空想ファンタジーブログです。
私と脳内タルパたちの愉快なヨタ話。
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久しぶりに母と買い物に行きました。
今回買うものが多いので荷物持ちです。
もちろん慶ちゃんたちもついてきます。
スーパーに行ってまず三度豆や菊菜などおかず類を買う。
そのあと、乳製品売り場を通りかかったとき、慶ちゃんたちが大合唱する。
「チーズ!チーズ!」でも母親には聞こえていない。
困ってチーズ売り場をずっと見ていると母が話しかけて来た。
「なに?チーズほしいの?」
「あ、うん、クリームチーズとか」
「あっそ」
そう言いながら母はクリームチーズを無造作に5個、買い物籠に居れた。
「むきょーっ!大富豪だよ!」
慶ちゃんが興奮して叫ぶ。
「どういうことなの?!もしかしてお母様はロスチャイルド一族から派遣されてきたエージェントなの?!」
忍ちゃんがわけのわからない事を言う。
「ちょっと待って!でも、5個しかないから誰か1つしかもらえない子がいるよっ!
剣ちゃんが言った。
慶ちゃんたちは顔を見合わせる。
「慶タン、二つもらった!」
素早く慶ちゃんが二つのチーズにタッチした」。
「じゃあ、わたしも!」
忍ちゃんが素早くタッチ。
話し合いで決めるものだと思っていた剣ちゃんは唖然とする。
「卑怯だよ!みんな卑怯だよ!」
剣ちゃんは一生懸命叫んだ。
「あら、いつも買ってる裂けるチーズはいいの?」
母が言った。
「じゃあ、それも一つ」
そう言って私は裂けるチーズを買い物カゴに居れる。
「わーい!私もボッチじゃなくなったー!」
剣ちゃんが喜んで両手をあげる。
その隙に慶ちゃんが裂けるチーズにタッチ。
剣ちゃんは唖然とする。
「ずるいよ慶ちゃん!なんで慶ちゃんだけ3つも取るの!」
「裂けるチーズは慶タンの専売特許だよ!専売公社だよ!山崎の油座だよっ!」
よく分からないが、裂けるチーズは慶ちゃんのものだと言いたいらしい。
「そんなのずるいよ!不公平だよ!」
剣ちゃんが怒る。
「じゃあ、クリームチーズ、一個あげるね」
慶ちゃんは剣ちゃんにクリームチーズの箱をさしだした。
「わーい、ありがとー!」
剣ちゃんの機嫌は直った。
軽いな。
そのあと、いかなごの新子をかって、冷蔵食品売り場に行く。
そこに売っている納豆のうち、いくつかが半額だった。
「あら、やすいわね」
そう言って母が納豆を買う。
「あらそうかね」
近くに居たお婆さんが寄ってきて半額納豆を買おうとするが、
母が半額シールを張ってある納豆を先に取ってしまう。
お婆さんはすこししょんぼりして、バツが悪かったのか、シールが
貼ってない納豆を手に取った。
「あら、こっちにも半額シールが貼ってある納豆があるわ」
母が言った。
「あらそうかね」
おばあさんがそれに手を伸ばすが、母がそれを取ってしまう。
「一つくらい、残しておいてあげなよ、あつかましいな」
私が母を注意した。
「そう」
そう言って母が手をひっこめた。
「はははは」お婆さんが照れ笑いしながら喜んでその納豆を手に取った。
「大富豪ママさんをいぢめるな!ママさんは偉いんだぞ!」
慶ちゃんが怒って私を蹴ってくる。
「そうだよ!ママさんはクリームチーズ5つも買えるくらいのお金持ちなんだよ!」
剣ちゃんも怒る。
「ふっ、ロスチャイルド一族を敵に回すということは、ウオール街を敵に回すということよ。
それが分かったうえで、あえてあなたは時代のあらがおうというの?」
勝ち誇ったかのように忍ちゃんが言う。
