯食わされて最後にトンカツにされちゃって
自分が食われちゃう豚といっしょじゃない。ようは少数の金持ちから相手の懐が痛くならない程度の
金額をたかるのが最上の策ね。あんまり多くの男連れ歩いてるとバレル可能性も高くなるしさあ。」
景明がそう言うと池内忍がはたと思いついたように口を開いた。
「でもさ、逆に考えると、日ごろのデートでは割り勘にしといて慎ましやかな女性だと金持ち男に
思わせて、結婚したら夫が会社行ってる間に夫のカードで豪遊ってのがベストじゃない?それなら
因縁食いもたまんないしさー。」
それを聞いて景明はパン!と手を叩いた「さすが賢女!言うことがクレバーね、その調子で大金持ちの男を引っ掛けるよの!」
景明はそういって池内忍をおだてたが、どうせこいつら3人とも精霊で、人間の男から姿は見えないのである。
永遠にパーチャル恋愛シュミレーションやってろ。

世間体

 

私の服の袖を掴んで安心した顔で寝ていた池内慶がパッチリと目を開く。
「誰か来る。」
池内慶がつぶやくと池内剣た手を天にかざしす。するとその掌から光があふれ、そこから
巨大な矛がでてくる。
池内忍は両手を横に広げ、指を開くとその指の間に8枚の水色の護符があられれる。
そして戦闘態勢に入った。
すると部屋の南のほうの空間が割れ、そこから3人の女性闘士が現れた。
セミロングの金髪のストレートヘアーにギリシャ風の兜。兜の両方の横には羽型の飾り模様がついている。
表面は銀に裏は赤のマントをつけて胸板に銀の鎧、下は膝より少し上くらいの長けのスカートをはいている。
目は水色でキツメのメイク。片手に槍をもっている。
まつ毛は長い。どうも付けまつげっぽい。私の所に現れるタルパの類には珍しくメイクをしている。
唇には真っ赤なルージュ。
もう一人は、これまたギリシャ風の白いマントに白い服。インナーに緑色のピッチリ体に密着した
Tシャツのようなものを着ており、かなりの巨乳だ。
革のベルトに金色のバックル。
緑の髪の毛に青い目。手には長めの剣と楯をもっている。
この人もスカートの丈がすこし短い。
もう一人は円筒形の白い帽子をかぶり、爪入りの首回りが少し高いきっちりした白い男子学生服のような
感じの上服を着ている。手には金属の先が三俣に分かれている杖をもっており、その三又の上に
真っ赤な宝石の玉がはめこんである。
この人も短めのスカートをはいている。
修羅の世界は戦闘が多く、かすり傷が多いので多くの修羅は肌を露出しない。こういう短いスカートをはく連中は
珍しい。
池内慶、池内忍、池内剣はいずれも極力肌の露出が少ない服装をしており、池内剣などは鎧の下、特に手足には
厚手の革服を着込んで防慮している。

