頭の中の池内慶

今日はスーパーでスイカを買いました。
慶ちゃんが大喜びでそれを貰います。
次に桃を買いました。
「当然コレは私のね」
と忍ちゃんが近づきます。
「あ、剣ちゃんがかわいそうだよ」
慶ちゃんが口を挟みます。
「何言ってんのよ！あんた、一番最初にもらったじゃない！」
忍ちゃんが怒ります。
「でも、剣ちゃんほしいよね～」
慶ちゃんが剣ちゃんの方を見て言います。
剣ちゃんは目をうるうるさせてます。
泣きそうです。
「もう、しょうがないわね」
忍ちゃんがそっぽをむきます。
「わ～い」
剣ちゃんが喜んで桃を貰いました。
「ちょっと、私も私にふさわしい果物を用意しなさいよ」
忍ちゃんが私につめよります。
本当はゴールデンキーウイが買いたかったのだ。
私がそっとゴールデンキーウイに手を伸ばすと忍ちゃんが激怒しました。
「そんなけむくじゃら、私にふさわしいと思ってるの！」
あまくておいしいのに。
しかたがないので、巨峰を買ってあげました。
「ほら、フランスワインの元だよ」
と言ってあげると、忍ちゃんも納得したようです。
そのあと、納豆を買って枝豆を買いました。
こういうものには慶ちゃんたちは興味をしめしません。
そのあと、チーズ売り場に行って、チーズのボーノを買いました。
この前、慶ちゃんにイカに切り身の味がすると言われて興味を持って買ってみたいのですが、
たしかに、一夜干ししたスルメイカみたいな感じの食感でおいしかったので気に入ってしまいました。
チーズなのに、イカみたいとはこれいかに。
今、慶ちゃんが横で「うまい！」と言いました。
そう言い残して私の太ももを枕に寝てしまいました。
それはさておき、
このボーノチーズは当然慶ちゃんのものに。
あと忍ちゃんには裂けるチーズのプレーンを、剣ちゃんにはスモークをあげました。
二柱ともちょっとふまんそうだったんだけど、私が食べたかったので、妥協してもらいました。
そのままレジに向かおうとしていると、
私の目の前で慶ちゃんたちがフォークダンスを踊っています。
ああ、中学生のときにやったなあ。あれ、小学生のときはめんどうくさくって大嫌いだったんだ。
何でこんなくだらないダンスなんてやるんだろうとすごく嫌だった。
でも、中学生高学年になってくるとなんか、異性と手がつなげて楽しかった記憶がある。
「何踊ってるの？」
聞くと慶ちゃんが「オクラホマミキサー！」と叫びました。
そうだ、今日は母にたのまれてオクラを買いに来たんだ。
実は、前に慶ちゃんにせがまれて買ったオクラの苗が生長して実が実ったのですが、
数が少ないので１本だけしかできなかったのです。
煮付けにしようという話になったのですが、１本だけ煮付けにするのも
面倒なので、お店でオクラを買ってきてほしいと母に頼まれたのでした。
これなら、最初からオクラをお店で買ったほうが安くつくのですが。
（肥料や土のお金を考えると相当割高）
でも、慶ちゃんはオクラの花が見たいと言っていたので、しかたないです。
私はまだ見てないんですよね。
観葉植物じゃないから、受粉するとすぐにしおれてしまうみたい。
慶ちゃんは見たと言ってました。「綺麗だよ～」と言って喜んでました。