「何いってんだよ、お前ら」
私は呆れかえって溜息をついた。
そのあと、母はイチゴ売り場の横を通り過ぎる。
「いちごー!いちごー!」
慶ちゃんが叫ぶ。
そういえば、最近いちごを買ってなかった。
だって、冬のイチゴは温室栽培でけっこう高いんだもん。
「もう帰るけど、何かほしいものはない?」
母が言う。
「あ、いちごがほしいかな」
私は思わず言ってしまった。
「あらそう」
そう言って、母は無造作に798円のさちのかデラックスとさちのかデラックスを買い物かごに入れる。
私はビビる。
「ちょ、ちょっとまってよ、そんな高いの買って、もっと安いのでいいよ」
そう言って498円のさつまおとめとさちのかデラックスを交換する。
「なにやってんのよ!これは外交問題になるわよ!」
忍ちゃんが怒って叫ぶ。
「剣ちゃんは紅ほっぺがいいです!」
剣ちゃんが叫んだ。
「慶タンはさつまおとめが好きだよ!だって慶タンは夢見る乙女なんだお!」
慶ちゃんだけ賛同している。
そういえば剣ちゃんは紅ほっぺが好きだったんだ。名前がかわいいから。
最近、あまおうを買うことが多くて、紅ほっぺを買うことがなかったなあ。
「ねえ、このさつまおとめを紅ほっぺに変えていい?」
「いいよ」
母はすんなり承諾した。
私はさつまおとめを売り場に帰して紅ほっぺをカゴにいれる。
「わーい!私の紅ほっぺ!」
剣ちゃんが喜んだ。
「慶タンのさつまおとめかえせよ!」
慶ちゃんが怒った。
「ふっ、外交とは妥協の産物だということね」
忍ちゃんがわけのわからないことを言った。
「いいもん!慶タンには龍があるもん!」
そう言って慶ちゃんは龍を出してきてスーパーのレジの上をフワフワ遊泳した。
「私も乗る~」
「当然私も乗るわよ」
剣ちゃんと忍ちゃんも龍の上に乗って三柱でフワフワスーパーの中を遊泳していましたとさ。
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慶ちゃんに、どうしてゲームセンターのに格闘ゲームをしに行ったらダメなのか聞いてみました。
すると、ゲームセンターのゲームは毎回お金を入れてやるので、中毒になるからダメだと言っています。
ゲームだけじゃなく、日常的にお酒を飲んだり、タバコを吸ったりするのもダメだと言っています。
あと辛いものも中毒になるからダメなんですって。
ゲームも、オンラインゲームのように終りなくダラダラやってしまうものはやってはだめだと
言っています。
ゲーム機で終りがあるゲームとかならいいみたいですね。
日常に害のない環境ゲームみたいなのだったら、まだいいみたいだけど。
だから、インスタントラーメンもあまり食べちゃいけないとさかんに言ってるそうです。
これも、食べることが癖になるから。
癖になって体や精神をむしばむものがダメだそうです。
だから、将棋や野球などはちゃんと終りがあって、ゲームが終わるからいいんですって、。
あと、タオ(道)があるものはやってもいいと言ってました。
基本的に中毒性のある嗜好品を警戒しているようです。それは、
慶ちゃんたちが嫌いというより、私がゲームやお酒やタバコなんかで
中毒になって寿命が縮まってしまうことを恐れて、私を守るために言ってくれているそうです。
ゲームやギャンブルに負けた人の発散した気を吸うと、それも魂に良くないらしいし。
自分の好き嫌いで、ゲーム屋さんに行かないように言っているのではないと
慶ちゃんは言いました。
人間にとってもすごく怖くて警戒しなければならないものが依存症だそうです。