どうも緊張感がない連中だ。
連中は戦闘意欲もないようでぞろぞろ私の所まきて、池内慶たちを「あー、どいたどいた」と言って手ではらって
私の横にどっかと胡坐をかいて座った。
「何だこいつら?」私が尋ねると池内慶は答えた「慶たん知ってるよ、塗壁大将と嘘乳大将と、鯖読大将だよ。」
と言った。「違うわ!」厚化粧の女戦士が怒って否定した。
「私の名は義の精霊池外京。」次に巨乳の勇者が自己紹介をした。「私は情の精霊池外任」
続いて赤い宝石のついた杖をもった魔法使い風の女が自己紹介「私は信の精霊、池外賢、信の属性故に
決して嘘はつかない今年16歳の永遠の美少女だ。」そう言うと池内慶が話を続ける。
「うん、嘘はついてないよね、正確には2016歳だけど。」
「うっさいわ!」池外賢が怒鳴る。
どうも危害を加える輩ではなさそうだ。
「こいつら3人合わせて外ズラ3姉妹って言うんだよ。」池内慶が私に耳打ちした。
なんか悪い予感がする。
「あなたは、今、大変なことをやらかしてしまいましたね。」池外京が私に向き直って言った。
「え?」意味が分からなかった。
「今、あなたがノートパソコンから、他人様のブログに書いた一文です!」
池外京がまだ開きっぱなしになっているパソコンのブラウザを指さした。
私は、基本的にブログのコメントなどで人を傷つけるような事は書かないように気をつけている。
しかも、もし、それが作家さんともなれば、心無い事を書くことによって、
相手が傷ついてしまい、漫画が描けなくなって出版社や編集者の方に迷惑をかけてはいけないので、
極力、相手を褒めること、社交辞令しか書かない。
特に、今回は私の知り合いの漫画家さんがお世話になっている方へ
社交辞令的に「素晴らしいですね!素敵な絵ですね!気に入りました」
と褒めただけなので、何の問題も無いはずだ。
「うむ、それは悪くない。」情の精霊池外任が言った。
「しかーし!そのブログを最後まで読んだかな。」池外賢がそう言うのであわてて、
ブログの内容を確かめると、その漫画家さんは、ある出版社の漫画誌とその編集システムを
ボロクソに叩いていたのである。
しかも、その編集にかかわっている漫画家さんの一人は、私の恩人の漫画同人誌関係者と親しい作家さんで、
以前コミックマーケットでご挨拶をさせていただいた事もある方だったのだ!
私は、私の恩人に連れられて行っただけなので、私の名前や素性を相手方は知らない。
しかし、私の恩人は私のペンネームを知っている。恩人には、恩人の友人を叩いている漫画家を
私がべた褒めしている現実が知られる可能性がある。外交辞令とか言っても、外から見た他人には
分からないしな。
そのブログで漫画誌の編集方針を叩いている作家さんをコメント欄から注意すれば、
私は私の友人の作家さんがお世話になっている出版社の顔に泥を塗ることになる。
しかし、あのコメント欄が放置されたままだと、私の恩人の顔に泥を塗ることになる。
しかも、ええ、コメント欄は自分で削除する機能など付いておりませんとも。
まさにピーんち!
逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!
と言いつつも私は悩んだ末、熱を出して寝込んでしまった。
「しくしく」
「まったく、無責任にもほどがあるわね、こんな軽率なことをして、どれだけの人が傷付くとおもってんの?」
寝込んでいる私を池外任が厳しく詰問する。
それを見た池内慶が怒って池外任に駆け寄った。「なによ!そんなに責めなくてもいいでしょ!偽乳のくせに!」
そう言って思いっきり池外任の嘘乳を下に向かって押した。押された巨乳は腹の所まで落ちて二こぶラクダのようになった。
「何すんのよ!あんた!」池内慶と池外任はつかみ合いのケンカを始める。
それを横眼に池内剣が冷静に池外京と交渉を始める。
「そんなこと言って、こいつを責めさいなんでも何も解決しないだろう。今日の所は帰ってもらえないだろうか。」
池内剣がそう言うも、池内京は「それはできない相談ね、正義のためにコイツを徹底的に糾弾するうのが、
こいつの良心の化身である私たちの使命だから。」と返した。
「・・・・良心じゃなくて、ただの外聞、世間体だろ。」ぼそっと池内剣がつぶやく。
「なに!」池外京は怒って池内剣に向かって槍をかまえた。
池内剣は池内忍の方の視線をむけて「発射!」と大きく叫んだ。
それとともに、池内忍は水鉄砲のように激しい水流を池外京の顔にはきかけた。
「うああああああ!化粧があああ!化粧がああああ!!!」
池外京は叫びながら顔をおさえ、その場に崩れ落ちた。
そして、立ち上がると「うわああああああ!!!!」と叫びながら走り去ってしまった。
それを見て「あ、ちょっと待って!」と言いながら池外賢も逃げ出した。
一人残されたことに気付いた池外任も池内慶を突き飛ばし、「覚えてなさいよ!」と叫びながら
走り去っていった。残されたのは巨大乳パットが2つ。
池内慶はそれをお尻にくっつけて「マントヒヒのおケツ!」とさけんだ。
・・・・・・・・まあ、それはいいとして、
言葉は怖い。言葉は凶器だ。これからは良く相手の言動をチェックしてから相手を褒めよう。

