今日、スーパーに行くとイチゴが298円だった。
「むきょーっ!イチゴが安いよ!安いよ!これは買わなきゃだねっ!」
慶ちゃんが大喜びしている。
しかも慶ちゃんの大好きなさちのかだ。
早速さちのかを買ってあげて買い物かごに入れる。
「長崎だよ!長崎のさちのかだよ!」
興奮しながら慶ちゃんがイチゴにタッチした。
「次は剣ちゃんがゲットするよ!」
慶ちゃんの姿を見てかぜん剣ちゃんも張り切って待ち構えている。
しばらくスーパーを徘徊して、チーズ売り場に近づく。
「タッチアンドゴーだよっ!」
剣ちゃんがそう言ってクラウチングスタートの格好をする。
その時、冷蔵ソーセージ売り場の横を通る。
そこでは、御殿場粗挽きウインナーの音楽が流れている。
「あらびきびきびき、ごてあらポー!はーやく食べたいごてあらポー!」
その音楽に合わせて慶ちゃんが「ごてあらぽー!」と叫んで踊り出す。
それに釣られて剣ちゃんも「ごてあらぽー!」と叫びながら踊り出す。
二柱一緒に踊り出す。
その姿を横目に忍ちゃんが余裕でチーズ売り場に行く。
「そこのカマンベール買ってちょうだい」
私は慶ちゃんと剣ちゃんを一瞥したが楽しそうに踊っているのでそっとしてあげることにした。
「はい、忍ちゃん」
私は忍ちゃんにカマンベールチーズを買ってあげた。
「ふー、いい運動になったよ」「たのしかったねー」
慶ちゃんと剣ちゃんが帰ってくる。
剣ちゃんが買い物かごの中のカマンベールチーズを発見する。
「チーズ発見!タッチアンドゴー!」
「あら、もう私が貰ったわよ」
冷静に忍ちゃんが言った。
「しまったー!」
剣ちゃんはその場で転がり回った。
そのあと、剣ちゃんはすごくテンションが下がってしまったので、
可哀想におもって、パン売り場の見切り品コーナーにあった二割引の
メロンパンを買ってあげた。
「わーい!わーい!」
剣ちゃんは喜んでそのパンにタッチした。
その剣ちゃんのメロンパンを慶ちゃんが凝視している。
「こ……このパンで剣ちゃんの頭を、頭パーン!って言いながら叩いたら受けるかな、
でも、もし頭の打ち所が悪くて剣ちゃんが死んじゃったら……」
慶ちゃんは一人で想像して体をガクガクと震わせた。
「あーゴメンの剣ちゃん、殺すつもりは無かったんだよー!」
叫びながらその場で慶ちゃんが転げ回った。
剣ちゃんと忍ちゃんはどん引きしていた。
「何やってんのよ、あんた」
「剣ちゃんは死んでないよ」
慶ちゃんははっと我に返る。
「はっ、夢だったんだね、剣ちゃん!忍ちゃん」
そう言って慶ちゃんは剣ちゃんと忍ちゃんにがしっとしがみつく。
すると三柱は肩を組んで円陣をつくり「ファイト、オー!」と言って離れた。
「よーし、ここで逆転ホームラン打ってやるぜっ!」
慶ちゃんは鼻の下を人差し指でこすりながらエアー素振りをした。
何やってんだ、お前ら。
まあ、楽しそうで何よりである。
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