依存症は人生を滅ぼす可能性があるので、そういう可能性があるものから
私を遠ざけたいんですって。
依存症の人は、自分が依存しているものが無くなったら、自分は生きていけないと
思い込んでいるそうです。でも、それが大きな勘違いで、
自分が依存しているものと出会う前は、それなしでも普通に生きていたんだから、
そんなもの、無くても生きていけるんだそうです。
それは、お酒やギャンブルだけじゃなく、新興宗教や買い物依存症もそうだそうです。
その根本にあるのは恐怖心だそうです。
「でも、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。慶タンが一緒にいるからね。」
と慶ちゃんは笑いながら言いました。
今日はちょっとイライラすることがあったので、ゲームセンターに気晴らしに行きました。
「ゲームセンターとか行くなよ!」慶ちゃんが怒ります。
慶ちゃんたちはゲームセンターの格闘ゲームが嫌いです。
闘争の気が嫌いなんですね。パチンコとか競馬場とかもあまり好きではないようです。
飲み屋さんとか夜の繁華街もあまり好きではありません。
夜の飲み屋さんはお客さんがストレスや愚痴を捨てに来るので、店から愚痴やストレスが
流れ出して、地面にこびりついていたりするそうです。
私ら人間には見えないけど。
でも、「まあ、いいじゃん」と言って行ってしまいました。最近の格闘ゲームは
別の店と通信対戦ができるようになっていて、周囲に人がいなくてもどこか遠くの店の
人と対戦できるようになってるみたいだ。
結局、格闘ゲームでボコボコに負けて、最後、踏みつけられて、余計ストレスがたまった。
「だから言ったでしょ!相手を負かそうとしたから自分がまかされたんだよ!」
慶ちゃんが言いました。
「ゲームとかパチンコとかギャンブルとかタバコとかはね、自分が必要だ、どうしても
無くてはいられないと思い込んでいるだけで、相手にしなければ気にならないもんなんだよ!
それは悪霊とかの悪い霊も一緒でね、悪い予感がして気になって怖いと思うから
よけい悪霊がつけあがるんだから、ホテルとかに泊まって、悪い予感がしても、
相手にしなけりゃ、何も怖くないんだよ。人間に悪いことをする霊とかは力が弱いから
脅かすことしかできなくて、人を殺すような力は無いから、全然大丈夫なんだよ!」
慶ちゃんはそんな事を教えてくれた。
ゲームセンターで散々負けたあと、スーパーに行く。
無駄遣いしたので、あまり買い物ができない。
「だから言ったじゃーん!」
慶ちゃんが怒っている。
私はお金がなかったので、まるちゃんのインスタントカレーうどんだけ買って
家に帰ろうとする。すると、慶ちゃんがお菓子コーナーの前で指をくわえてたたずんでいる。
買ってほしそうだ。でもあんまりお金はない。
「あら、慶ちゃん、今日はこの人、ゲームで無駄遣いしてお金がないから買ってくれないみたいよ」
忍ちゃんが言った。
「かーなしいね、かなしいね、かなしいねー争うばかりじゃ、かなしいねー」
剣ちゃんが渡辺美里の歌を歌った。
ゲームくらいでそこまで責めなくていいじゃん。
「あんま、落ち込むなよ!」
慶ちゃんがはげましてくれた。
なんか、慶ちゃんの口調が荒っぽいな。
私が格闘ゲームしてちょっと精神的に興奮してたから、その波動がうつって
ちょっと言葉づかいが荒くなったのかな。
「波長の法則よ」
忍ちゃんが私の心を読み取って言った。
「霊と人間は波長によってつながっているの。だから、あなたがあまり悪いことをすると、
