空想ファンタジーブログです。 私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。
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松岡良の前に智伯が立った。
「そなたに話・・・」と智伯が言い終わらぬ間に
松岡良は瞬時に巨大な両刃の斧を智伯の上に振り落とした。
気がつけば、智伯は振り下ろした斧の切っ先に立っている。
「このままではでは松岡覇が地獄行になる、それでもよいのか?」
智伯は冷静な顔で松岡良を見下ろしながら言った。
松岡良は無言のまま智伯を見上げた。
その頃池内系たちは・・・・・・。
氏神様に併設されている保育園で園児のみんなとカスタネットを叩いていた。
もちろん、人間にはその姿は見えない。
「うんたん!うんたん!」池内慶は喜んでたたいている。
「あーうぜー、はやくゲームしてー。」池内剣は飽き初めている。
「あら、これはクリスチャンディオールかしら」退屈した池内忍は
カスタネットをほっぽらかして、保母さんのバックの中の化粧品をチェックしている。
その池内忍の頭の上から声がする。
「あらあら、善徳積みをさぼって保母さんのバック調べですか。」
見上げると藤子さんがいた。
藤子さんの姿を見ると慌てて池内剣と池内忍は土下座した。
「ははーっ!」
それを後ろで池内慶はうれしそうな顔で見ている。「おしおきだべ~♪」
「いえ、これはたまたまでして、ついさっきまで子供たちを見守って善徳を積んでおりました。」
池内忍がそう言うと、藤子さんは「そんなこと言ってると、また舌抜かれちゃうぞ。」と言いながら
ほほ笑んだ。
「ははーっ!」と池内忍は平伏する。
藤子さんは緑色のボードとそこに挟まれた書類を左手にもっている。
それを見ながら考えるようなそぶりで、右手を顎のことろへ持っていった。
「困ったわねえ、慶ちゃんはいいんだけど、剣ちゃんと忍ちゃんはこのままだと
善徳累積滞納で、しばらく冥界で強制労働させられちゃうかもよ。」
藤子さんがそう言うと忍は平伏したまま答えた。
「そこをなんとか。」
藤子さんは少し考えた。
「じゃあ、この年末の返済期限のうちに、大きな善徳を積んでもらいましょう。
あなたたちが大嫌いな松岡系の皆さんをご招待して、一緒に仲良く大晦日の
年越し蕎麦をたべるのよ。」
タルパは思念エネルギーなので人間の食事を食べることはできないが、
仏壇のお供え物、ご神前の供物、お祭りの時のごちそう、大晦日の年越し蕎麦、
正月のおせち料理など信仰の精神がある食事に関しては、その人間の信仰心の念で
できた念の料理として食べることができるのだ。
それを聞いて池内剣と池内忍は目を丸くして頭をあげた。
「絶対いやだ!」池内剣が断言した。
「そうよねえ、あいつらと仲良くするくらいなら、私、冥界の強制労働のほうがいいかも。」
池内忍もそういった。
「はぁ、そう、じゃあ、1か月くらいマグロ船にでも乗ってもらおうかしら。」
藤子さんが小さなため息をついてそう言うと、池内剣と池内忍は戦慄した。
池内剣&池内忍「マグロ船!」
冥界のマグロ船とは、三途の川に浮かんでいる船で、飛び込み自殺などでバラバラになって
三途の川に流れてきた死体を網ですくい上げて、よせあつめ、人間の形に形成する作業である。
細かく気の滅入る作業が延々続くのである。
主に、善徳が足りない霊が善徳を積むために送りこまれる船である。
「マグロ船はいやだ!やります!松岡系と一緒に年越し蕎麦食べます!」
池内剣は叫んだ。
「私も、もう二度とマグロ船は嫌!」池内忍も叫ぶ。
ん?忍は行ったことあるのか?
