空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。
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クライアント側のボットとは、主にオンラインゲームのマルチプレイヤーゲームにおいて、本来プレイヤーが行う操作(射撃・攻撃・回復など)をプレイヤーに代わって行うものである。大抵の場合において、経験値を溜める為の狩りなどといった単純作業や繰り返し作業など、地道かつ時間を要し、あまりプレーヤーがやりたいと思わない作業・行為を代行させるため、その楽をして得をとろうとする姿勢から、規約違反に該当しない場合でも非難されることが多い。
私が検索して出てきた画面を池内剣も後ろで見ていた。
池内剣はおもむろに部屋の隅っこまで行くと体育座りをしてしばらく口を聞いてくれなかった。
オンラインゲームの登録は解約した。
池内慶は池内剣のお気に入りのファミコンソフト蒼き狼と白き雌鹿が気に入って
やりこんでいる。
「やったー!登用成功!」池内慶が喜んでいると横から指が伸びてきて、
リセットボタンをガコッと押した。
「ああああああああ!せっかくイーゴリー公が仲間になったのにいい!!!!」
池内慶が怒ってキッと向き直ると、そこには景明がいた。
最近まで紺色のラメの入った和服を着ていたが、今日はピンク色のガンダムの連邦軍の制服を着ている。
とても、とても嫌な予感がする。
「慶ちゃん、いつもゲームばー、やっとったらいかんよ、そんなことばーやっとるから、アンゴウになるんよ。」
景明はどこかの方言を話している。
微妙に言葉の意味が分からない。
池内慶も一瞬あっけにとられていた。
「景明ちゃん・・・・・・・もしかして、プレアデス星団からやってきたUFOに拉致されて、
頭にマイクロチップ埋め込まれたの?」
池内慶がそう言うと景明は柔和な笑顔を見せた。「何を言うとられるんですですかな。」
そして背筋を伸ばしてビシッと敬礼した。「本官は本日付けを持ちまして、
表町商店街立地球防衛軍に配属になったであります!」
うわっ、このメリハリが怖い。
それを聞いて池内慶は目を丸くした。「すごい!景明ちゃん就職おめでとう!」
そこで褒めるんかい!!!!!
変な格好をした景明をみとがめて池内剣がやってくる。「お前、何やってんだ、その格好。」
そのあとから池内忍がやってくる。
「あら、驚くことないわよ、鏡の妖精は憑依した人間色にすぐ染まっちゃうから。男にカラオケに誘われたら、
女の親友と1か月前から約束して予約していた温泉旅行を1日前にキャンセルするタイプだよねー。」
池内忍のその言葉を聞いて、景明は毅然とした態度で胸を張った。
「あなたたち、勘違いされとるんじゃないかしら、本官の上官の栗原春巻隊長は、地球の平和を守るため
日夜月刊OUTを読んで最新の流行アニメを研究し、地球防衛軍基地にナウでヤングなイケてる
漫画とアニメ情報誌を揃えている、ボッケエ偉い御方なのよ!」
池内慶・池内忍・池内剣「・・・・・・・・・・・・・・」
池内忍「はいはい、アニメファン向け漫画喫茶ね。」
池内剣「漫画喫茶の店長に憑依したのか、新興宗教じゃなくてよかったな。」
池内慶「地球防衛軍にウルトラマンはいるの!?」
言いたい事を言い終わると池内系たちはゾロゾロ引き上げていった。
「ちなみに、最初の1時間300円、その後は15分ごとに100円の追加料金になります。
でも心配しないで!5時間1000円のスペシャルパックも用意してるから!ただし、
途中退場しても御返金はいたしかねます!」
景明は去りゆく池内系達の背中に向かって力説した。
ところで、表町ってどこ?
松岡覇が「智伯様はほんとうに素晴らしい!」とあちこちに吹聴したので、
智伯のところに松岡狼と松岡炎がやってきて教えを乞うた。
智伯は「教えが欲しければ、心を改め、隣人と仲良くし、礼節をつくしなさい、さすれば
進むべき道を教えましょう。」と言った。
松岡狼と松岡炎は智伯の前に平伏し、心を入れ替えると誓いを立てた。
すると、智伯は教えを説くまえに問うた。
「そも、何故にお前たちは松岡良に仕えるか。」
すると松岡炎が答えた。
「それは松岡良が最高の義であるからにほかなりません、正義は必ず勝つ!