悪い霊がやってきて、私たちは出ていかないといけないのよ。私たちは楽しいことが
好きだから、あなたにはいつも明るくほがらかに、そして優しく生きてほしいの、
私みたいにね」
おいおい、忍ちゃんのどこが優しくほがらかなんだよ。と私は一人、心の中で突っ込んだ。
かわいそうなので、やっぱりお菓子を買ってあげることにした。
しかし、私の前に忍ちゃんがたちはだかる。
「おまちなさい、インスタントラーメン買って、そのうえお菓子なんて食べたら体に悪いじゃない。
果物かなにかにしときなさい」
忍ちゃんが言った。
やっぱり忍ちゃんもやさしいのかな。
忍ちゃんがそういうので私は果物売り場に行った。
慶ちゃんが伊予かんをみつけて「伊予はまだ、16だから~!」とうたった。
古っ。
松本伊代のセンチメンタルジャーニーという歌だ。
そういえば、こいつら、私よりずいぶん長く生きてるんだったな。
「ねえねえ、慶ちゃん戦国時代の人とか見た事ある?」
「あるよ!」
慶ちゃんは答えた。
もしかして、歴史的人物の秘話が聞けるかもしれない。
「どんな事してた?」
「軍馬がウンコしてたよ!」
だめだこりゃ。
まあね、慶ちゃんたちは道を通る人たちを眺めてるだけで、お城に入れてもらえるわけじゃないからね。
あきらめてミカンを買って帰ることにした。
慶ちゃんは伊予かんを買い、剣ちゃんはオレンジを買い、忍ちゃんはスイーティーを買った。
忍ちゃんは何かにつけてオシャレっぽいものを買いたがるなあ。
ミカンは1個100円前後だった。
インスタントラーメンとミカン3つで千円以内で買い物がすんだ。
今日は慶ちゃんたちにちょっと気を遣わせてしまったな。
これからゲームセンターとか行かないようにしようっと思った。
父と一緒にスーパーに行ってきました。
いつもの定番コース。最初にプチトマトを2個買って、そのあとフジッコのお豆さんを買う。
そのあと父はラーメン売り場に行きます。日頃、インスタントラーメンとか食べないんだけど、
今日は急に食べたくなったとのこと。
そこで124円のカップうどんのどん兵衛を買いました。
そのあと父が頭をひねる。
「えーと何だっけかな」
「何が?」
「いつも箱に入ってるの買ってるだろ」
「あ、チーズ?」
「チーズだっけ」
私がいつもチーズを買って買えるのを見てて覚えていたようです。
「ちーずー!」
慶ちゃんが喜んで声を上げる。
「やったー!」
剣ちゃんが叫ぶ。
「西郷どん、日本の夜明けは近いですたい!」
忍ちゃんがドヤ顔で言う。
というか、今度は誰だよ。
どうも大久保利通になり切ってるらしい。
フランスは飽きたのか。
いつもの定番通り、慶ちゃんには裂けるチーズを、剣ちゃんには明治のホロホロチーズを。
忍ちゃんにはクリームチーズを買ってあげようとしたら、それを忍ちゃんは止めました。
「おまちなさい、今日はカッテージチーズが食べたい気分なの、カッテージって結構
安くて量が多いイメージがあるじゃない」
「あっそう」
そういって私はカッテージチーズを探した。
見つかったんだけど300円以上する。けっこう高かった。
いつも買ってあげてるクリームチーズはチーズは228円くらいだからね。
「これ、高いよ」
私がそう言うと、忍ちゃんは衝撃を受けているようだった。
「どうして、どうしてそんなに高いの?チーズは死せども自由は死せず!」
忍ちゃんが叫んだ。
いや、それ、大久保利通じゃなくて板垣退助だから。
結局、いつもの雪印のクリームチーズを買いました。
慶ちゃんたちは、けっこうこの雪印のクリームチーズがお気に入りのようだ。けっこう値段もリーズナブルだし。