肝心なものを忘れるところだったのですが、慶ちゃんのアピールで難を逃れました。
私はオクラを買って帰りました。

日曜日、冷蔵庫をあけたら桃が４個入ってた。
「うぴょー！」と言って慶ちゃんが飛び跳ねて喜んでいました。
しかし、しばらくして青ざめます。
「これ、ひょっとしてパパしゃんが買ってきたの？だったら慶タン、お買い物に連れて行って
もらえなかったの？」
日曜日は慶ちゃんはいつも父と一緒にお買い物に行っていました。
とはいっても、父は慶ちゃんたちが見えないので、ただ、出て行くのを見つけて
ついていってるだけですけど。
それでも、この日は一緒にお買い物ができなかったのがショックだったようです。
でも、あとで聞いたら散髪に行ってその帰りについでに桃を買ってきたようでした。
「ついでならしょうがないね」
慶ちゃんは納得していました。
どういう思考回路で納得したのかはわかりませんが、安心したようです。
今日は朝から
「連れて逃げてよ～ついて～おいでよ～」と慶ちゃんがオクラをマイクがわりにもって
矢切りの渡しを歌っていました。

この前、庭でさび付いたコインを拾った。
鉄たわしでこすってみると、どうも昔の１銭のようだ。
珍しいものだが、青さびがついて表面にこびりついて模様がみえない。
「そうだ！サンポールにつけてとかせばいいんだ！」
そう思って私はサンポールにコインをつけて
寝た。
次の日、サンポールからコインをひきあげて、水で洗ったらコインがとけて穴があいた。
それをみて、忍ちゃんが
「あはは、馬鹿ねえ」と笑っていた。

今日、剣ちゃんがお絵かきしていた。
向かって左にけっこう大きな慶ちゃんが描いてあって、顔が笑っている。
右にもうすこし小さめの忍ちゃんが描いてあって、顔はむすっとしている。
真ん中に小さな剣ちゃんが描いてあって両手をつないでもらって、
満面の笑みを浮かべている。
明らかに縮尺がおかしいけど、剣ちゃんは自分がいちばん小さい子だと
おもってるんだなあと思うと、ちょっと切ない気持ちになった。
この絵、前も描いてた気がする。

今日はスーパーに行って凍土１のスイカのを買いました。
どうせ一玉買っても食べきれないので切り身をいつも買ってます。
これは慶ちゃんが貰いました。
その後、剣ちゃんはサイダーをもらい、忍ちゃんはイチゴのクリームチーズを貰ってご満悦です。
あとはジャムパンが３個だと割引になるセールをしていたので、３つかいました。
あと、父が食べるおやつとして北海道アイスバーとカフェオレを買いました。
「慶ちゃんは最初に一番いいスイカをもらったから、これは私たちがもらっておくわね」
忍ちゃんがそう言ってアイスをとり、剣ちゃんがカフェオレをとりました。
「あら、あなた、いつも液体ものばかりもらうのね、あなた火の精霊でしょ、どうせ飲めないのに、
もらうの？」
忍ちゃんがいいました。
「飲めなくてもいいんだよ！ジュースはスタイリッシュだからかっこいいんだよ！」
剣ちゃんが言いました。
剣ちゃんたちは、実際、お菓子をたべたり、ジュースを飲んだりしないことがおおいです。
自分たちが所有権をもらって、それを人間に施すことで、メンツが保たれるようです。
精神エネルギーにとって一番大事なのはメンツだそうです。
だから、お稲荷さんとかで一つのところで願をかけて別のところに願をかけたりすると
メンツを潰されたと思って罰をあてたりするようですね。
実は、お稲荷さんは精神エネルギーの中でもとくに面倒見が良くて、
人間好きな神様なそうなんだけど、反面、それだけに裏切られた時の怒りもすさまじいんだそうだ。
稲荷神って豊穣の神のイメージがあるけど、稲荷神には火神もいるそうだ。
木火土金水の法則では火は礼を表す。よって、礼をつくす者は助け、礼を踏みにじる者を成敗する。
火は木によって力を得て、金を剋する。
木は仁で、金は義だから、奉仕してもらって、優しくしてもらうと喜んで助けてあげる。
いわゆる現世利益の神になりやすい。反面、金の義を剋するので、
その人間の正道にとって正しいことではなくても、甘やかして現世利益を与えてしまう
ことも多いようだ。
だから、火の精霊や神様を利用したり、おだててお願い事をしてはいけないみたいだ。
私は一切剣ちゃんにお願い事をしません。
それは慶ちゃん、忍ちゃんに対してもそうだけど。
忍ちゃんにアイス、剣ちゃんにカフェオレをあげたので、
慶ちゃんには久しぶりにナポリタンスパゲティーを買ってあげた。
慶ちゃんはなぜかナポリタンスパゲティーが好きだ。
カエデからとれたメイプルシロップとか好きだとお洒落なんだけどな。
「メイプルシロップのかかったホットケーキは好きだよ」と慶ちゃんは言った。
そのあと、お菓子売り場に行ったらラングドシャという名前のお菓子が売っていた。
「むひょー！これ懐かしいよ、これ！」慶ちゃんがそう言うと、周囲が薄暗くなり、
私が通っていた小学校が目の前に幻想として現れた。そこで母親と先生と三者面談で、
先生がランクドシャと紅茶を出しtえくれた。こんなおいしいお菓子があるんだなあと思って
、感動したもんだ。そのとき先生が出してくれたお菓子のパッケージには、なぜか、猫の絵が
プリントしてあった。
何であれは猫だったんだろうなあ、と考えていると後ろから忍ちゃんが声をかけてきた。
「あら、それはラングドシャが猫の舌って意味だからじゃない。」
知らなかった。
「でも、丸い形で猫の舌っぽくないよ」
「それは日本のお菓子メーカーがパックするのが面倒がから円形にしただけであって、
本場フランスでは猫の舌みたいに長細いのよ」
得意げに忍ちゃんがいった。
「へー」私は感心した。