「よろしい。」藤子さんはにっこりと笑った。
そして大晦日。
池内系たちは年越し蕎麦の御出汁を作りはじめるが、作り方がわからない。
混乱する池内剣や池内慶を見て、池内忍はため息をつく。
「あんたたちダメねえ、こういうものはね、さしすせそ、って言ってね、
まず、砂糖、塩、酢、醤油、ソースの順番で入れていけばいいのよ!」
池内忍の言葉に池内慶は目を見張る。
「さすが忍ちゃん物知り!さっそくはじめよう!」
そう言いながら鍋に砂糖、塩、酢、醤油、ソースの順番にドボドボ入れはじめた。
その時、池内剣が背後の気配に気付き身構えた。
後ろに松岡良が立っていたのだ。
池内慶もあわてて向き直ってファイティングポーズを取る。
池内忍も攻撃用護符を出してきた。
「やるか!」池内剣が叫んだ。
松岡良はそれを無視して池内系たちの前を素通りして鍋の前に進み出た。
そして、その中身を流しに捨てた。
「せっかくの俺たちの御出汁を!」池内剣が激怒した。
「そうだよ!塩分が多い汁を捨てるときはティッシュにしみこませてゴミ箱に捨てなきゃ!」
池内慶も激怒した。
「いや、そこじゃないだろ、怒るとこ。」
池内忍がつっこんだ。
松岡良は池内系たちの方を向き直った。
「水につけた昆布はないの?」
池内系たちは顔を見合わせる。
「何するの、そんなもの?」
池内慶が尋ねる。
「昆布は沸騰したお湯に入れたらキブ味が出るから、
前日から水につけてエキスを出しておかないといけないのよ。」
松岡良は冷静に答えた。
池内慶&池内剣&池内忍「え~~~!!!」
池内慶「どうしよう、そんなもの用意してないよ。」
池内剣「ここは味の素1ビンぶち込んでごまかすしかねえよ!」
池内忍「むしろ、あきらめてめんつゆ買いにいきましょ!」
池内系たちは混乱した。
そんな池内系たちを見ながら松岡良は無表情に言った。
「私、昨日から作ってるから、それをもってくるわ。」
池内系たちは唖然とした表情で松岡良を見る。
松岡良がどっかに行ってしまう。
池内慶「何!?あの賢い奥様!」
池内剣「お前なんか裸にエプロンでダーリンに媚売ってろ!」
池内忍「むしろおでん屋になれ!」
しばらくして2リットル入りのペットボトルに入った昆布水をもって松岡良が現れた。
そして、無言で鍋に昆布水を入れ、綿の袋に鰹節、シイタケ、煮干しの頭と内臓を綺麗に
とったもの、刻んだトビウオの干物などを入れて煮込み、醤油、みりん、酒で味をととのえて、
最後に隠し味に粉末の乾燥帆立て貝柱を一つまみ入れた。
松岡良はそれをオタマですくい小皿に入れて池内慶にさしだした。
池内慶はそれを飲んでみる。
「こ、これは!まったりとして、それでいて爽やか!これぞまさしく至高のおおおお!!!!」
「小芝居とかいいから。」池内忍が突っ込みを入れた。
池内系たちが掛け合い漫才をやっているうちにも松岡良は出汁の横のお鍋でお湯を沸騰させ、
そこに生そばを入れて茹ながら、まな板の上ですばやく厚揚げとちくわを切って御出汁の中に入れた。
そして、間髪いれず、湯だったそばをザルの上にあけた。
「何!この流れるような複数作業は!」池内慶が驚きの声をあげる。
しかし、池内忍は見逃さなかった。
「あら、えらそうなことを言ってるわりには、おネギを切るのを忘れたのかしら。」
池内忍がそう言っている間に松岡良は素早くネギを刻んだ。
そして言った。
「ネギは最後に入れないとシャキシャキ感が失われるのよ。」
それを聞いて池内忍は顔を紅潮させた。
「何よ、ネギくらいで鬼の首とったみたいに威張っちゃって!ネギなんて関係ないわよ!」
それを横眼で見ながら池内剣がぼそっとつぶやいた。
「最初にネギにつっこみを入れたのは忍だけどな。」
そうしているうちに松岡覇や松岡狼や松岡炎が来た。
松岡覇はちょっと気まずそうにしている。
松岡狼は無言で席についた。松岡炎は笑顔で「どうも、どうも」言っている。
松岡覇は気まずそうな顔をして少し離れた場所に立っていた。
「早くこっちに来なさい、お蕎麦が伸びちゃうから。」
松岡良が抑揚のない声でいった。
「はい」そう言いながら松岡覇は席に着いた。
席につくと、松岡良が全員のお蕎麦をとりわけて、「めしあがれ」と
言いながら一人一人にくばった。
「うっめー!さすが良姉貴の料理は最高だわ!」そう言いながら松岡覇は蕎麦を
貪り食った。
「口にお蕎麦がついてるわよ。」そう言いながら松岡良は無表情のまま
ハンカチを出してきて、松岡覇の口をふいた。
松岡覇はうれしそうに「んー」と言って顔を突き出した。
そのアットホームな雰囲気に池内系たちは唖然とした。
「何・・・・・このホームドラマ。」
池内忍がつぶやいた。
今年一年皆様本当に、ありがとうございました。
また来年も良い年でありますように。
今日も今日とて年末なのにパソコンの前で文字を打っている私。