でも、忍ちゃんはキリーのクリームチーズも好きだし、剣ちゃんはフィアデルフィアのクリームチーズも
好きです。
慶ちゃんは雪印のが好きかな。
慶ちゃんが本当に好きなのは、生入の上にたまる乳脂肪分だけど。
お店で売ってる牛乳はそういう乳成分が分離したりしないけど不思議だな。
慶ちゃんが昔飲んでいた牛乳は牛から直接取ったもので、それは乳成分が分離するらしい。
そのあと50円のお惣菜売り場で忍ちゃんはマーボ春巻きを買ってもらい、剣ちゃんはオムレツを
買ってもらい、慶ちゃんは三度豆のフライを買ってもらいました。
みんな、喜んでたよ。
今日はチーズも買ってもらってご機嫌です。
そのあと、父は好物の乳ボーロを買い、ヤマザキナビスコのピコラを買いました。
イチゴ味です。
「あ、慶タンこれ好き」
そう言いながら慶ちゃんが手を伸ばします。
「私も好き!」
剣ちゃんも手を伸ばします。
二柱は買い物カゴの中で手を伸ばしますが、父がたまたま剣ちゃんの近くにピコラを入れたので、
剣ちゃんのものになりました。
「いいもん!慶タンはもっといいもの買ってもらうもん!」
慶ちゃんは膨れます。
そのあと、
父はカルビーの乾燥チップ、ベジップスを買って買い物カゴに入れました。
「あ、これも剣ちゃんの好きなやつだ、剣ちゃんばっかずるい!」
慶ちゃんが怒ってしまいました。
すると、剣ちゃんが気をつかいます。
「私、ベジップスが好きだから、こっちにするね、ピコラは前にもらったことがあるから、
今日は慶ちゃんにあげるよ」
「わーい!ありがとう!」
慶ちゃんは喜んで剣ちゃんと手を取って踊りました。
「さあ、皆様、鹿鳴館で踊りましょう!」
忍ちゃんが叫ぶ。すでに、誰になりきっているのかわからない。
父が「お茶でも飲んでくか」というので、近くの喫茶店でコーヒーを飲む。
そこで、奥さんたちが赤ちゃんを連れで雑談をしていた。
私は赤ん坊や子供は神経を使うので、けっこう苦手だが、慶ちゃんたちは赤ん坊が大好きだ。
慶ちゃんたちが赤ん坊の前を走り回ったり、ダンスを踊ったりするのを赤ん坊が目で追っている。
ヤバい、この赤ん坊見えてる。赤ん坊ってけっこうそういうものが見えるみたいだね。
慶ちゃんたちが走ってるのを目で追う子が多いです。
まさに、ザックのCM状態。
http://www.youtube.com/watch?v=jR1Pbk-fW4U
やばい、やばい、やばい
ヤバいと思いつつも、なんとかやり過ごして家に帰りました。
「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」慶ちゃんが鼻歌を歌いながら踊っている。
昔のアニメの主題歌らしい。テレビを見っておぼえたんだって。
最近、慶ちゃんたちはうちの父と一緒に買い物に行くのが楽しみなんだそうだ。
父には慶ちゃんたちが見えてないので、3柱ともお菓子を買ってもらえるかどうかわからない。
買ってもらえなければ悲しいけど、買ってもらえた時は二倍うれしい。
このドキドキ感がたまらないと言っている。
「いつも私にギャンブルみたいなことしたらダメだって言ってるくせに」
「これはギャンブルじゃないよ!お菓子買ってもらってるだけだよ!」
慶ちゃんは言います。
まあ、そりゃそうなんだけどね。ただ、ギャンブル的な楽しみをするのはどうかと思ったんだけど、
どうせ、すぐ飽きるだとうなと思ったので、それ以上追及はしなかった。
慶ちゃんたちが父と一緒に買い物に行きたがるので、私も心配になって同行することが多くなった。