旅行先では時々不思議な事が起こる。
前に京都に行ったときには、慶ちゃんが八坂神社の前にある和菓子屋さんで
歓喜団という揚げ菓子を買ってほしいとねだった。
値段がすごく高くて、味も仁丹みたいな香料の味がした。
でも、慶ちゃんはものすごく喜んで「軍医の中川さん～！軍医の中川さ～ん！」と
叫びながら走り回った。
その時は意味が分からなかったけど、あとで、「軍医の中川さんが清国の外交官が
襲われて瀕死になっているところを助けて、清国の外交官が喜んだんだよ！」
と教えてもらったのでグンイというのが軍医だという意味だと分かった。
でも、何でそこで軍医だとか１００年くらいも昔の清の外交官の話になるのか意味が分からなかった。

旅行に行くと時々わけのわからないイメージが頭にわいてくる。
前に鵜戸神宮に行ったとき、目の前にうっそうとしたテングサの群生林が広がり、
そこにものすごく目が大きく、蒼綠の鱗をもった不気味な人魚が泳いでいるイメージが
鮮明に浮かび上がったことがある。
ものすごく鮮明で背筋が凍り付きそうになった。
前にテレビで見たけど、霊能者の江原啓之さんが「この神社には鳥に乗った小さな神様がいて、
私を迎えに来た」と言っており、鳥の神様が守っている（鵜か？）神社だと
言っていたので、私のイメージは間違っているんだろうけど、
ものすごく鮮明に人魚の姿が見えてしまったんですよね。
目がすごく大きくて口の中にはギザギザのピラニアみたいな牙があってすごく気持ち悪かった。
私は明確にそこに人魚がいるのを感じてしまった。
まあ、私の妄想なんだろうけど。

何でこんな事を思い出したかというと、この前長浜から船に乗って琵琶湖の中の竹生島に船に乗って
行ったんだけど、その長浜からすこし船で進んだところでまた、人魚の波動が見えたのです。
その人魚は鵜戸神宮で見た人魚とはまったく違うもので、目は細くて鱗がなくて、下半身は
ナマズみたいにまっくろで滑っとしていました。
目は細くて、目の間がけっこうあいていて、スナメリみたいな感じ。
歯は臼歯で、海藻をすりつぶして食べる感じかなと思った。
髪の毛はもずくみたいでゆらゆら揺れてた。
こんなところに人魚がいるはずないと思いつつも、そのイメージがすごく気持ち悪かった。
旅行に出ると、時々こんなことがあります。
不思議だな。