そして、松岡良の武力は天下随一、戦えば必ず勝つ!正義は必ず勝つものならば、
すなあち、勝った者こそ正義でしょう!」
それを無表情で聞いていた智伯が再度問うた。
「だから、己らが屈した堕天の闇土に従ったのだな?」
すると松岡炎と松岡狼が無言で頷く。
智伯は視線を少し下に落とした。
「ならば教えよう、正義は負ける!」
その言葉に松岡炎は「なんと!」と声を漏らし松岡狼は目を見張った。
「この世は絶対的な正義が勝つならば、何故に日の大神の天照大神が最高神であらせられるか。」
松岡炎と松岡狼は顔を見合わせた。
松岡炎が答える。
「それは我らとて常々疑問のこと。本来は義の大神であらせられる素戔嗚尊こそ最高神たるべき存在。
素戔嗚尊の武力の前に天照大神はなすすべもなく天岩戸に隠れたにも関わらず、神々はそれを嘆き
悲しみ、ついに素戔嗚尊は追放されてしまいました。これがわかりません、最高の叡智を持ちたる
神々が、なぜ力こそ正義であり、正義こそ勝利であるという事実を理解されぬのか不思議でなりませぬ。」
それを聞いて智伯は口元に微笑を浮かべた。しかし目は笑っていない。
智伯は言った「そのような理屈、認めるわけにはいかぬな、神々の行いを批評するなど傲慢不遜、
無礼であろう!」
そう言われて松岡炎はカーッと顔を赤らめ下を向いた。しかし、その表情には明らかに不条理な感情論に
対する不満の色が出ていた。
これには松岡狼が反論した。
「これは智恵の護法のお言葉とも思われぬご発言、そのような言説、所詮は感情論ではありませぬか!」
それを聞いて智伯はゆっくりと二回、うなずいた。
「いかにも感情論、そしてこの世は感情論なのだ。」
その言葉に松岡狼は合点がいかない様子。
「いかに正しい事を言っていようと、その態度が傲慢不遜であれば、人々は内心不満を募らせる。
そして、その人が力をなくせば、周囲の人々はすべからすその者を見捨てる。また最初から
力なくば、いくら正論を言っていても、人々から嘲笑され、相手にもされぬ。」
それを聞いて松岡狼はハッと目を見張った。
智伯は言葉を続ける。
「いつも行いをただし、礼節をわきまえ、己よりも力の弱い者、
拙い者に対しても誠実に対応しておれば、一言も正義を語らずとも、一言も正義に従えと
言わずとも、拳を振り上げて悪を打つと叫ばなくても、人は自然とついてくるものです。」
智伯と視線が合う松岡狼。
松岡狼は視線を下に落とした。
「正義の道を説くとは、すなあち、背中で語ること。己が自ら模範を見せ、人々を助け、
人々をに感謝されてこそ、人々は従います。たとえ天下一の武人であっても、
百人の凡人相手に戦えばいずれ力尽きて負けます。どのような美しい大女優でも、
舞台の上で観衆を見下げ果てた毒を吐けば、その演技が天下無双の技量であっても、
観客たちは背を向けて帰っていきます。正しいことを言えば人が付いてくる、
自分は正しいから、何を言っても良い、そのようなおごり高ぶった心こそ敗北への道。
つまり、礼節を弁えぬ正義は人々の支持を得られず打ち捨てられ、滅びる運命にあるのです。」
そこまで智伯が言うと松岡狼も松岡炎も完全に平伏していた。
「それでは、これからはみんなと仲良く、礼儀正しく暮らすのですよ。」
智伯がそう言うと松岡狼、松岡炎とも「ははーっ!」と声をあげてかしこまった。
その時、智伯の顔から初めて満面の笑みがこぼれた。