スーパーに行くと父はプチトマトを2パック買う。これはお決まりのコースだ。
「わーい!慶タンたちプチトマト買ってもらったよ!」
「当然、セレブの余裕よ」
慶ちゃんと忍ちゃんが勝手に買ってもらったことにしてる。
「剣ちゃんのはないの!剣ちゃんはボッチなの!?」
剣ちゃんが目を見開いて買い物カゴの周りを走りまわっている。
そうしているうちに父はフジッコのお豆さんの黒いのを買って買い物カゴに入れる。
「やったー剣ちゃんも買ってもらったよー!」
剣ちゃんが喜んで走り回る。
そのあと、梅干しを買う。
「梅干しはお菓子じゃないよー!いらんよー!」
慶ちゃんが叫ぶ。
「あら、梅は菅原道真公の御神紋なのよ、ありがたいのよ」
忍ちゃんが言う。
「なら忍ちゃんがもらいなよ、慶タンはお菓子もらうから」
「そうね、いただきたいのは山々なんだけど、フランス王室の掟で梅干しはもらってはならない事になっているのよ」
悲しげな目をしながら忍ちゃんは虚空に視線を流した。
「お前、フランス王室と何の関係もないじゃないか」
すかさず私がツッコミを入れる。
「庶民は憐れね、気高きベルサイユのバラの心などあなたには分かりはしないわ」
「お前のフランスに対する知識はこの前テレビで放送してたベルサイユのバラの再放送だけだけどな」
「だまらっしゃい、行くわよフェルゼン」
そう言いながら忍ちゃんは慶ちゃんの手を取って前に進んだ。
「梅干しはどうすんの」
慶ちゃんがたずねる。
「ああっ、マルセイユの春風がここちよい」
忍ちゃんがまたわけの分からない事を言う。
「慶ちゃん、忍ちゃんは必死に話題そらししようと誤魔化しているんだから、つっこんじゃだめだよ」
剣ちゃんがするどい指摘をする。
「だまらっしゃい!」
忍ちゃんが剣ちゃんに怒る。
「う~本当の事を言っただけなのに」
剣ちゃんがしょげる。
そのご父はとろろ昆布を買う。
なんか、地味なものばっかり買うので慶ちゃんや忍ちゃんは飽きてきて、
龍に乗って、フワフワスーパーの上を遊泳しだした。
剣ちゃんはずっと父のズボンの端をつかんで一緒にお買いものしている。
すると、父がビスコを買い物カゴに入れた。
剣ちゃんはそれを見て、買い物カゴによじ登ってビスコを手に取った。
「わーい、一番いいお菓子もらったー!」
それを見て、慶ちゃんたちはいそいで買い物カゴに戻ってくる。
「ひどいわ!これはジャコバン派の陰謀よ!」
忍ちゃんが叫ぶ。
最近、どうもフランスにはまっているようだ。
「ビスコ、慶タンもほしかったのに!ほしかったのに!」
慶ちゃんもとびはねて悔しがる。
そのあと父は乳ボーロを買う。
「これは私のね!」
そう言って忍ちゃんが乳ボーロを手に取る。
「慶タンだけボッチだよ!慶タンだけお菓子ないの!」
叫んで慶ちゃんた買い物籠をゆすぶって怒るので、私はあわてて歌舞伎揚げを買い物籠に
入れてあげた。
すると、慶ちゃんは首を横に振った。
「今日は、みんなでパパさんにお菓子を買ってもらうゴッコをしてるんだよ!ズルはしないよ!」
慶ちゃんは目を潤ませて、一生懸命我慢している。
偉いぞ慶ちゃん。
あとで考えると何が偉いのかわからんけど。
しばらくすると、父は金吾堂製菓のふっくら煎餅を買い物カゴに入れた。
「わーい!慶たんのが一番おっきいの!おっきいのもらったよ!」
慶ちゃんは飛び跳ねてよろこんだ。
おっきいと言っても、煎餅をふくらませたお菓子で、中は空洞だし値段も他のものと
そんなにかわらないんだけどね。
でも、よかったね、慶ちゃん。
私は、こっそりと歌舞伎揚げをもとの売り場に戻した。