 

ファーストキッス

「ファーストキッス!?」
池内系たちが部屋の隅っこに猿団子のように密集して何か話している。
「そうよ、私不良になったから、さっさとファーストキッスすましちゃおうと思って。」
池内忍がそんな事を言っている。
「でも、俺たちの事が見える男って、あそこに居るキモメンだけだぜ。」
そう言いながら池内剣がチラッとこっちを見る。
「うーん、あの人の唇は慶たんのものだけど、忍ちゃんのファーストキッスのために、
特別に貸してあげる!」とか池内慶が言っている。
いやお前とキスしたことねーし。
「あー、キモイわ、あんなのとキスするの、でも、不良になるためには
我慢して苦痛に耐えなきゃね。」とか池内忍が言っている。
池内忍が決意したような表情で私のところに来た。
「あんたはキモいけど、私が不良になるためにキスしてあげるわ、ありがたく思いなさい!」
そう言うので「まだキスしたことないの?」と私が尋ねると、池内忍は顔を赤面さめて
ぶわっと目に涙を浮かべ、池内剣のところに走っていった。
「キモメンがいじめる~!」
それを聞いて池内慶が怒る。
「何言ってるの!?忍ちゃんはまだ1千4百56歳の少女なのに、キスなんてしてるわけないでしょ!」
池内忍に泣いてすがられた池内剣も私のほうをにらんでいる。
「本当にお前は常識がないな、1千4百歳の少女とキスしたら児童ポルノ禁止法違反で逮捕
投獄されてもおかしくない年齢だぜ!」
どんな年齢のの児童だよ。
「お前らもキスしたことないの?」と聞いてみると、
二人とも声をそろえて言った「あるわけないじゃない!」
日ごろは修羅界に行って、地獄の亡者どもとなぶり殺しにしてる連中が言う言葉か。
ちなみに、池内剣が1千6百33歳で池内慶が1千8百21歳だという。
池内慶が一番年上だと!?
「絶対無理!あのキモメンとキスするなんて絶対に無理!!」
池内忍が拒絶するような口調で叫んだ。
いやだれもやってくれなんて言ってねーし。
「そうだ!自分の好きなキャラクターになってもらって、キスすればいいんだよ!」
池内剣が言う。
「擬人化ね!」閃いたように池内忍は池内剣を見た。
池内慶「山手線の佇んでいる隣のホームに強引に体をねじ込んでくる京浜東北線とか!?」
池内剣&池内忍「あんたは黙ってなさい!!」
池内慶「はーい。」
池内忍はしばらく熟慮していた。
そして考えた末に「伊達政宗様がいいわ!」と言った。
長らく生きた連中だけに、歴史上の人物とも直接あったことがるのか。
わたしは、そのことに少し感心した。
「じゃあ、お前、伊達政宗役な、」池内剣が言った。
「それじゃあ、私は片倉小十郎をやるわね。」池内忍はそう言うと私のところまで
歩いてきた。
そして、ひざをついてこちらに両手を向けて顔をそむけ、拒絶の表情をした。
「殿!おやめくだされ、そのようなこと!小十郎はそのような軽い男ではございませぬ!」
ん?なんかよくわからないが伊達政宗を演じればいいのか?でも
伊達政宗なんて会ったことないしな、ここは、適当に時代劇風の人物を演じるしかないよな。
そう思って、私はなんとなく、それっぽいことを言ってみた。
「ふふふ、よいではないか、小十郎。」
私がそう言うと池内忍は激怒した表情で私を見た。それと同時に
「政宗様はそんな事言わない!!!」と怒鳴りながら思いっきり私の頬を殴りつけた。
私は反動でひっくりかえって、ただ唖然とするだけだった。
「わーん!キモメンの変態!イケズ!人でなし!」池内忍は泣き叫びながら走って
逃げて行った。
「い・・・いや、そんなこと言われても俺は伊達政宗に会ったことないし、なんて言えばいいんだよ。」
そう言うと、池内慶と池内剣が声をそろえて言った。
「ヘイ!レッツ、パーリー!!!」
そんなこと言うかああああああああ!!!!!!!



