今回は桃に関する3日間のお話です。
最初に母と一緒にスーパーに行ったとき、ももを二パック買って、最初に慶ちゃんが桃をもらって、その次に
忍ちゃんが貰いました。
剣ちゃんは桃が貰えなくて泣きそうになっていたので、かわいそうに思った慶ちゃんが
剣ちゃんに桃をあげて、自分はキーウイを貰いました。
次に父と一緒にスーパーに行ったとき、最初にスイカを買って、これは慶ちゃんがもらったけど、
次に父は桃を買ったので、慶ちゃんは慌てて桃をもらいに行きました。
しかし、その前に忍ちゃんが立ちはだかり「慶ちゃんはさきにスイカもらったでしょ!順番だから
桃は貰えないわよ」と言いました。
慶ちゃんは「桃は特別だよ!この前は桃を譲ってあげたじゃん!今回は絶対もらうよ!」と言って
ききません。
しかたないので、慶ちゃんがスイカをもらう権利を放棄したことで話しがついてスイカは剣ちゃんが貰いました。
くだものを貰えなかった忍ちゃんはちょっと不機嫌になりましたが、イチゴ味のクリームチーズを買ってあげたら
ご機嫌が直りました。
そして、今日です。
今日は一番最初に桃を買いました、そこに慶ちゃんが真っ先に行ってタッチしましたが、
「この桃は忍ちゃんのです!忍ちゃんはこの前桃を貰えなかったから、今日は貰えるのです!」と
宣言しました。
「ちょ、なによ、この子ったら、」忍ちゃんはうれしかったのか、少し動揺して顔をあからめました。
「まったく、ぶしつけね」と言ってそっぽをむいた忍ちゃんでしたが、よほどうれしかったのか、
そのあと、鼻歌を歌ってました。
それからしばらく行くと、凍らせて食べるゼリーというのが売っていて慶ちゃんにブドウ味、剣ちゃんに
サイダー味を買ってあげました。
「フランス貴族はきっとアップル味が好きに違いないわ」
忍ちゃんがぼそっと言いました。
「忍ちゃんは桃もらったからいらないよね」
私は念を押すように言いました。
「い、いらないわよ、こんなもの、私そんなおこちゃまじゃないし」
ちょっと泣きそうな顔で忍ちゃんが言いました。
「はいはい」
私は笑いながら忍ちゃんの頭をなぜて、アップル味の凍らせるゼリーを買ってあげました。
「まあ、もらっといてやるわよ」
そう言って忍ちゃんはそっぽを向きましたが、そのあと、スーパーをスキップしながら
歩いていました。うれしかったんだ。
そのあと、チーズ売り場に行って裂けるチーズを慶ちゃんに買ってあげました。
「ぼーのぼのぼのぼーのぼのぼのぼのぼーのぼのぼの、ぼーの!」と叫んで
慶ちゃんが踊ってます。
ああ、そういえばボーノってチーズ買ってほしかったんだな。
「今日は裂けるチーズかっちゃったから次ね。」
私がそう言うと慶ちゃんは「ぼーのー!」と叫び声をあげ、片手を天に突き出しました。
「我が生涯に一片の悔いなし!」と剣ちゃんがナレーション風に語ります。
その言葉が終わると同時に慶ちゃんはその場にばったりと倒れました。
私はその倒れた慶ちゃんの服の首根っこをつかんで、ずるずるひっぱりながら先に進みます。
「はいはい、お服がよごれるから、自分であるいてね」
そう言いながらまだ引っ張ります。
パン売り場に行くとピザ風パンが売ってたのでこれを剣ちゃんに買ってあげました。
「剣ちゃん、このピザパン、サラミがのってるけどいいの?お魚は食べられないんだよね、
ハムはいいの?」
慶ちゃんが聞きます。
「ハムはいいよー!」
剣ちゃんが言いました。
基本的にアメリカ人が食べるようなものは食べられるようだ。
魚でもツナは食べられるし。
そのあと、私と父のお弁当を買いました。
私は豪華満腹弁当で、父用は和風弁当です。
あとデザートのわらびもち。
今日は母がお花のお稽古に行っているので、夜はお弁当です。
「ごうかだね!」ハンバーグが入っているのを見つけて、慶ちゃんが満腹弁当を貰います。
『私は当然和風ね」
忍ちゃんが和風弁当を貰いました。
いつも通り、どっちにしようか迷っているうちに、剣ちゃんはお弁当を取られてしまいました。
「よし、まんぷく弁当にするぞ!」
そう言ってお弁当に手を伸ばしたときには、慶ちゃんはお弁当にタッチしたあとでした。
「剣ちゃんもおべんとう ほしい!」
剣ちゃんがさけびます。
「剣ちゃんいつももらえない!ほしい!ほしい!」
叫びながら剣ちゃんが飛び跳ねます。
「しかたないなあ」
そう言って慶ちゃんがお弁当を剣ちゃんにあげて、自分はわらび餅をもらいました。
「慶ちゃんいい子だね~」そういって
私がほほえみかけると、慶ちゃんは「へへへ」と言ってわらいました。
そして、私の足にしがみついてきて、顔を私のズボンにおしつけました。
ちょっと目の所から涙がでてるのが、ズボンにしみこんできてわかりました。
「う~ん、いいこいいこ」そう言って私は慶ちゃんをだきあげてだっこしました。それをみて
忍ちゃんがかけよってきます。
「きゃー、なにしてるのよ、破廉恥ね、恥をしりなさい」
「剣ちゃんもだっこー!」
剣ちゃんもかけよってきます。
「はいはい、みんなだっこ」
そう言って私は忍ちゃん、慶ちゃん剣ちゃんをだっこしてあげました。
「ふん、なによ」
そういいながら忍ちゃんは少し顔をあからめ、そっぽをむきました。
剣ちゃんは笑ってました。
慶ちゃんも顔をあげて笑いました。
とても幸せそうでした。
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