ちょっとトイレに行きたくなったので、部屋を出てトイレに行って、その帰りに冷蔵庫に
入っているドクダミ茶を飲んでいっぷくしてから部屋に帰ると。
部屋で池内慶と池内剣がパンツァーブリッツという名前のボードゲームをやっている。
また古いものを。
私は、実はオタクと言ってさしつかえないかもしれない。
しかし、いわゆる萌えオタクではない。
アニメや漫画を大量に読んだり見たりするようになったのは、マンガの出版が
決まりかけた頃からであって、本来、そんなに漫画やアニメに親しんでいたわけではない。
私がオタクというかマニアというのは、ウオーゲームである。
昔は世間からは白眼視されたシロモノで、マニアは世間に隠れて密会し、こっそりやっていたものである。
いわゆる戦争シュミレーションのボードゲームであり、
そのドライな戦略性、正義も悪もなく、限られた物資の中でより合理的に行動したものが勝つ仕組みである。
世間のアニメファンたちがアニメキャラをもてはやして部屋にポスターを飾っていた頃、
我々は独ソ戦の研究資料を部屋に並べていた。
アイドルのポスターや写真集など一切ない。
テーマソングはリチャード・アッテンボロー監督の遠すぎた橋。
戦略マニアの中でもこの「遠すぎた橋」のモデルとなったマーケットガーデン作戦の
研究考察が好きな人間は、世間から変人と思われていたシュミレーションゲーマーの中でも
また特殊な部類の人間であった。
一般に彼らシュミレーションゲーマーが好んだ作戦とはノルマンディー上陸作戦や
アルデンヌ攻勢である。
池内慶と池内剣が遊んでいるパンツァーブリッツは独ソ戦をテーマにした
シュミレーションウオーゲームだ。
盤上に書かれたヘックスと呼ばれる六角形のマスの中を戦闘コマを動かして、
敵を攻撃、攻撃結果は戦力比率表とサイコロのランダム性に依存して算定される。
池内剣はドイツ軍を担当し、丘上の防衛陣地を88mm対戦車包で武装した要塞に
立てこもっている。
そこをソ連軍を担当した池内慶が工兵部隊と連動した大量の歩兵部隊で襲撃した。
機動戦ではクソの役にも立たない歩兵部隊だが、事、要塞戦では工兵部隊の特殊効果も
あいまって最強の威力を発揮する。
しかも、KV戦車大隊での襲撃を想定していた池内剣の88mm対戦車砲は歩兵部隊に対してその
威力は限定的である。
「ウラー!」と叫びながら池内慶はサイコロを振り、次々と要塞を破壊していく。
「あああああ!」池内剣があせる。
対戦車砲部隊が壊滅し、池内剣がアワアワしているところを側面から機甲師団を突撃させ、
池内慶は一気に戦略拠点を占領した。
「ハラショー!」
と叫びながら池内慶はその場でケンケンした。
ホコリが立つからやめろよ。
「もう年の瀬だってのにヒマなこったな、そんなにヒマなら年越し蕎麦でも作ってくれたらいいのに、
造ってほしいなー。」と私はちょっと言ってみる。
どうせ、こいつらが作っても幻想世界の住人だから私が食べられるわけではないのだが、
まあ、ちょっとしたコミュニケーションのつもりで言ったのだ。
「コンビニで緑のたぬきかどん兵衛でも買ってくれば?」
池内慶が即答した。
まあ、期待はしてなかったけどね。
いやー、突然頭の中に池下滅という化け物キャラクターが現れて
暴れだしたので、倒してしまうまで手間がかかりました。
全キャラクター総動員で倒しましたよ。
本当は、もっときわどい毒を吐きまくっていたのですが、そんなこと
ブログでは書けませんって(汗)
さんざん暴れまわった末に、いろいろ頭にあったアイデアをつぶしてまわったので、
これは倒してしまうしかないと決意しました。
私の頭の中にあるキャラクターは、一度出てくると、
実際に頭の中で倒してしまわないと、忘れようとしても何度も出てきたりするので、
実際に頭の中で倒す過程を描写して文字として起こしてしまわなければなりません。
反対に怖いのは、実際にキャラクターをストーリーの中で殺してしまった場合、
それがお気に入りのキャラクターであっても二度と頭の中に出てこなくなって
しまったりするので、そこが怖いんですが。
だから、そういう死ぬ場面があるのは、頭の中に、仮想空間の中にもう一つの仮想空間を
つくって、その中だけ限定ですよーという設定を自分の頭の中に
つくっておかないとなりません。
ほんとうに面倒です。
今回も、こうやって実際にお話に出して、発表してしまわないと、また自分の頭の中に
出てきてあばれそうだったので、今回、前のエントリーを発表させていただきました。
みなさま、お騒がせして申し訳ございませんでした。
悪気はないのです。
ただこれをかかないと、自分の頭の中の整理がつかないし、
池下滅があばれて、いくつかのエントリーをつぶしやがったので、倒してしまうことも
しかたのないことなのです。
たまに、私の意思を無視して暴れるのが出てくるのが困りますね。
本当に失礼いたしました。