地下鉄に乗りました。立っていると、目の前におじいさんが座っていて、そのおじいさんの額の真ん中には
大きなホクロがありました。
「このホクロを押すとロボットが出てくるんだよ!」
慶ちゃんが言いました。
「ロボット見たいよ!押しちゃえ!」
剣ちゃんが言いました。
「ばかねえ、ロボットが出てくるわけないじゃない……きっと頭から水が出るのよ、押しなさい!」
忍ちゃんが乗りツッコミをした。
「押せ!押せ!押せ!」
慶ちゃんたちが大合唱する。
押せるわけないだろうが。
うっとおしいので、電車の最後尾まで行きます。
「うおっ!電車のお外が見えるよ!」
慶ちゃんが興奮します。
ちょうど駅に着いたあとで、ドアが閉まって電車が動きだします。
「ういーん、ういーん」」
慶ちゃんが運転するマネをしています。
しだいに、駅が遠くなり、トンネルの中に電車が入っていきます。
「うおっ!」
慶ちゃんが驚きの声を上げます。
「どうしたの」
私が聞くと慶ちゃんは私のほうを見て、トンネルを指さしました。
「トンネルの中にいっぱい蛍光灯があるよ!」トンネルの中ってみんな真っ暗だと思ってたら
ちゃんと蛍光灯があって明るいんだね!」
眼を大きく見開いて驚いているようでした。
言われてみればそうだった。地下鉄のトンネルの中なんて興味をもってしっかり見たことがなかった。
「そうだねー、今まで気がつかなかったよ」
私は言いました。
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