スーパーに買い物に行ったらスイカを6分の1に切ったものが売っていた。
夏のさなかに比べて大きさが小さい。
「スイカはもう秋田県!」慶ちゃんが秋田犬に乗って現れた。
「スイカの季節ももう終わりだった土佐犬!」剣ちゃんが土佐犬に乗ってあらわれた。
「チワワ!」
忍ちゃんがチワワをつれて現れた。
「あ、あの忍ちゃん、チワワは関係ないから」
慶ちゃんが焦り気味に忍ちゃんに言った。
「何よ、あなたたちだけ、私だってワンちゃん好きなんだからねっ!」
忍ちゃんは少しキレぎみに言い返した。
「いや、好きとか嫌いとかじゃなく、ほら、土佐犬とか秋田犬とかって洒落とかかってるから。
チワワって全然洒落になってないじゃん。」
「洒落とか関係なくチワワなの!」
忍ちゃんはギン!と目を見開き言い放った。
「むむむむむ……」
慶ちゃんはうなる。
「ちわわー!」
慶ちゃんがさけぶ。
「ちわわー!」
剣ちゃんが叫ぶ
「ちわわー!」
忍ちゃんが叫ぶ。
「ちわわー!」
三柱で叫ぶ。
「それがどうした」
私が訪うた。
「狗子仏性よ」
忍ちゃんが答えた。
意味がわからない。
それからスーパーをグルグル見て回る。
鮮魚コーナーに通りかかると慶ちゃんが目を丸くする。
「みてみて!魚の死体が落ちてるよ!」
切り身を指さす。
「スプラッターだよ!」
叫んでる。
「いつも見てるじゃん。」
私は言った。
「うん」
慶ちゃんは答えて大人しくなった。
別に面白ネタは考えてなかったようだ。
しばらく行くと、鮮魚コーナーの向こうに乳製品コーナーがある。
「あら、私の好みのチーズがあるわね」
これみよがしに忍ちゃんが言った。
いつもなら、慶ちゃんも喜んで裂けるチーズをほしがるところだが、今日は違った。
「だめだよ!いつも、いつもぜいたく品を買って食べてたら、この人の健康によくないから、
今日は我慢だよ!おやつは我慢して、今日は体にいい野菜のお惣菜を買ってもらうよ!」
慶ちゃんがそういった。
私の体の事を考えてくれてるのか。ちょっとかわいい。
剣ちゃんは黙ったまま、ちょっと口をとがらせている。忍ちゃんは露骨に嫌な顔をして
「えー」と言ったが反論はしなかった。
お惣菜売り場に行くと、一つのパックの中に6品違うおかずが少しずつ入っている
6品パックというのがあった。
慶ちゃんはそれがほしいと言うのでそれを買ってあげた。
剣ちゃんは和食3品パック焼き魚入りがいいと言うのでそれを買ってあげた。
忍ちゃんはレンコンの入った筑前煮を買ってあげた。
そのあと、レジの前までいくと、慶ちゃんが野菜果物コーナーでモモを見つけた。
「大変だよ!モモが売ってるよ、モモ!」
慶ちゃんが驚いて叫んだ。
「モモがどうしたの?」
「モモは貴女様のお菓子だよっ!」
慶ちゃんが叫ぶ。
「貴女様って誰?」
「既婚女性の総大将、守り神様だよ」
慶ちゃんが言った。
「黄泉津大神の事よ、ネットでぐぐりなさい。」
けだるそうに忍ちゃんが言った。
「桃ほしいの?」
聞くと慶ちゃんは大きく首を縦に振った。
「モモはね、高貴な食べ物なんだよ!」
慶ちゃんは言った。
「ふーん」私は聞き流した。
桃を買ってレジでお会計をすませて、スーパーの地下の食料品売り場から
地上に上がってくる。
「貴女様はね妻のいる男性とHな事する女に罰を与えるんだよ、だから、
巻き添えになるから男の人は風俗とか行っちゃいけないんだよっ!」
慶ちゃんが霊界のわけありな話をした。
「そうなの、じゃあ、風俗の女の人は神様に守ってもらえないの?」
「そんな事ないよ!稲荷神が守ってくれるよ!」
慶ちゃんが答えた。
「ふーん」
私は話を聞き流した。
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既女様の怖い一面は貴女様の影響だったのか。
なんで風俗の女性は稲荷神が守っているのでしょうか?