グレた池内忍


謹慎期間がすぎて、めでたく舌を返してもらった池内忍ではあるが、あからさまに態度が
悪くなった。
「結局、私みたいな正直者が損をする世の中なのよね。」などと言いつつ、
背もたれのついた椅子にもたれかかって足を組み、スパスパとタバコを吸っている。
昔はこんな子じゃなかったのに。
でも、おかしいよね。「こいつ、水の精霊みたいに言ってたけど、全然火のついたタバコ吸ってるじゃん。」
私がそう言うと池内慶が答えた「ちがうよ!あれはオリオン株式会社のココアシガレットだよ!」
そういえば、そのようなタバコ型のチョコレートを昔買って食べたことがあるな、チューブ入りの
半生チョコレートとかも好きだった。あ、そうそう、母を訪ねて三千里のマルコの柄がパッケージに
印刷してあるやつだった。って、そんなことはどうでもいい。
でも、おかしいよね、「お菓子のタバコって言うけど、ちゃんと池内忍の口元から煙が出てるよ。」
私がそう言うと池内慶が答える。「ちがうよ!あれは念力けむりだよ!」
「念力けむり?何それ?」私がそう言うと、池内慶の表情が驚愕の表情へと変わる。
池内慶「念力けむり知らないの?!おばけけむりだよ!カードけむりだよ!」
私「知らんよそんなもん、お前らの念力か何かか?」
そういうと、横で見ていた池内剣がちょと軽蔑の混じった表情で眉をしかめて言った。
「時代遅れだなあ、念力けむりも知らないのか、ついこの間、昭和30年頃の駄菓子屋によく
売ってた。」
「知るか!そんなもん!!!まだ生まれてないわ。」
私がそう言うと、池内慶は少し同情したような顔になり、そこからお化けの絵が描いたカードを
取り出してきた。そしてそのパッケージを開くと、中に塗ってある粘着液を人差し指と親指に
なすりつけた。
それを小刻みに叩くようにこすると、粘着物が糸を引いて、煙のように空中を舞った。
池内忍の方向を見ると、たしかに親指と人差し指を小刻みに動かしている。
そこまで細かいフェイクしなくても・・・・。
「あーあ、私もう大人の女だから、これいらない。」そう言いながら池内忍は自分の
着物のそで口から飛行機の絵の書いた箱を取り出してきて、床に投げ捨てた。
お前の袖は四次元ポケットか・・・。
それを見た池内慶が目を輝かせた。
「うっわっ!ツバメのソフトグライダーフルセットじゃん!!!」
そしてその箱に飛びついた。
「なにっ!ツバメのソフトグライダー!」その言葉を聞いた池内剣の目の色も変わった。
池内慶はその大きな箱から薄い紙包みを取り出し、その中から 発泡スチロール製の薄い板に
飛行機が印刷されたものを取り出してきた。
池内剣も無言でそれを取り出して一生懸命組み立てる。
「四式戦闘機疾風甲型だぞ!ぶいーん!」池内慶はそう言って組み立てた飛行機を手に
もってそこら中を走りまわる。
「俺はグラマンF6Fヘルキャットだ!ひゅー!」そう言って池内剣も走り回る。
「まったく、あなたたちオコチャマね~」走り回る二人を見ながら池内忍はアンニュイにつぶやく。
池内慶「最後は疾風が勝たなきゃだめなんだよ!だだだだあ!」
池内剣「そんなの関係あるか!どどどどどっ!」
二人は飛行機を手に持ったまま走りまわる。
「いいかげんにしなさい!」ついに池内忍は怒って立ち上がった。
そして、二人から飛行機を取り上げる。
「いいこと!これは、こうして遊ぶものよ!」
そう言って池内忍は二つの飛行機を軽やかに投げて飛ばした。
二つの飛行機は綺麗に1回転宙返りをして滑空して飛んで行った。
「おおーっ!」池内慶と池内剣は目を見張って感動の拍手をした。
どや顔をしている池内忍。
お前ら全員子供だよ。

私もふくめて。



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